ブラック★ロックシューター第8話(最終話)感想
#8「世界を超えて」
傷つくことでしか、現実を認識できない。
リストカットの血と痛みとで、ようやく現実を実感できる。そんな若い女性たちが、確かにいます。
現実喪失の感覚は、れっきとした統合失調症の症状。病める心の表象。
だから、「あの世界」も、自我を喪失した少女たちが造り出したものなのでしょう。
心が傷つくことは、動物にはない、人としての特権なのか?
子どもは、傷つき、超克することでしか、成長できないのか?避けられない通過儀礼なのか?
夭折した漫画家、三原順の名作「はみだしっ子」には、心に遺る台詞が溢れています。
破滅へ突き進む子供たちを救いたいのに、何もできない。
渠(かれ)らを心から案ずる女先生が、思い余って、悲痛に叫びます。
「子供ってキライよ!傷つくことだけ一人前で!」
もちろん、この「嫌い」は反語だということを読み取らねばなりません。
余談に亙りますが、デビュー当時から短い生涯を通じて「少年の心」を追った三原順の作品は、今でも読むに値するものだと思っています。
烈しい争闘の果てに、少女たちの日常が帰ってきました。
マトが、ヨミが、カガリが、笑顔を交わします。
転校生のユウが、マトたちに、にっこり微笑みます。
穏やかな時が流れて…。
そして、ストレングスは、ブラックロックシューターは、どうなったのか?
実はまだ「あの世界」で、永劫の戦いを戦い続けているのですw
心の不思議がある限り、彼女たちの劫は消えない。そんな世界観でした。
「テルマエ・ロマエ」を受けて、変則1クールのBRS。駆け抜けた、という印象です。
スタッフの皆さん、お疲れさまでした。
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