少女終末旅行第12話(最終話)
チト「おまえはまだ小さいだけで、人間の敵かもしれない。
敵。敵ってなんだ…」
ユーが喰われた!敵はヌコが巨大化したような、あの神像似の生物だ!
前回の感想記事で不吉なことなんか書くんじゃなかった!
あの石像の正体は、やはり、ヌコの成体でした。ヌコは小さな幼体だったのです。
成体の名はエリンギ。まんまですなw
中の人は、島本須美さんですよ!
記録映像によって、ようやく判明した世界の破滅の真実。
最上層部以外を踏破したエリンギによれば、この世界には、もうチトとユーリの二人しか人間は存在しない。
カナザワとイシイは消滅してしまったのか…。
喰われたのはユーではなく、身に着けていた機械装置でした。
エリンギたちは、古代文明の高エネルギー体を摂食しながら移動を続けている。
全てのエネルギーを喰いつくしたとき、都市の生命も終り、世界は静かな終焉を迎える。
そして、彼ら生命体も、運命を共にして滅びる。
なるほど、「少女終末旅行」は、壮大な終末SFだったんですね。
かくて世の終わり来たりぬ
地軸くずれるとどろきもなく ただひそやかに
ノーベル賞詩人T・S・エリオットの「うつろな男」より。
終末SFの名作「渚にて」(1957年)で引用されています。「少女終末旅行」の世界観にもピッタリと感じたので、引用してみました。
「でも、世界が終るなんてどうでもいいことだろ。あたしとユーがいれば、それでいい」
チトが宣言し、二人は、あらためて最上層を目指します。それは恐らく、絶望へ向かう旅に他なりません。
でも、二人はまだまだ諦めていない。
ユーリが明るく言い放ちます。
「いちばんてっぺんに行ったら、月に行こう!」
絶望の果てに視えてくる希望。いいなあ。こういうの大好きです。
抑制の効いた美しい映像と、拮抗するかのような美しい劇伴音楽。
静謐な感動が滲んでいく…。
「少女終末旅行」は、強烈に存在を主張するような「名作」ではないかもしれませんが、すぐれた特異点アニメとして語り継がれる。そんな気がします。
年の終わりにふさわしい作品でした。
スタッフの皆さん、お疲れさま!そしてありがとう!
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