2012年5月27日 (日)

Fate/Zero第21話感想

#21「双輪の騎士」

人は、愛しすぎると、今度は殺してしまいたくなるものなのですね。

間桐雁夜の悲劇。
夫婦のことは、他人には分らない
まさに、俗諺のとおりになってしまいました。
苦難や犠牲の全ては、渠(かれ)が慕情を寄せていた、遠坂葵と、桜ちゃんのため。
そう祈念して、我が身を捧げ尽くした雁夜おぢさんでした。
しかし、時臣の思いがけない死に逆上した葵に責められて、思わず手をかけ、あろうことか、縊り殺してしまった。(死んではいないとの情報もあるけれど)
美しい葵さんの、無惨な顔が印象的でした。
行動動機さえも否定された雁夜の、絶望の闇の深さは、想像するだに辛いものがあります。

ともあれ、アイリさんが人質になっているのは渝りませんので、衛宮切嗣の進退や、バーサーカーとの宿命の対決の行方も気になるところです。

他人の不幸は蜜の味」とはよく謂ったもので、アーチャーと言峰綺礼は、そんな雁夜の狂態を歯牙にもかけず、優雅に極上ワインを傾けています。
この人外めが!と瞋恚をもやしたいところですが、アーチャーはもともと人外かw

劈頭、ライダーとセイバーの頭文字Dで始まったときは、峠をかっ飛ぶ映像にシビれました。
まさか、セイバーがエクスカリバーを放ち、ゴルディアス・ホイールが粉砕されてしまうとは…。
ウェイバーが「アイオニオス・ヘタイロイ」の発動を使嗾しましたが、セイバー誅滅がライダーの希みではないので、それはしませんでしたね。
しかし、ライダーたるもの、脚を喪ったのは非常な痛手です。
磊落な征服王に、まさかの暗雲が立ち込めてきました。イスカンダルのおっさん、好きなんだけどなあ…。

今回も、映像、物語倶々、愉しませてくれたFateでした。

些(すこ)し、話がズレます。アニメ語りではあります。
ツイッターで見かけた、大地丙太郎さんの呟きが、気になりました。
大大大先輩である九里一平さん(タツノコ社長)の「昨今の紙芝居アニメはもうやめてほしい」についての呟きです。
大地さんは、作画の枚数を節約しなければならない業界事情を語っていましたが、実は私は、かつての「フルアニメ」が、理想とか至上とか、必ずしも思っていません。

アニメは、錯覚(イリュージョン)の芸術」。
これは至言です。
フルアニメの極北である、ディズニーの「バンビ」や「白雪姫」を、見事な達成だと観じつつも、あえて省力した日本のテレビアニメの手法もまた、独自の進化を遂げた芸術だと考えます。
丹念に「動き」を追うのが、かつてのアニメの理想郷でしたが、コマ飛ばしによって、逆に「ムーブマン(動態)」を錯視させ、そこに華麗な動きを現前させる。これは、日本ならではの工夫でした。
「貧しさの聖化」とは、昭和の天才詩人、立原道造に捧げられた詞。
緻密に塗り込めた西欧の油彩画も素晴らしいのだけれど、さっと筆で刷いたように視える水墨画もまた、至高の画境を顕している。
同じことが、アニメにも謂えるのではないでしょうか?

勿論、お粗末な紙芝居としか言いようのない作品も、巷間に出回っています。これは擁護のしようもない。
しかし、Fateに代表されるような映像美の在り方は、もっと評価されてもいいと思います

次回「この世全ての悪」

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2012年5月20日 (日)

Fate/Zero第20話感想

#20「暗殺者の帰還」

人と英霊の事情が語られました。

舞弥さん死す。
アヴァロンを返上したアイリの生命は、燃えつきかけて。

前回までに、2話分を費やして、切嗣の事情を詳らかにしました。
今回は、切嗣陣営とウェイバー陣営の事情を、こもごも顕かにしましたね。
聖杯戦争の爛熟に向けて、しっかりと基礎を固めた印象のお話でした。
舞弥の例にみられるように、人物の境遇や性格づけを、さっとひと刷けで一筆書きしてしまうのは、重厚さに欠けるきらいはあります。
ゲーム的ということかもしれません。物足りない人には物足りないかも。
でも、諸要素の総合体であるアニメ作品に於いては、こうした省力的手法もアリでしょう。

●ライダー
「アイオニオン・ヘタイロイ」という大技は、厖大な魔力を費消する。容易に想像がつきます。
ところが、征服王さんは、ウェイバーからの供給に頼らず、自前の魔力だけで大量消費を賄っていた。
それも限界。霊体化して、魔力の回復に努めているのが現状です。
その態度に纏綿してはいたけれど、征服王はやはり、ウェイバーの庇護者を以て任じていたのか。
若輩者を護るのが年輩たる者の努めって心意気を感じます。
しかし、おもしろくないのは、「若輩者」と決めつけられたウェイバーくんです。

●ウェイバー
「こんな僕でも、証明したいんだ!」
サーヴァントに魔力を供給していなかった。今ごろそれに気づいたのかというツッコミはナシの方向でw
魔術師としての矜持を保ちたい。ケイネスら、選ばれし俊英たちを見返したい。
若者にありがちな青臭い希みですが、それを清濁併せのむライダーの器の大きさが心地よい。

●ふたたびライダー
征服王が夢見させた、見果てぬ夢、オケアノス
彼らは、無何有郷を信じたまま、死んでいった。征服王は、それを悔いているのか?
豪放磊落、神経なんかないように見せているライダーも、いろいろ気配りの人だったのですね。
「セイバーを匡(ただ)さないと、いつまでも踏み迷ったままだ」
かつての征服王は、犠牲のうえに成立する「騎士道の理想」には批判的のようです。
まあ、覇業というものは、常に大量犠牲の上に築かれた砂上の楼閣なのですが。
気配りは、同じ英霊であるセイバーにまで遍く至る。ライダーの器量を感じます。
好きだなあ、このおっさん。是非、新宿の思い出横丁あたりで、一献酌み交わしたいw

●アイリ
「聖杯戦争を私たちで畢りにする。そうすれば、イリヤは最後まで人間として生きられる」
アインツベルンのホムンクルスとしての、修正不可避な運命。
切嗣が実現する新たな世界について、理解しているわけではない。
でも、切嗣の夢想の実現のために、一臂の力を捧げたい。
そんな滅私の彼女も、ヒトとしての密やかな願いはある。
それは、娘のイリヤ。娘の幸福…。(/_<。)

●舞弥さん
彼女自身にも定かな記憶がないということで、その出自は結局、闇に沈みました。
ただ、子どもに銃を持たせて云々という詞と、切嗣が涙を涕したことから、何となく推測はできます。
「貴方はやっと、昔の切嗣に戻ったのだから」
空っぽだった自分に、かたちと目的を與えてくれた、切嗣
ヘミングウェイの名品「フランシス・マコーマーの短く幸福な生涯」を想起しました。
妻にさえも侮蔑されるほど、ヘタレで平凡な主人公、マコーマー。
しかし、サバンナでライオンと対峙したとき、彼の秘めた勇気が燃え上がった。それが、「短いが幸福な生涯」。

舞弥さんも、あるいは「短いが幸福な生涯」だったと謂えるのかも。

ライダーが、婦女子を攫ってまで、セイバーを誘き出そうとした?
これまでの渠(かれ)の行動原理に背馳している気もしますが、それだけ必死なのか?それとも?
後ろ姿だけでしたからね。ともあれ、次回が愉しみです。

次回「双輪の騎士」

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2012年5月13日 (日)

Fate/Zero第19話感想

#19「正義の在処」

Fateというより、ファントムとかノワールを観てるような感じでした。
切嗣少年が、如何にして現在の「魔術師殺し」衛宮切嗣となったか。
番外編エピソードの終幕です。

切嗣の眼がどんどん死んでいく…。
当初こそパシリみたいにひっつくだけだった切嗣ですが、暗殺者としての異才を発揮し、有能な片腕として成長していく。
しかし、代償は、人としての心。
かつて、シャーレイに慕情を抱いた事もあった柔らかい心が、どんどん凍えていく。
指先を心から切り離す資質。
暗殺者が何年もかけて会得するそれを、切嗣は初手から備えていた。
だがそれは、人でなしの、ロボットへの道でもあった。
「人の生き方とは程遠い…」
ナタリアは、暗殺者としてみるみる成長していく切嗣に、畏怖のような感情を抱いたのかもしれませんね。

シャーレイのような犠牲者を二度と出さないために、父親を殺し、狩人に身を投じた切嗣。
しかし、救おうとした子どもは、凶弾に斃れてしまう。
憤る切嗣に、ナタリアは語りかけます。
「人助けをしたつもりか?最優先は自分の命だ」

師弟の関係に終止符を打ったのは、人をグールに変える怪物蜂を使役する魔術師、オット・ボルザーク誅殺案件だった。
切嗣の起源弾を応用して、旅客機内でボルザーク瞬殺に成功。
しかし、彼は体内に蜂を匿しており、機内は瞬く間に、グールで埋め尽くされる。
非常着陸の目処をつけ、地上の切嗣と、静かな会話をかわすナタリア。
「失業したら、母親ごっこでもするしかないかねえ」
何という死亡フラグw

地上で、淡々と、「着陸後の対処」を準備する切嗣。
碧落を仰ぎ見る。たなびく白雲、飛翔し去ろうとする旅客機。
母親代わりだったナタリアと、300人の怪物を乗せた旅客機…。
「ナタリア、あんたは本当の家族だ」
ロケットランチャーのごついので、旅客機を撃墜
Σ(゚Д゚;

「ばかやろう!」
ああ、切嗣の眼がダンナ(キャスター)の眼になってるしw
('A`|||)
烈しく慟哭しつつ、シャーレイに「報告」する切嗣。
「やったよ。キミのときのようなヘマはしなかったよ、シャーレイ。大勢の人を救ったよ…」

師を誤らない弟子はない、と謂います。
すぐれた弟子は、師への尊崇から出発するが、やがて師を超克すべき運命にあるというのです。
父親殺し。師匠殺し。それが、切嗣の運命でした。
「青は藍より出でて藍より青し」(「荀子」)
ナタリアの最期の微笑は、あるいは、一匹狼ゆえに「生さぬ人間」だった彼女が、この弟子を育て得た満足感にも似ていたのかもしれません。

次回「暗殺者の帰還」

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2012年5月 6日 (日)

Fate/Zero第18話感想

#18「遠い記憶」

「この人は、逃げればまた死徒をつくる」
「そいつは、子が親を殺す理由としちゃ、最低だな」
「…あんた、いい人なんだな」

衛宮切嗣の「遠い記憶」は、やはり酸鼻なものでした。
魔術の禁忌と、その無惨な結果。父親殺し。
初手から、重い物を背負ってしまいましたね。
セイバーの「おまえもかつて、正義の味方に憧れたはずだ」に、ふだんは見せないナマの感情を剥き出しにした切嗣。
練達の魔術師にして、魔術を疎むというアンビヴァレンツ
その回答が、これだったのか。

南の島で、ひそかに不老不死の研究に没頭していた衛宮父。
魔術師ということで、シモン神父はじめ村民から疎まれている。
ただ、助手のシャーレイだけが、衛宮父を尊敬し、研究の成功を心から願っている。
「あたしはただの助手、先生を継ぐ者はケリー、あなた」
シャーレイと切嗣は、夜の森へ。
蛍か夜光虫が煌めく水面をみつめ、それぞれの想いを辿る。
切嗣は、シャーレイに好意を持っていたのでしょう。

そして、悲劇の誕生
切嗣が目覚めると、いつになく倉皇としている父。
「私の工房へ入ったか?」
「今日は村へは行くな」
無邪気な切嗣は、村へ行き、シャーレイの行方を訊ね歩く。
しかしそこには、鶏の生き血を啜る、変わり果てたシャーレイの姿が!
「証明しようと思ったの!」
蘭に永遠の生命を与えようとしていた衛宮父の魔術研究は、人に永遠の生命を与えようという、禁忌に触れるものだった!
吸血鬼というか、ヴードゥー教のゾンビっぽかったです。
「殺して!今ならまにあう!」
血を吐くような、シャーレイの悲痛な叫び。
だが、切嗣は彼女を殺せなかった。
そのため、島はあっというまに死徒で埋め尽くされてしまう。
聖堂教会と魔術協会の二派が乗り込んできた。島民たちを殲滅し、箝口ということで、村を焼尽する。
まさしく地獄絵図
父を殺害し、ナタリアと倶に島を去る切嗣。
何か遺した物は?と問う彼女に、「何もない」と虚ろに答える。
非情の魔術師殺し、衛宮切嗣の誕生だった。

フリーの「狩人」、ナタリアは、かつて切嗣から「起源弾」を精製したあの人ですね。
ハガレンのエドにとっての、イズミ師匠のような存在か。

それにしても、衛宮パパの「こんなことがあろうかと」は受け狙いなのか?
謹厳実直にみえたけど、あの緊迫した場面で、そんな芸が使えるおちゃめな人だったのか?
気になるう!(ノ∀`)

次回も、切嗣の過去編が続くようです。

次回「正義の在処」

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2012年4月29日 (日)

Fate/Zero第17話感想

#17「第八の契約」

巧言令色鮮し(すくなし)
論語」の、孔子の詞です。
「心にもない巧みな言辞を弄し、他人に気に入られようと取り繕った顔つきをする者に、誠実な人間は殆どいない」という意味です。
今回のFate/Zeroは、まさに孔子が喝破したような状況でしたね。

「退屈な男」遠坂時臣、予定調和的に、言峰綺礼に背後から刺されて憤死です。
峻烈な戦闘場面もなく、ただ気が滅入るような腹の探り合いに終始。「悪い顔」のオンパレードです。

「サーヴァントの前で、マスター(時臣)への背信を語ってよいのか?」
心にもない贅言を弄するギルさんに、綺礼が対価の如く告げた、英雄王も知らない聖杯戦争の真実。
それは、「すべての」英霊を贄にして、大聖杯を顕現させること。
ゆえに、時臣は令呪の使用を嗇(お)しんでいた。何故なら、他の英霊を滅した後で、サーヴァント(つまりギルガメッシュ)を自死させ、大聖杯を手に入れるつもりだったから。
まさに、狐と狸の化かし合い。
大人って穢い!なんちってw

凛(りん)に家督を譲る遺言。後見人には綺礼が指定されています。
つまり、遠坂の家は、綺礼の思うが儘ということ。
これは、雁夜おじさんが黙っちゃいませんね?
バーサーカーを引っ提げて、猛烈なカチコミをかけそうです。
「冷たい方程式」を見せられた後なので、是非に熱い戦を期待します。

次回「遠い記憶」

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2012年4月22日 (日)

Fate/Zero第16話感想

#16「栄誉の果て」

ランサー憤死Σ(゚Д゚;
しかも、マスターのケイネスによって誅滅させられるという、矜持をすべて喪った最悪のかたちで…。
惜しい緑川光を亡くしました。(/_<。)

マスターには騎士の誇りを蹂躙され、セイバーとの一騎打ちによって、ようやく「清々しい風が吹いた」のもつかのま。
天国と地獄。さすが虚淵、やることがえげつないっすw

ソラウも悲惨。
久し振りに登場したと思ったら、「あたしの右手が」という台詞を遺して、即退場。
ラピュタのムスカの名台詞「眼が、眼があああ!」を連想しました。
そして、ケイネスもまた、切嗣の奸計に嵌って慙死。「ボクと契約して」詐欺にはくれぐれも気をつけないと…w
血だらけで重なり合う二人の死体映像は、大島渚「青春残酷物語」やロジェ・ヴァディム「悪徳の栄え」など名画の幕切れの映像を想起させます。フォトジェニックな暗黒ということで。

セイバーは、あまりの切嗣の冥府魔道っぷりに不快を匿せず、まっこうから外道呼ばわり。
それに対して、切嗣は「戦場を地獄よりマシだと考えている」として、英霊たちへの猛烈な反撥を匿そうとしません。
聖杯を得て「畢りなき戦いを畢らせる」のが、目的だと謂うのです。何となく「未来日記」のゆっきーと、考え方が相似です。
戦場は地獄。ことに近代戦においては、相手を認識せずに、瞬時に大量に鏖殺する。人間の尊厳も何もあったものではありません。
とはいえ、古代や、中世騎士道の時代の戦争だって、名もなき雑兵たちの死体の山が築かれるのは同じ。華々しさとはおよそ無縁だったのです。

「おまえもかつて、正義の味方に憧れたはずだ!」
須臾、切嗣は色をなし血相を変えるが、そのまま無言で立ち去る。どうやら、痛いところを衝かれたらしい。

アイリ・スフィールが斃れた!彼女にいったい何が?

次回「第八の契約」

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2012年4月15日 (日)

Fate/Zero第15話感想

#15「黄金の輝き」

伝家の宝具が、竟に抜かれた!
真・エクスカリバーが黄金の輝きを放ち、海獣ごとキャスターを誅滅!
最高の見せ場でした。

ライダーが、固有結界「王の軍勢」で数分間を稼ぐ。
ランサーが、騎士の矜持から、槍を折ってセイバーの左手の咒を解く。
手練れ同士の、華麗なる連携でしたね。

キャスターことジル・ド・レーは、眩めく黄金の輝きに、聖処女ジャンヌの俤を視ながら消滅しました。
悪の顕彰にも配慮する虚淵脚本らしい、見事な最期の描き方でした。龍之介の最期との対比ということで。

すぐれたアニメの条件は、幾つかあるのですが。
Fate/Zeroはやはり、物語としての結構、作画の稠密、演出の瑰麗という点で、一つの頂点をきわめていると思います。
旧い話ですが、東映動画の名作「少年猿飛佐助」を想い出します。
忍術合戦というより、もはや魔法合戦に近いノリに、心から昂奮させられたものです。これは、アニメならではの表現だと。
佐助の仇敵、夜叉姫が、最後の血戦で骸骨の姿に変じて這いまわる凄惨な演出は、ジブリアニメ「ゲド戦記」に再現されていました。
時代劇に、ギターのフラメンコをかぶせるBGMも斬新でしたね。

執念に凝り固まった雁夜おじさん、魔術師時臣の炎の前に、一敗地にまみれてしまいます。
心はついに才能を超えられないのか?本当に可哀想です。
しかし、時臣の臣下であるはずの綺礼が、渠を救い、蘇生させた。
アーチャーとの微妙なやり取りもあり、それぞれの思惑がほの見えて、おもしろい!

サーヴァントたちの、ワクワクするような共闘はこれにて終了。
征服王ライダーと英雄王アーチャーの、限りない自恃に充ちたエールが交わされて。
次回からは、愈々苛烈な聖杯戦争が再開されるのですね。
騎士王というか処女王のセイバーをめぐる愛欲の渦も、見逃せないところですねw

次回「栄誉の果て」

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2012年4月 8日 (日)

Fate/Zero第14話感想

#14「未遠川血戦」

無限再生のバケモノと化したキャスター。妖獣というか海獣状態です。
その討伐から、物語は再開。
騎士王が、征服王が、そして英雄王が(いちおう)共闘して、討伐に当たりますが、キャスターを滅ぼすこと叶わず。

血戦のさなかに、雁夜おぢさんが現れ、時臣に迫る。
何故、桜ちゃんを間桐家に委ねたのか、譴責します。
しかし、魔術師の血を最優先する時臣とは、分り合える由もありません。
「人でなしめ!あの遠い日の家族の姿を、貴様は!」

いやー、やっぱいいわFate。
サーヴァントたちの個性や、シビれるほど尊大な台詞回しだけでも、鑑賞に値します。
就中、ライダー好きだなあ、中の人コミで。
Fateの作品性を否定する人も、作品自体が内包する「構えの大きさ」だけは認めないと不可ません。さもなくば、見識を疑われます。
それが、内外の文学やら映画やらを狩猟した果ての、私の結論です。

さてここからは、消耗戦。一人一人が消えていく流れです。
龍之介は、おのがハラワタの美しさに開眼し、この世を去りました。
こんな人外には幸福過ぎる死です。やはり、虚淵さんは龍之介が好きだとみえる。さよなら石田キャラ。

次回は「黄金の輝き」。
英雄王の面目躍如なのかな?
それとも、ヘタレと謗られていた騎士王が、竟に宝具全開に至るのか?

次回「黄金の輝き」

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2011年12月25日 (日)

Fate/Zero第13話感想

#13「禁断の狂宴」

あれ?ダンナ?
血のクリスマスは?

俺たちの狂宴はこれからだ!」
そりゃないっすよダンナあ!!!
('A`|||)

神の道化
人間は、神がノリノリで執筆したシナリオのまま、木偶のように踊らされながら、不可逆な死に向かって邁進していくだけの存在なのか。
「神は、決して人間を罰しない」
確かに、ジル・ド・レーを裁いたのは、教会に代表される「ヒト」でした。
マシュクール城主を捉え、誅殺したのは、国王をも凌ぐと謂われた膨大な財産を没収するため、という目的もあったでしょう。
神はただ、沈黙を護りとおすのみなのか?
神の三部作を通して「神の沈黙」を描破したベルイマン監督の賢察のとおりなのか?
ジル・ド・レーやマルキ・ド・サドに薫陶を享けた、夭折詩人ロートレアモンの「マルドロールの歌」を、再び想起しました。
生まれてこの方、俺は見てきた。狭い肩した人間どもが、互いを貶め、魂を堕落させ合う愚行の数々を。
(中略)
全宇宙を華麗に創造した神よ、一人でもいいから善き人間を見せてくれ。まったく、おまえの恩寵とやらが、俺の力を十倍にしてくれるといいんだ。こんな化け物どもを見ていると、愕きのあまり死んでしまうかもしれないからな。もっとつまらない事でも人は死ぬんだぞ」
「おお、神よ。罪悪の神聖に捧げられたこの書にはその名を記すのも厭わしいお前の赦しが、宇宙のように広大無辺なのは知っている。だが、俺はまだまだ生きてるぞ」

Aパートは、ウェイバーと征服王の対話編でした。
イスカンダルの覇業と栄光を知り、マスターとして劣等感に苛まれるが、ライダーは一笑に付する。
貴様は、己の矮小さを知ってなお、埒外への、彼方への欲望を諦めない。だからこそ、貴様との契約が心地よい、と。
それより気になったのは、ライダーが垣間見せる、現世への諦念めいたもの。死亡フラグじゃなきゃいいのだけれど。
ライダーには、是非ともロマサガをプレイしてほしい。
自分がレベルアップすると、敵もレベルアップしてくるあのゲームを体験すれば、この世界への見方も渝ると思うのですが。
(ノ∀`)

…やはり変則2クールだったか。
読切り連作っぽかった「はがない」はともかく、盛り上がりが大事なFateで、流れを切るとはなあ。
仕方ありませんね。セイバー、ライダー、ランサーによるキャスター包囲網の首尾、4月まで鶴首して待つとしましょう。

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2011年12月18日 (日)

Fate/Zero第12話感想

#12「聖杯の招き」

アーチャーことギルガメッシュの「口説き」が、言峰綺礼という人格を徐々に囲繞し、絡め取っていきます。
まさに、上から目線のメフィストフェレスですね。

口説きとは、豈に男女の交情のみを指すものではありません。
謡曲では、傷心などの心情を披歴し、語ること。
浄瑠璃では、慕情、悲嘆、恨みなどを切々と訴える、いちばんの聴かせどころです。
つまりは、伝統芸の世界なのですね。ギルさんの口説きは、最上位の技巧を擁しているようです。

言峰綺礼の「非望の望」。
ギルさんは、優雅に葡萄酒の紫杯を傾けつつ、妖しく囁き続けます。大したソフィスト、逆説家です。
愉悦」を鍵にする辺りは、現世の豪奢をきわめた王の中の王、超越者、快楽主義者の面目躍如。
神父であり、禁欲主義の僧衣を纏っているかに視えた綺礼も、自らの「面伏せな欲望」の正体に気づき始めました。
「おまえは間桐雁夜について、最も熱を籠めて語った。したがって、おまえは雁夜に最も興味を抱いている。その理由は…」
ホームズもかくやの帰納的推理の粋をつくして、綺礼の心を裸にし、内奥の秘密を白日の下に曝してしまいました。
そして、衝撃的な事実が告げられます。
「聖杯がおまえを選んだ」
聖杯の招き
アサシンを喪って令呪が消えていた手の甲に、新たな令呪が刻まれた!
これこそは、聖杯に選ばれた印だというのです。
再配分の理からいえば、誰かマスターが整理される必要があるのですが、ケイネスでないとすれば、それは?

論理や文章に淫し始めると、こういう丁丁発止のやり取りが、面白くてたまらなくなります。「静かなる決闘」って奴ですね。
快楽主義の祖、エピクロスも「哲学的思索の裡にこそ、至上の快楽がひそんでいる」と説いています。
戦闘場面も冴えているFateですが、論理のアクロバットを愉しむのもまた一興。ってギルさんみたいですなww

一方、居城を出て日本家屋の隠れ家に移ったセイバー&アイリ組には、波瀾が起きます。
車の運転でも調合でも、何でも自分でやりたがっていたアイリが、手仕事をセイバーに任せようとする。
異変に気づいたセイバーに、アイリは静かに告げます。
触覚を遮断した。もう、握ることすらできない。これは、私の構造的欠陥。
稠滅に不可逆的にむかうアイリスフィール
限りある生というなら、ホムンクルスよりも人間の方が、「容器」としては余程、頑是ないもの。
でも、若く美しい姿を保ったまま肉体が滅びていくアイリに、一掬の涙を濺がずにはいられません。
(/_<。)

前回は、月下の酒宴といえば聞こえはいいが、セイバーをボコるお話でしたからね。
セイバーのストレスは溜まりまくりでしょう。お肌に悪そうだww
豪放磊落なイスカンダルに、超越主義者のギルガメッシュ。
滅びたブリテンにいつまでも拘泥しているセイバーは、如何にも分が悪そうです。
「生真面目でわるいか!」
王としての器量さえも全否定されたセイバーの、ひそかな嘆きが聞こえてきそうですね。
彼女の、王としての実存とは何だろう?
王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)のイスカンダル。
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)のギルガメッシュ。
サーヴァントとしての力でも、彼らとは一籌を輸してしまったセイバーちゃん。
しかし、風の噂に、セイバーは眩めくほどのチートな力を秘めていると聞きます。
両腕が全解放されたときのセイバーの雄姿に期待しませう

重厚な会話劇といった趣の一篇でした。
次回は、何やら怖ろしい事が起こりそうな予感。キャスターが、何か動きを見せるのかな?

…そういえば、来週の放送日って、聖夜(Holy Night)って世間では呼び倣わされているんでしたっけ。
クリスマス何それ喰えるの
('A`|||)

次回「禁断の狂宴」

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