プリンセス・プリンシパル第12話(最終話)
最終話に向けて、これほど議論が沸騰したアニメも近来稀でした。
さまざまな解釈が為されましたが、いちばん平易な解が選択された感がありますね。
たぶん、二期があるのでしょう。なかったら私が困ります!(笑)
最終話のタイトルは「Fall of the Wall」。壁の崩壊。
プリンセスとアンジェとを隔てていた「心の壁」は、最後のミッションを経て、ようやく除かれました。
視聴前は肩に力が入りすぎるくらい緊張していたのですが。
ドロシーとベアトちゃんが予定調和のごとく現れ、ちせが参戦し、プリンセス救出と陰謀の阻止に向けて、ゼルダらを相手に派手なアクションを繰り広げる。
思いがけず、熱い流れになりました。怖れていた人死には、革命の首魁、というより傀儡だったイングウェイ少佐のみにとどまりました。
アンジェが、お姫様抱っこによってプリンセスと脱出する。
そして、霧のロンドンから一転、陽光まばゆいカサブランカの海で迎える大団円。
この結末を受容します。満足です。
そう思えるような作品にめぐり逢えた幸運。そして幸福。
世には、文学や映画や音楽など、すぐれた芸術ジャンルは数あれど。
アニメを観続けていてよかった!そう感じさせてくれる傑作でした。
「プリンセス・プリンシパル」に注いだ想いを文章という形で遺せる、ブログという名のアーカイブをやってて本当によかったと思います。
アンジェが脱走者を射殺する第1回の衝撃から、スパイの苛烈な世界観を描くタッチが注目されていましたが、それと同じくらい全体に溢れる「遊び心」もステキでした。
英国が舞台なだけに、ルイス・キャロルやエドワード・リア風の言葉遊びも健在。
記事では敢えて言及しませんでしたが、韻を踏んだサブタイトルの工夫も、毎回楽しませていただきました。
悪の元凶であるノルマンディー公もゼルダも未だ健在。
現実の「壁」も鞏固なままです。
これは、二期がない方がおかしいというもの。生きる愉しみが増えました(笑)。
「モンテ・クリスト伯」の名台詞を引用して、「プリンセス・プリンシパル」感想記事を終わります。
「待て。そして希望せよ」
【メモ】
画像はあとで追加します。文章も追加するかもしれません。
まずは、スタッフお疲れさま!そしてありがとう!
【追記】
ゼルダに関する二、三の事柄。
物語の終盤に至って突如登場し、ある意味あらゆる注目を攫っていったゼルダ。
軍部が掌握したコントロールから派遣され、命により行動していたと思われた彼女。
しかし、ジェネラルはあっというまに失脚し、Lが復帰した。
ゼルダは、ジェネラルの駒の一つではなかったのか?
すると、ゼルダの真の正体は?
彼女が、イングウェイ少佐を鼓舞した台詞が気になります。
「イングウェイ、おまえがなすべきことをなせ。ジェリコのラッパは吹き鳴らされたのだ」
いずれも、聖書由来の言葉です。
後者は旧約聖書。預言者ヨシュアが人々に命じてラッパを吹き鳴らさせ、ジェリコの城壁を崩壊させた故事から。
前者は新約聖書。「行っておまえのすべきことをせよ」という、イエス・キリストが裏切りのユダに向けて放った台詞が典拠です。
「壁を崩壊させた」象徴であるジェリコのラッパの喩えに、ゼルダなりの「壁の崩壊」へ向けた野望を見ることはできないでしょうか。
彼女は事によると、一兵卒のスパイなどでなく、とんでもない大物かもしれません。
それこそ、イエスの如き「人たらし」の異能を発揮し、イングウェイを操作したように人々の心をあやつって、彼女が抱く壮図(詳細は不明ですが)を実現しようとするのではないか。
そんな新たなる妄想が、いま膨らみつつあるところです。
今後待たれる二期でも、アンジェたちを悩ませ追い込むような、華麗なる暗躍を見せてくれることを願います。
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