UN‐GO第11話(最終話)感想
#11「私はただ探している」
真犯人は、大方の予想どおり速水星玄。動機は、泉検事を振り向かせたかったという、まさかの色恋沙汰でした。
倉満ちゃんと死んだ水野は、フルサークルのメンバー。
新人議員さんの動機が不明だったのですが、太陽発電という環境絡みか。確かに、環境保護を声高に叫ぶ人って、狂信家が多いですからね。
麟六がADに化けていたというのも、小味だけどサプライズに成り得ていましたし。
ウロボロス的に拡散させず、しっかりと纏めてきた手腕に感銘を受けました。
でもやはり、「海勝麟六の犯罪」に収斂した印象です。全ては、メディア王である彼の掌の上だった。
「少しずつ向上すればいい」。漸進的改革を説く麟六。
しかし、新十郎は、あくまでも「堕ちる」事を主張。堕ちることで、人間の美を見出したいというのです。
「堕落論」の著者でもある坂口安吾を髣髴させる、逆説的なのに説得力のある、鋭い舌鋒でした。
「私はただ探している」というタイトルが、ここで効いてくるのでしょう。
老人が、真昼間に灯をともして何かを探しているので、通りかかった人が不審に思って問いただすと。
「儂は『人間』を探しているのだ」と答えたという、古代ギリシアの哲人を想わせます。
別天王は神などではなく、「言霊」だった!
しかも、戦意高揚を謳って国民を謀り続けた連中の軽佻浮薄がたっぷり詰まっているというのです。まさに因果の大好物。
正体を顕した姿は、バケモノ兎のような魑魅魍魎の類でした。追尾し捉えて「御魂」を貪る因果が、なかなかに怖かったっすww
終劇は、梨江ちゃん相手に、因果似だったという女の話を語り続ける新十郎。
苦笑してましたね梨江ちゃん。この二人の行く末も気になるところ。
そして、美少女ふうの風守の映像で畢るのも好ましかった。風守こそは、物語後半の「正ヒロイン」でしたからね。
軽薄短小が幅を利かせる世紀において、安吾原作の力も相俟って、非常に「腹ごたえのある」作品でした。
作画の質も、かなり高かったと思います。
脚本の會川さん、水島監督、キャラデのpakoさんと高河ゆんさん、スタッフの皆さん、お疲れさま!そして有難う!
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