2012年7月30日 (月)

シャーロック2第2回感想

#2「バスカヴィルの犬(ハウンド)」

7月29日(日)にBSプレミアムで放映された「シャーロック2」の第2回。
非常に面白かったので、簡単ですが、感想を記します。

ネタバレに亙るので、詳述はできませんが、この「バスカヴィル」に於いても、原典の換骨奪胎や設定改変があります。
シャーロック役のベネディクト・カンバーバッチは、従来のホームズ俳優が原典のイメージに忠実だったのに比べると、遥かに「自由」な印象。
しかし、特筆すべきは、このシリーズは「ホームズ物が本来持っていた愉しさ」には、きわめて忠実であることです。

一つは、帰納的推理のあざやかさ
依頼者の服装や特徴その他から、依頼者がどんな人物か喝破してみせる、あの超絶推理です。
実は、星の数ほどあるホームズ物のパロディ(たとえば「シュロック・ホームズ」シリーズ)において、この推理法は、さんざん揶揄されています。「名探偵の失敗」ということで。
でも、子どもの頃ホームズ物に親しんだ人で、あの神のごとき推理に夢中にならなかった読者は尠いでしょう。
足で稼ぐ探偵やプロの捜査官が持て囃される現代でさえ、アマチュアの天才的名探偵は、渝らない人気があります。
しかも、単に能力自慢でなく、タバコが切れたイライラを紛らせるためにやむなく開陳してみせるという、名探偵ホームズの「業の深さ」を表現しつくす、演出の巧みさが光っています。

いま一つは、映像表現の、瑰麗きわまるキレのよさ
「記憶の宮殿」から、蓄積した全ての記憶をサルベージし推理を完成させる、あの疾走感あふれる映像演出には、文字通りシビれました。
流石に、この表現はドラマオリジナルでしょうが、原典の持つワクワク感を、巧みに顕在化しています。
出版社の編集者クラスといった読み巧者の人にも、「シャーロック」が人気という理由も、充分うなずけます。

最後に付記すると、ホームズとワトソンの「同棲疑惑」も、別に現代風を衒ったわけではありません。
過去のシャーロキアンたちが話題にしたネタに含まれている設定です。
なにしろ、「ワトソンは女だった」や「ワトソンはホームズの妻だった」という怪説でさえも流布されているほどですからね。
全ては、ホームズへ向けられたファンの「愛情」の為せるわざということで。

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2011年8月14日 (日)

ドン・キホーテ(ドラマ)

「花咲くいろは」までちょっと時間があるので、お気に入りドラマの簡易感想を。

ドン・キホーテ」は、日テレ土9、松田翔太と高橋克実が共演しているドラマ。
物語は、ヤクザの組長と、気が弱くてトカゲが恋人?の児童福祉士との魂が、ひょんなことから入れ替わるという、「転校生」ほか、先例が幾つもある設定。
それから始まる奇天烈な騒動を描いています。児相が舞台なので、もちろん子ども絡みですが。

気に入っているのは、色モノな設定をてんこ盛りしながらも、児童問題について、非常に骨太なつくりになっている点です。

私は松田優作の信奉者ではありませんが、松田翔太はなかなか上手だし、サポートする高橋克実がヴェテランらしく巧者。
各話で問題解決の要となる、児相の所長役の小林聡美がまた上手い。
極道の妻役の内田有紀が、コミカルな演技に挑戦しているのも好感です。若頭役の松重豊も、コワモテなのに笑いがとれるという、貴重な人材。
達者な演技陣に加えて、さらに、母親に捨てられて児相に保護されている、幸子(成海璃子)の、批判的な視点もちゃんと反映されている。
つまり、私が大好きな「複眼の視点」が確保されているため、物語に厚みがあるのです。
毎回、家族で愉しみに視聴しています。

余談ですが、時を同じくして、少年マガジン連載「GTO](藤沢とおる)でも、児童虐待問題を扱っています。
児童問題、とは少し違うけれど、芦田愛菜ちゃん、松山ケンイチの映画「うさぎドロップ」も、20日に公開されますね。
オールジャンルで、世相を映している印象です。

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2006年8月14日 (月)

ゲド戦記感想

「ゲド戦記を大事にしない奴なんて、大ッ嫌いだ!」(´∀`*)

巷でいろいろな評判を取っている「ゲド戦記」を見てきました。
奥さんと一緒に行ったのですが、場所が新宿だったせいもあり、若いペアか家族連れが主流で、我々はちょっち浮いていました。
ちらほらと、いい年のおじさんが散見されましたが、関係者か何かでしょうか。

結論から言うと、悪くありませんでした。監督のというより、安定した力を誇るスタッフの手柄かもしれませんが。
たださすがに、宮崎駿作品の盛り上がりやカタルシスにまでは到達していませんでしたね。
あと、評判を下げた原因の一つである『説明不足』は感じました。
ゲド戦記の1巻目「影との戦い」は以前に読んでいたので、世界観を把握している状態でやっと理解できる程度だったと思います。

アースシーにおける魔法使いや『竜』の位置。
アレンを追う『影』の正体。
真の名を告げることの、呪術的な意味づけ。
魔女テナーや宿敵クモとの過去の因縁。
事前の情報でもなければ、この辺りは分りにくかったのではないでしょうか。
そしてそして、テルーは何と○の化身だった!(ネタバレ回避です)
これには驚きました。だったらどうして最初から…。

中途半端な原作既読組で、アニメについては何の情報もなく視聴したため、いろいろとんちんかんなカン違いもあったり。
「影との戦い」は魔法学園からスタートする物語なので、今回のゲド戦記もてっきりその辺から始まるものと思い込んでいました。
つまり、テレビの予告編で登場する少年をゲドだと思い込み、ハリポタみたいなお話を予想していたのです。
実際には、ゲドは大賢人の称号を得た壮年のハイタカであり、少年はアレン王子でした。
私と同じような誤解をしたお客さんは、他にもいたと思います。ゲド少年が主人公のハリポタ話を期待して来たお客さんが。
キャラクターですが、傍役はいつものジブリ風なのに、アレンとテルーの顔にはジブリの面影がうすく、むしろ懐かしの東映アニメへの先祖返りを感じました。
実際、宮崎吾朗監督のインタビューによると、ゲドは漫画映画の線を狙っており、仕上がりは「ホルスの大冒険」でいいと思った、とありました。
ところで、アレンが父王を暗殺したのはアニメオリジナルらしいのですが、その事実はエンディングでもすっかり忘れ去られてます。いいのか?

EDの歌は新居昭乃さんで、これは抜群。
挿入歌「テルーの唄」は谷山浩子さんで、ファンですからこれもオッケーでした。
ただし、曲調と寂しい歌声に、能登の歌う不気味な「か~ごめ かごめ…」「その子の七つのお祝いに」とかを連想したのはナイショです。(笑)
音楽は全体によかったと思いますよ。



Gedo01 Gedo02 Gedo03

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