2012年3月29日 (木)

Another第12話(最終話)感想

#12「Stand by oneself -死者-」

「やんなっちゃう。嘘でもいいから、覚えてるよ、くらい、言いなさいよ…」
赤沢さん散る。(/_<。)
恒一、無慈悲すぎる。朴念仁はコワいです。護り抜こうと体を張った赤沢さんが、哀れで仕方ありません。

死者は、職員室にいた
大方の予想どおり、三神先生=怜子さんでした。
教室の机は足りているが、職員室の机は足りていなかった。副担任は、過去、存在しなかった。
なるほど。
まあ、盲点トリックっちゃそうなんだけど、うーん…。('A`|||)

それにしても、人が死ぬこと死ぬことw
こうした場合、よく引用するのが、泉鏡花「風流線」です。
短い終章に至って、登場人物をバタバタ殺してしまうやっつけが、荘厳な読後感を与えるのに成功している。
そう卓見を述べたのは三島由紀夫でした。
「Another」の場合は…
どうなんでしょうね?(笑)

千曳がイケ過ぎてて吹いたw
まるでヒーローマンです。さすが司書は侮れない。
恒一ナニしてるん?って感じですが、落雷で窓硝子が割れたとき、赤沢さんだけ全身硝子まみれになったのは、主人公補正ってヤツか。

鳴ちゃんと赤沢さんとのガチな果し合いが、昔のスラップスティックコメディの動きみたいで、シュールでした。
人形のように緩慢な動きで逃げようとする鳴ちゃんが、一種異様。
本気の赤沢さんが、まるで道化のように滑稽に視えてしまうのは、演出の齎す神秘というヤツでしょうね。

勅使河原たちが、次の3年3組に遺したメッセージ。
「友だちとよく話し合って。後悔しないように」
曖昧な指示ほど、人を混乱させるものはないのですがねw
ともあれ、スタッフの皆さん、お疲れさまでした!

ところで、一年半前、三神先生を殺害した通り魔って、誰?
まさか…。('A`|||)

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2012年3月15日 (木)

Another第10話感想

#10「Glass eye -漆黒-」

「死の色」が視える魔眼、人形の眼。
だから、鳴には、「死者」が誰かも判っているのだが…。

松永のテープを修復し、続きに耳を傾ける。
彼が、合宿で偶然に発見した、災厄を止める方法。それは。
死者を、死に帰すこと。亡き者をなかったことにすること。
やはり「死者は誰か?」という命題に逢着するのですが。

咲谷記念館。OBさんが寄附したもののようですが、やたら宏壮な洋館です。
三角館の恐怖とか十角館の殺人とか、そういう匂いがします。

赤沢さんの理不尽な謝罪要求。
対策係として謝罪するから、「いない者」としての使命を全うできなかったことを謝罪しろと。
とりあえず、鳴ちゃんを嫌ってることだけは理解できました。それも、恒一絡みで。
かつて、赤沢さんと恒一とは出逢っていたのだが、記憶の改竄により忘却されたらしい。
恐らく、心の底に、優しくしてくれた恒一への慕情が沈湎していたのですね。
でも定かな記憶がないから、自分の気持ちをうまく処理できない。
だから、言いがかりみたく、鳴ちゃんに八つ当たりしたのでしょう。
ということにしておこう。(ノ∀`)

回想場面。鳴ちゃんとベッドでいちゃいちゃする未咲ちゃんがカワイイw
災厄に捲き込まれてしまったのか?惜しい子を亡くしました。佳い百合になれたのに。
( ´▽`)σ)´Д`)

勅使河原が、恒一と鳴の元に、血相変えて飛び込んできた!
「オレ、やっちまったかも!」
そして惨劇の幕が開きます。サブタイも「惨劇」ということで、まんまです。
容赦ない綾辻節が、血みどろに炸裂する予感。

果たして、「最後のシ者」は誰か?
皆さんの予想どおりのあの人か?それとも?
まさかの石田キャラがとーとつに登場とかはナシの方向でww

次回「惨劇」

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2012年3月 8日 (木)

Another第9話感想

#9「Body paint -連鎖-」

サイドブレーキが緩んだトラックが自宅に突入。小椋兄、マウスとともに死す。
日清戦争戦時下の美談「木口小平は死んでもラッパを放しませんでした」を彷彿させます。
小椋兄は、ひっきーの鑑です。そんなイイ話じゃないかww
フロントガラスが被弾して割れて、綾野さんを乗せたまま、乗用車が崖下に転落。
夜見山の内にいようが外にいようが死ぬ。ジャン・ポール・サルトルの名著のタイトルを藉(か)りると、もはや「出口なし」状況に追い込まれてきました。

千曳によると、中尾は、転落に起因する脳挫傷によって、夜見山を出る前に、既に「死亡」していた。
魔階段再び。眼鏡いいんちょの惨事が思い起こされます。
内出血による、ミステリ界で謂うところの「歩く死体」トリックは、ヴァン・ダインの長篇やルブランの短篇に先蹤がありますね。
ルブランのアルセーヌ・ルパン物は、ホームズ物と比べて、単純な冒険活劇と思われがちです。
ところが、本格物の意匠を凝らした作品が意外に多く、ことに短篇においては、トリッキーな本格作品が多く見られます。
とりわけ、デビュー作「アルセーヌ・ルパンの逮捕」(1907年)は、ある超有名な「意外な犯人」トリック作品の遠い先蹤をなしており、隠れた名品とされています。

松永の遺したテープに聴き入る恒一たち。
ところが、肝心な部分で、テープを「ワカメ」(この表現もいまやノスタルジックww)にしてしまう。
望月が復元を要請されました。スプライサーを使えば、復元も不可能ではないのですが…。

もはや萌え要素の欠片もなし。物語は、悪夢の様相を呈してきました。
このまま、怒涛の最終章に突入していくのでしょうか?

次回「Glass eye -漆黒-」

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2012年3月 1日 (木)

Another第8話感想

#8「Hair stand -紺碧-」

構成と映像について

緊張(恐怖)⇒弛緩(萌え)⇒緊張!(恐怖!)
みごとな序破急でした。

「Another」を視聴していると、映像の喚起力、すなわち「映像のチカラ」をありありと感じます。
さらには、映像文法の教本ともなるべき「構成の妙」を。
暗示的な映像表現により、ヒッチコック張りのサスペンスの醸成に成功していますね。

序破急の構成について、流れに沿って、具体的に詳述します。

プロローグ
「死者」の手がかりを索めて、怜子さんと同じく3年3組だった松永の下へ赴く一行。

緊張
飛び散る赤い液体。(スイカ割りという肩すかし。如何にもネオレアリスモ的手法ww)
タンクローリーの幅寄せ。破局の予兆。(スピルバーグ監督の衝撃的な処女作「激突!」を想起)
夜見山市エリアからの「エクソダス」の瞬間に奔る緊張感。

弛緩
車内で、恒一の隣にさりげに坐る赤沢さんデレ。
海辺で、スク水姿の鳴ちゃんと遭遇。
赤沢さんたちの水着姿に萌える。

緊張
海に流されたビーチボールを追う中尾。
小型艇が闖入。中尾がスクリューに捲き込まれた
うわグロいしww

過去の名作グロ映像が、走馬灯のように(笑)脳裡を過りました。
①ルネ・クレマン監督「海の牙」(1947)。ナチス側の情婦が海に転落し、船体と岸壁とに挟まれて…。
②「カリオストロの城」。伯爵が時計塔でぽちっとなw
③「エヴァンゲリオン」。カヲルくんが、第九のBGMとともに、ぽちっとなw
④「まどか★マギカ」。マミさんが…('A`|||)

塩味を際立たせるために少量の砂糖を効かすように、究極の恐怖感を煽るために水着を効かせたか。
侮れないなAnother(ノ∀`)

次回「Body paint -連鎖-」

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2012年2月23日 (木)

Another第7話感想

#7「Sphere joint -変調-」

「死者は誰?」
鳴ちゃんから、「あなたは死者じゃない」というお墨付きが。
これで恒一も安心だ!(´∀`*)

榊原パパからの、超あやしいインドからの電話
「インドはますます暑いぞ!」
何処のインドかな?ってつい思っちゃいますね。

望月の姉から齎された、新たな情報。
災厄を止めた年の3組の生徒、松永は、カフェの常連。
そのクラスメートが、見崎鳴の母親。
松永は、「あれ」を遺しているらしいのですが…。

久保寺先生の死により、「いない者」が、ようやく解除されました。
カフェで、赤沢さんと握手。
いつか、恒一くんの手を握った覚えがある。記憶はないけれど、体が覚えている。
赤沢さん、それって…。
('A`|||)

千曳の生徒名簿に記された「事故死」の羅列。
事故死か…。
このパターンを援用した傑作ミステリの白眉といえば、「ホッグ連続殺人」ですね。
さすがに、この作品のネタバレは不味いので控えますが、鮮やかな発想と幕切れでした。

次回は、まさかの水着回?
原作の綾辻先生のツイッターによれば「涙なくしては観られない」らしいのですが。

次回「紺碧」

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2012年2月16日 (木)

Another第6話感想

#6「Face to face -二人-」

久保寺先生発狂!竟に包丁を持ち出しました。
あのバッグには、いろいろ得物が匿されているのかな?由乃みたいに骸骨とかww

叙述タイプのミステリの場合、語られることのほぼ全てを疑ってかからないと背負い投げを喰わされる惧れがあります。
しかし、絶えず神経を張りつめるのもしんどいので、ミステリの場合、仕掛けに注目し「何か特異なところがあるもの」「奇妙に欠落しているもの」から類推する方法もあります。
例としては、「被害者を疑う」「探偵役を疑う」「最初に疑われた人物を疑う」「重要人物なのに、ほぼ不在の人物を疑う」etc.
アニメ作品の場合、たとえばOPやEDで判断する方法が考えられます。EDにいない人物が犯人、という類いです。
「Another」の場合「死者」を当てる推理ですので、「EDに不在」というのは、より蓋然性があるような気はします。
「未来日記」では、未来日記所有者たちの正体が、EDで思いっきりネタバレしてましたし。
聊か安直に過ぎる気もしますけどね。EDはスタッフの引っかけかなww

恒一の脳内妄想による鳴ちゃんダンスとか、あざとくも嬉しい仕掛けはまあ擱いといてww
今回、最大の齟齬は、「恒一から夜見山の記憶が欠落していた」ことでしょうか。
インドに居るとか称している父親の発言が偽命題でない限り、何らかの事情で記憶の改竄が行われたとしか、解釈のしようがありません。
そして、恒一の母、すなわち怜子叔母さんの姉は、15年前、怜子が3年3組在籍のときに死亡している。

26年前、つまり「始まったとき」の担任は、司書の千曳だった。
以来、3年3組の「死者」を追っかけてきた彼によると、(正しいかどうかはともかく)危ないのは二親等内、あるいは夜見山市内にいる人間。3組の担任または副担任も死者となる可能性がある、というのです。
担任である久保寺先生の発狂はそのため?
すると、副担任の三神先生は?かつて、3組の担任だったこともあるようですが?

話は変わりますが、サブタイ表記が一寸気になっている今日この頃。
本編と公式とで、微妙に表記が異なる場合がありますよね。
「Another」でいえば、<>(公式の表記)- -(本編の表記)の違いがこれに当たります。どういう意味があるんだろう。
これはアレか?ブログ記事のサブタイ表記により、ちゃんと本編を視聴してるかどうか、スタッフがブロガーの「踏絵」をしているということなのか?
(; ・`д・´)

穿ち過ぎかwミステリの読み過ぎですねww

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2012年2月 9日 (木)

Another第5話感想

#5「Build limbs -拡散-」

貫通」されたメガネ委員さんの後継者は、赤沢さんか。
ツインテちゃんは、死亡フラグに勝てるのでしょうか。心配です。

鳴が語る「死者」の秘密。
無視されているのは、虐めなどではない。
25年前、3年3組の生徒と関係者が、理由もなく死に始めた。
クラスに一人、死者がいる。それは、これまで死んだ人たちのうちの一人。
10年ほど前に、対処法を編み出した。それは、予め一人を「いない者」にしておくこと。クラス人数の帳尻を合わせるおまじない。
それが見崎鳴。
奇矯な論理ですが、生物の「ホメオスタシス」(生体恒常性)を考えると、死という作用に抗する反作用ということで、案外、理に適っているのかもしれません。

語ろうとし始めた高林が、いきなり持病の心臓発作で頓死。1話1殺は健在でした。
さすがに、心臓発作だと殺人の線はないかな。恩田陸の短編などに、先鞭はあるけれど…。
「欠けてしまった」高林との等価交換?
竟に、恒一が「いない者」にされた!

英米系ミステリが得意分野なので、怪奇趣味横溢というと、ディクスン・カーを想起します。
呪いとか因縁とか超常現象とか。
もちろん、古典派ミステリなので、必ず合理的解決ってやつがあるのですが。
合理というだけでは説明がつかない不思議な余韻が残ったのは「三つの棺」くらいかな。
さて、Anotherは如何に?

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2012年2月 2日 (木)

Another第4話感想

#4「Put flesh<輪郭>」

一話一殺。('A`|||)

看護師の水野さんが、エレベーターの落下により地べたに叩きつけられ、カエルのようにひしゃげて死亡。
犠牲者の法則性は?事件は、ミッシングリンクの様相を呈してきました。
次は、九官鳥に怯える挙動不審の怜子さん辺りか?

前回で死亡した委員長は、母の訃報に接し、急ぎ早退しようとして奇禍に遭ったようです。
「オーメン」のダミアンが口の端に上っていましたが、この連続死が呪いだとすると、3年3組の範疇から徐々に拡大し始めていますね。
動機のない連続殺人に本命の殺人を紛れ込ませるのは、クリスティなどが頻回に使用する手法です。あるいは、そういう事なのかもしれません。

委員長や看護師さんの死が、事故なのか殺人なのか、議論があるようです。事故死に見せかけた殺人、という可能性もまだ捨てきれないところ。
巧妙な殺人方法の例として、「プロバビリティの殺人」があります。偶然を積み重ねて死に至らしめる、というものです。
文豪、谷崎潤一郎は推理小説にも造詣が深く、大正時代に推理的短篇を幾つか物していますが、「途上」もその一つ。
愛人と結婚するために、妻が邪魔になった夫が、殺人を計画します。しかし、絶対に捕まりたくなかった彼は、ある狡知を働かせます。
体の弱い妻に、致命的な感冒が流行っているときに、体にいいからと偽って冷水浴をさせる。
あるいは、チブスが流行しているときに、生牡蠣など菌がつきやすいなま物を食べさせる。
竟には、近所のチブス患者の見舞いに行かせる。結果、妻はチブスに罹患し、死に至ります。

ミステリ史上、初めてプロバビリティの殺人を扱った「途上」は、里程標的名作と目されており、乱歩が「赤い部屋」で応用し、リスペクトを表明しています。

委員長の例でいえば、仮に傘による貫通は偶然だとしても、尖端をとがらせておいたのは故意かもしれません。あの尖り方は一寸異様でしたからね。
エレベーターを利用した殺人には、チェスタトン「アポロの眼」や、ハースト「二つの部屋」など、これも多くの作例があります。
いずれも、偶然を利用しているという点で、共通項があります。

次回「拡散」

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2012年1月26日 (木)

Another第3話感想

#3「Born work<骨組>」

メ、メガネ委員長が
Σ(゚Д゚;

第一の惨劇。
水野看護師でもなく、赤沢泉美でもなく、伏兵の桜木ゆかりさんが、傘の尖端グサリによって、文字どおり血祭に。
ああ、貴重なメガネ要員が…。(/_<。)
まさに、国家的損失ですね。政府は何をやっとるのかww
丁寧というか偏執的な描写が、何とも知れん怖かったですね~。
貫通した部分から鮮血がびゅっと迸るとか、脚や手がぴくぴく痙攣するとか、どろりと拡がる血だまりとか。
ああ、書いているだけでキモチが悪くなってきたww

前回、ホラーとショッカーの違いについて記述しましたが、いきなり血みどろスプラッタがぶちかまされるとは…。
映像的には事故にしか見えないんだけど、階段から転落させる殺人トリックは、ディクスン「一角獣殺人事件」ほか枚挙にいとまがないので、まだ確定はできませんね。
見崎鳴の姿に駭いて回り道したように視えましたが、この描写も怪しいっちゃ怪しい。錯覚トリックめいたにおいがします。

「その子は死んでない」
「見えないものの相手をするのはやめろ!」
「見えているのはあなただけだとしたら?」
「見えなくていいものが見える」
うーん。いろいろミスディレクションっぽいなあ。
鳴の碧い義眼や、恒一の母が3年3組出身者?という新たな情報も付加されました。
推理は控えて、今少し静観します。

次回「輪郭」

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2012年1月19日 (木)

Another第2話感想

#2「Blueprint<思惑>」

恐怖は、人類の最も古い感情である」。

三島由紀夫や佐藤春夫も断言しています。
「人を泣かせたり猥褻感を催させるのは容易。しかし、恐怖させるには、最高度の小説技術が必要」。

ラヴクラフトの大著「文学における超自然の恐怖」には、恐怖(ホラー)の定義が含まれています。
血みどろや畸形な怪物によって鬼面人を驚かせるのは、彼の定義によれば、むしろショッカー(戦慄小説)。
ホラー小説は、雰囲気の醸成が肝要。
デ・ラ・メアに代表される曖昧法、朦朧法という手法などもその一つです。
その定義に随えば、「Another」は純粋ホラーと謂えますね。

「レモンが、ボクにはこう見えるんです」
ムンクの「叫び」。表現主義絵画の大傑作。
それが呼び水になったかのように、陸続と表現主義映画(「吸血鬼ノスフェラトゥ」など)もかくやの、恐怖映像の積み重ねが、これでもかと謂わんばかりに続きます。

「みさき」に関する何かを匿そうとするクラスメートたち。不穏な空気。
にわかな突風に揺れるあかい花。
協力的な看護師の水野さん。いい人だけど、でも死亡フラグ?
大事な電話。通話にノイズが入り、とつぜん切れる。ツーツー。
不吉に躁ぐ鴉の群れ。
人形館。「みっしりと」詰め込まれたビザールな人形たち。ハンス・ベルメールと四谷シモンの妖しい混淆?
人形めいた少女、鳴の、とつぜんの出現。
眼帯の下に匿されたものとは?

好んでホラーやスプラッタを観たがる酔狂な人が、世の中には相当数存在します。
遊星からの物体X」でさえ、視聴後、夜中にトイレに行くのが怖かった私からみれば、もはや酔狂を通り越して佯狂としか思えません。
('A`|||)

想い出話です。
祖父は住職でした。
幼いころ、祖父のお寺(山の上にあった)に泊まったとき、尿意もだしがたく、夜半に小用に立ったのですが。
厠は戸外の、しかも、渡り廊下を幾つか渡った先に、ぽつんとあったのです。
渡廊下は暗く、陰鬱な灯火だけが頼り。
濃密な闇のなか、虫の音ばかりがひめやかに集いて。
あまりの怖ろしさに、ほとんど眼を瞑って必死で駆け抜けた覚えがあります。

恐怖体験のせいばかりでもないのでしょうが、どうしても、闇の中に何物かが潜んでいる気がしてならない。
そんな感覚が、大人になってからも纏綿しました。
のちに、永井豪「デビルマン」を読んだとき、「人間が暗闇を恐れるのは、太古の記憶や悪魔の記憶が残っているからだ」という一節に、ようやくわが意を得た覚えがあります。

次回「骨組」

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