中二病でも恋がしたい!第12話(最終話)感想
東京大反転#12「終天の契約(エターナル・エンゲージ)」
「中二病は一生続く!」
これこそ、全編の結論だったのです。
そう、中二病そのものは一過性の「現象」かもしれませんが、その「本質」は、無味乾燥な現実への抗い。何物かへの憧憬。
人が、生涯を通じて追い求めるもの。永遠に見果てぬ夢想。
直前まで手の内を匿してヤキモキさせてくれましたが、すてきな解決を呈示してくれました。
前回の沈鬱をそのまま引きずったような、不安に充ちたアバン。
凸森が、異端双尾娘(ツインテール)を廃して、可憐な美少女に変身してみせるとか。
くみん先輩が、永遠の昼寝少女を卒業して、なぜか邪王真眼を継承するとか。(もちろん、勇太に六花のメッセージを伝える意図があったわけですが)
最終回に至ってなお、さまざまな「揺らぎ」を用意して、視聴者をわざと攪乱。ちょっと小細工を弄し過ぎ?
父を亡くして失意の六花が、ダークフレイムマスター・勇太の姿に憧れる回想場面のダメ押しは、屋上屋を架する感が?
しかし、クライマックスへ向けての、流れるような盛り上げ方は美事でした。
六花が実家に去り、電車もないと知るや、自転車で湾岸を疾駆して追う、勇太の必死な姿。
祖父の怒声や警官の指呼も物ともせず、今度こそ成功した、庇からのダイブと逃亡!
夜の海に、滲むような漁火。六花は、頑なに「綺麗だけど、あれはただの船の火」と寂しく呟く。
そのとき、ダークフレイムマスターが顕現した!
「バニッシュメント・ディス・ワールド!」
勇太が叫んだ瞬間、ただの漁火が、「本当の」不可視境界線となった。
そう、勇太が六花のために、六花のためだけに発現した、夢想の力。
そして、六花は、亡き父親との再会を果たして、お別れを云う事ができましたた。
夢想が、現実を侵犯した、喩えようもなく美しい瞬間…。
このカタルシスは、物語にとって、不可欠なものでした。
とても満足しています。
初回冒頭で流れたナレーションが、掉尾に至って反芻されます。
そして、さりげに挿入された、「現実」からの詞(ことば)。
「でも、中二病って、やっぱり恥ずかしい!」
(ノ∀`)
これは、反語というより、制作側の含羞とか衒いと解釈するのが妥当でしょうねw
ずっと、原作つきアニメで、技量を磨いてきた京アニ。
この「中二病」という自社ラノベ原作を経て、2013年からは、満を持してオリジナル作品に挑みます。
京アニの華麗なる挑戦、ぜひに見届けたいと思います!
【追記】
いやもちろん、ムントのことは覚えていますよ?
まあ何というか…。
「たまこまーけっと」をSIGERUは応援します!ww
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