2012年3月23日 (金)

ギルティクラウン第22話(最終話)感想

#22「祈り:convergence」

綺麗に纏めましたね
涯が魔王となった理由も判明しました。愛する真名を、永劫回帰的な苦痛から救うためだったのか。
てっきり、集を選ぶかと思っていたのですが、存外まともな涯さんでした。でもメンヘラ好きなんだねきっと(笑)。

復活したイブこと真名が、最愛の弟、集に、嬉しそうに抱きつきます。
「集、大変だったのよ!
お姉ちゃんの邪魔をする、すっごいイヤな女がいたの。
でも、もう大丈夫。そいつ、すり潰して、この体、お姉ちゃんのものにできたから」
いやだわ、すり潰さなくっちゃということでw
ところが!最愛の弟は、姉など眼中にありません。自分のために泣いてくれた女のことしかアタマにないのです。
「やめろ!いのりは化物なんかじゃない!」
実姉の真名をほぼバケモノ扱いしていたのはご愛嬌ということでw
畢竟するに、「俺たちのイブ」じゃなくて、涯だけのイブだったわけだ。
それでも、涯に抱きしめられて消えていく真名は、可憐なイイ表情をしていました。

「本当は善い子だったろ!ダリル坊やは!」
復讐心に凝り固まって悪い子と化していたダリルを、腹心の部下ローワンが救って自らは犠牲に。
妙にイイ場面を点綴してきましたね。だが使いどころを誤ったな。不発なのが惜しい。

救世主たる集がウイルスを総身に享けようとするも、消えたと思われたいのりが、全てを引き受け、今度こそ完全消滅。
人々はキャンサー化を免れ、世界は救われました。
そのまま、建物は崩落。集も捲き込まれた…?

few years later.
時が流れて。
この手法も懐かしい。私的には「ソルティレイ」以来かな。

名画「アメリカン・グラフィティ」ふうの後日譚で締め括りです。
綾瀬、ツグミ、谷尋、颯太が再会しています。
誰のバースデーを祝っているのかと思ったら、「Hare」だったんですね。
そして、誰かを待っている雰囲気。
杖を突いた集があらわれた!視力と片腕を喪っています。
片腕は義手。愛おしそうに頬を寄せます。いのりが、其処に居るのですね。
いのりは生きている。わが胸の底のここに

ダアトは何をしてたの
わざわざ涯を復活させておいて、後は自由放任なの?大言壮語していたけど、実は、ユウが代表兼社員とかいう零細結社だったりして?
…そんな野暮なツッコミはナシの方向でw
中途から、所謂ジェットコースタームービーの様相を呈したため、物語を追うのを諦めた方が多かったようです。
最終話に至って、バイアス修正をかけてきた。だから、意外に温順しい纏めになったという印象です。
でも、この方向性を選択したのだから、むしろ最終話だからこそ八方破れで畢(おわ)ってほしかった気がします。無いものねだりですが。

「今まで観て下さった皆様、本当にありがとうございました!!」(プロダクションIG六課)
いえいえこちらこそ。お蔭様で、ギルクラ記事はアクセスにも恵まれました。
これぞ、制作側とアニメブロガーとのwinwinの関係?(何だかエラそうw)
スタッフの皆さん、お疲れさまでした!

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2012年3月16日 (金)

ギルティクラウン第21話感想

#21「羽化:emergence」

「羽化」は、もちろん、いのりを糧にして再生した真名を指すのでしょうけれど。
兵士たちのウイルスを悉く引き受けていく集もまた、「羽化」の準備をしているのかもしれない。
何故なら、集の能力は、「すべてを集める」能力。
負のエナジーすなわちエントロピーを極限化し、一挙に正の膨大なエナジーに転換する
国連軍を一人で潰走に追い込む涯の、巨大すぎるヴォイドの力に抗するには、それしかありません。

ちなみに羽化登仙というと、ちょっとエッチな意味になります。豆知識ですww

「汚れるのはボクだけでいい。綾瀬は綺麗なままでいて」
おお、恰好いいぞ集!まるで主人公のようだ!
「借りっぱなしで、絶対死なないでよ」
やりっぱなし」とソラミミしたのは、私の心が穢れているせいかも。
(ノ∀`)

サポートに廻るために、集と別れるツグミたち。
ツグミ「いのりん、助けなよ」
いのりん吹いたww
「とらドラ」か「けいおん」かって感じのセンスですね。なごむなあツグミ。一気に脱力系になりましたな。

ダアトの総意として、立ちはだかるユウ。
真名と倶(とも)に、人類を滅ぼす決意があるのか問い質してきます。
「人類が次のステージに進むために、全ての人類を滅ぼし、未来永劫、真名と二人で生きることを誓ってくださいますね?」
「何を言っているの?」
「答えはイエスかノーで」
「ノーです」
「NO」と言える日本きましたねww
石原都知事が、随喜の涙を流しそうです。
ダアトの名の下にとか偉そうなことを述べてた麿眉くんですが、集の一撃で退場なのか?羊頭狗肉とはこのことだ。

いのりを喰った真名が、竟(つい)に羽化した!
「黙示録か」と呟く茎道。
「失われた、俺たちのイブ」と涯。
俺たちの、か…。これは暗示的だ。結末が予想できる気がする。

人類の存亡を賭けた最終戦争が、いま始まります。
集の、みんなの祈りは届くのか?

次回「祈り:convergence」

おまけBL風味SS
集「涯、本当のことを教えてよ!あのダアトまゆげが言ってたことはホント?未来永劫、真名と二人で生きるの?イエスって答えたの?」
涯「…集、俺がそんなことを言うと思うのか。俺が未来永劫添い遂げたい相手、おまえがいちばんよく知っているだろう」
集「涯」
涯「集」
真名「ちょ待てw男同士でなに雰囲気出しちゃってんのよ!苦労して再生までしたあたしの立場はどうなんのよ?」
涯「まだ居たのか雌。人類でも世界でもくれてやるから、無粋な邪魔をするな」
集「そーだそーだ、涯の言うとおりだ!」
真名「おまいら…」(▼▼メ)

綾瀬「ちょっと眼を離したスキに、スゴイことになってるわね」
ツグミ「でもあたし、こーゆーカオスな展開、大好き!もっとやれ!」
茎道「まさに黙示録だなww」

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2012年3月 9日 (金)

ギルティクラウン第20話感想

#20「追想」

桜満クロスと茎道修一郎。
かつて叡智を競い合った男たちの、友情と憎しみの物語が追想されました。

眼をひいたのは、視点の変換です。

茎道



春夏

話者を変化させることによって、事件を複眼の視点から観想する。
それは、物語に厚みを付加する効果を生みます。

真名の究極の狙いは、四度目の黙示録。世界を粛清し、変革すること。
そして涯は、茎道が真名と交わって産ませた、実験体の少年たちの生き残り。
涯は、研究所を脱走して、真名や集が暮らす大島に漂着したのですね。
運命から逃れようとして、さらに巨大な運命に逢着した、海から来たトリトン。
海のトリトンか…。
♪水平線の彼方には アアア~♪
失礼しましたww

進化と淘汰の謎を解いたクロス。しかも、貧弱な設備で。
一方、力を得るために、ダアトと手を組んだ茎道。
ルサンチマンの塊と化した彼は、逆上して詰め寄るが。
クロス「ボクがキミの何を妬むというんだい?」
嫉妬と劣等感による殺人が勃発しました。そして、茎道は暴走を開始したのです。

アポカリプスウイルスの申し子だった真名が望んだのは、新世界のイブとアダム。
集は、産まれる前から選ばれた子どもだったのです。
そうか。ちゃんと理由があったのか。
真名はただのヘンタイなブラコンってわけじゃなかったんですね
(ノ∀`)

「おまえが怖かったんだ、おれが情けなかったんだ…。友だちでいてくれよ!」
「僕たちは友だちだ」
颯太とも友情を回復し、気力充盈の集は、いよいよ涯の元へ向かいます。

自らの死を覚悟し、みんなにヴォイドを返して「裸の王様」に帰るという不退転の決意を示す集だが、綾瀬を始め、峻拒。
孤独な王様である涯に対峙するに、仲間の気持ちを糾合する集。
春夏さんは、クロスは寂しがりやだったことを語ります。
「だから、あなたに集と名づけたのよ」

出発だ、新しい情と響きとへ。(ランボー)

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2012年3月 2日 (金)

ギルティクラウン第19話感想

#19「贖罪」

桜魔春夏は、娘である真名を殺そうとするが、茎道は何もかもお見通しでした。

「お前は変わらないな、春夏。自分に正直で、理想家で、諦めない。
まるであいつ、オー、マクロス(桜満クロスww)のように」
「あなたが、あの人を殺したのよね?兄さん!」
Σ(゚Д゚;
そうだったのか!って、だからどうした的な感慨も纏綿したりw
「どうして?親友だったんでしょ?」
「親友?俺とあいつが?」
うんうん。
集と涯クロスと茎道。なるほどね。
男心はいつもフクザツです。あるときは無二の親友、あるときは不倶戴天の仇敵。
そして、わが胸の底のここには、いつだって愛が
( ´▽`)σ)´Д`)

HOMOはさておき。
少女の真率な「祈り」によって、贖罪が果たされ、集は救われました。
ゲーテ「ファウスト」終章で、悪魔に魂を售った(うった)ファウストが、美少女グレートヘンの祈りによって天使たちに召されていく場面を彷彿させる設定です。
純粋無垢なるものが、救いを齎す。浄化(カタルシス)の究極のかたちですね。

春夏が略取した、最後で最凶のヴォイドゲノムが、実の母親から息子の手に。
偶然なのか、必然なのか?これも、集の運命だったのかもしれません。
最後の希望すら刈り取るはずだった嘘界が、ここで狂喜乱舞です。
「これですよ!」
韜晦的な生を生きてきた彼は、集の再生に何を見たのか?絶望か、それとも希望か?
光煌く義手で、集が嘘界を殺した!
満足して、死に赴いた感があります。こんな人生もアリなのか。

集の得たヴォイドは、全てを引き受ける。颯太のキャンサーすらも引き受ける。
孤独な王の絶対権力を行使する涯と、みんなを引き受け、みんなの力を糾合して大きな力と成す集。
非常に魅力的な設定です。
「みんな!オラに元気を分けてくれ!」
元気玉を思い出すなあ。あれがフリーザを斃したんですよね。

次回「追想」

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2012年2月24日 (金)

ギルティクラウン第18話感想

#18「流離」

「たとえ偽物だったとしても、あたしにとってはそれが、たった一つのホンモノだから!」
これもまた一つの偽物語なんですね。(ノ∀`)

エンドレイヴに立ち向かうハイパーいのりさんの疾駆が実にフォトジェニック。
いつも渝らず魅せてくれるギルクラの作画、冴えています。

茎道たちは、最古の結社「ダアト」のメンバーだったんですね。
ノワールは千年の闇とか、ああいう感じか。

王の力をわが手にした涯。容赦なく、生徒たちのヴォイドを「消費」します。
まさに、恐怖を司る王の貫録充分ですね。
「要求はただ一つ。邪魔をするな!」
シビレるねえ。やっぱり、涯ってイカしてる。
集を虐めるだけ虐めてから、耳元で囁くんですね?
「集、俺がおまえを憎んでいるとでも思ったか?」
「涯…ボクも…」
( ´▽`)σ)´Д`)

ご老公もイケてたけど、退場が捷い(はやい)なあ。こういう硬骨漢には、もっと活躍してほしかった。
あと、ツグミとダリルにツンデレフラグが立っております。これも、重要なポイントになりそう。

集の眼に光が戻った!
男の子は、こうでなくっちゃね。いつまでも、めそめそしてる場合じゃない。
しかし、ヴォイドもいのりも喪った彼はどうするのか?
たった一人の戦争に成算はあるのか?
これは熱くなってきました。次回も愉しみです。

次回「贖罪」

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2012年2月17日 (金)

ギルティクラウン第17話感想

#17「革命」

真の王、涯がキター!!

独裁者に堕した集が臣民たち(クラスメートだけどw)に裏切られた、まさにその瞬間を狙って、涯が颯爽登場!
ヴォイドを司る右腕を斬りおとし、自らの腕とした!
これはアレだ。
フロイト的解釈により、涯による、集の「去勢」を意味するのは間違いない!
斬りおとした腕を装着する行為は、ファリック・ナルシシズム(男根崇拝)を充足させるためのシンボルということでww

「革命」とは、また皮肉なサブタイです。
集が、ある意味恩知らずの仲間たちに追い落とされただけなんですけどね。
ギルクラに隠顕するのは、大人VS子どもの構図
恐らく、集は、この構図に資するため、故意に幼稚な性格を付与されています
対するは、稀代の策士、嘘界局長。未だ底が知れない茎道総理。
とても、集だけでは太刀打ちできないでしょう。
だからこそ、復活した涯の存在意義が大きいのです。

涯は、ギルティクラウンの証を集から簒奪したわけですが。
予め「ギルティ」であることが運命づけられているヴォイド能力を、涯が肩代わりしたと解釈できないでしょうか?
集への「愛」が雲散霧消したとは迚も思えないのでww

そして、片腕を喪った集ですが、ここはポジティブに行きたいですね。
新たに有益なガジェット(サイコガンとかw)を装着するというテもあるし。
「片腕の男」として武名を揚げるというテもあります。片腕の男だと、「ガン×ソード」になっちゃうかww

次回は、零落した王(集)といのりとの流離譚かな?
中世ファンタジー系では、貴種流離譚は定番の流れですね。
集の返り咲きは成るのか?このまま運命に呑み込まれてしまうのか?
そして、ギルティクラウンとなった涯の企図するものは那辺に?

次回「流離」

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2012年2月10日 (金)

ギルティクラウン第16話感想

#16「王国」

涯が生きていた!?
亞里沙は真名に殺された!?

衝撃の引きです。いつものことだけどww

ヴォイドが破壊されると、本人も結晶化して死ぬ。「未来日記」の日記みたいなものですね。
葬儀社のアルゴが「ヴォイドによる王国」の非人間性を告発し、諫言するが、谷尋も集も聴き容れようとしない。
目的が手段を正当化する、というのが彼らの論理だから。
さらに、現場を目撃した亞里沙は生徒たちに真実を伝えようとするが、真名によって粛清されてしまう。
まさに「恐怖政治(テルール)」の厄災です。
以前にも引用しましたが、「絶対王政は絶対に腐敗する」のですね。

今回のサブタイ「王国」と、集が陥った孤独な王様という立場に、村上春樹の短篇「駄目になった王国」および「今は亡き王女のための」を想起しました。
「駄目」は、かつてはイケてた男の友人のその後の転落を。
「王女」は、かつてはイケてた「王女さま」のその後の転落を、それぞれ語っています。
どちらも、苦い後味の作品です。

時代閉塞の現状」といえば、石川啄木の尖鋭的な論文でした。
涯の出現が、集たちの陥った閉塞状況を変える「起爆剤」足りうるのか?

次回「革命」

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2012年2月 3日 (金)

ギルティクラウン第15話感想

#15「告白」

犠牲(サクリファイス)は、祭ちゃんだったのか…。
('A`|||)

愛する者の犠牲により、主人公を覚醒ないし決断に追い込む手法は、まさに王道。
集の受けた衝撃は計り知れません。
いのりと仲良くし、祭ちゃんを泣かせたこともある過去はまあ擱いとくとしてもww
「集くんは(子どものころ愛読した)やさしい王様に似ていたの。だから好きだった」
王様は、望まれるるままに国の財産やら何やらを頒け与え、竟には国がなくなってしまった。
そりゃ国民が怒りますともww
集は、オスカー・ワイルドの「幸福の王子」に似ています。
滅私とか献身というと聞こえはいいが、結果として、無辜の燕まで巻き添えにして自滅。
一部の識者から非難轟々の、あの「不幸の王子」のことですww
とはいえ、祭ちゃんの遺言にもなったのだから、「本当のやさしい王様」というイノセンスはアリだと思いたい。

祭ちゃんが結晶化し、砕けて消滅。
颯太が、軽率な行動の結果、悲劇を招いたことを悔いて心から謝るが、ヤクをキメてる薬物常習者のような、やばい眼つきの集。
「おまえが生き返らせろ!」と、颯太をさんざんに打ち据えます。
そして、嫌がるいのりちゃんを無理やり強姦抑えつけてヴォイドを取り出す。
キレた集にあっては、ダリル・ヤンなど雑魚に等しい。
ヴォイドで薙ぎ払い、モブなエンドレイヴたちの頭部が綺麗にすっ飛んだ!
ブララグのレヴィの台詞「シェンホア!薙げ!」で兵士たちの頸がすぽーんと飛ぶ場面を思い出しました。

「僕はまちがっていた。優しさなんて何の意味もない。クズは区別しないと。僕は王になる!」
やさしい王様から、心冷たい独裁者への道を歩き始めた集。
子どものころは、涯よりもかっけーんすよだった集。意外に、こちらの方が本来の渠(かれ)なのか?
生兵法はケガの元とは謂うが…。

次回「王国」

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2012年1月27日 (金)

ギルティクラウン第14話感想

#14「攪乱」

ゲノムレゾナンスゲージ
なるほど、ヴォイド力を測定するためのスカウターですね?分ります。

茎道大統領、そして嘘界局長は、集たちに対して情報戦を仕掛けてきました。
まず、東京に生存者はいないという虚報を流す。
次いで、茎道の命により「レッドライン」発動。ゴースト部隊が、人間たちを殲滅しながら包囲網を狭めていく。
さらに、嘘界が学園内ローカルネットのジャミングを故意に解除。たちまち裏サイトによるデマゴーグが飛びかい始め、学園は大混乱です。

生徒会長の供奉院亞里沙は、確定情報が判明するまでは性急に動かず待機、という指示をした。
平常時なら無難な選択です。確かに、冬山などで道を見失ったときは、無理に動き回らず、体力を温存するのが上策。
しかしこの場合、断片的な情報だけを与えられ、疑心暗鬼に陥っている生徒たちの人心を掌握する必要がありました。
非常時のリーダーシップの在り方を、彼女は学んでおくべきでしたね。

いま、19世紀初頭のドイツで政治と文学の季節を駆け抜けるように生き、23歳で夭折した天才、ゲオルク・ビューヒナーの「ダントンの死」を繙いています。
ビューヒナーがこの戯曲で告発しようとしたのも、恐怖政治という極限状況下において、人々がみせる愚行と疑心暗鬼。
自分がギロチンにかけられないために、スケープゴートを探して血祭に挙げるという、人間精神の悲惨と矮小でした。

今回のギルクラのエピソードは、人間性の深淵を垣間見せた、とても示唆的な話数だったということで。

さてそこで、集が再び脚光を浴びます。
涯というカリスマリーダーを知る集は、「涯ならどうするか?」という思考訓練を積んできました。
敢えて葬儀社のメンバーである事実を明かし、いのりのヴォイドによって、自分や綾瀬たちの傀儡を造り出す。
そして、生徒たちが葬儀社メンバーを政府軍に差し出すさまを虚像化し、全校生徒に映像として見せる。
生徒たちもろとも虐殺された!Σ(゚Д゚;
冷酷無惨な政府の所業に、震撼させられる生徒たち。

集の「実験」によって、少なくとも、政府が敵対的な存在だということが判明しました。
「だから事実を一つはっきりさせた。これで考えを先に進められるでしょう?」
あらゆることが五里霧中なとき、人はただ混迷し、右顧左眄する。
とはいえ、事態のすべてを把握することは、いち個人には不可能。
集は、ひとつの事実を明確にすることにより一点突破、同時に、自らのヴォイドの力を示すことで、生徒たちの心を掌握することに成功したのです。
谷尋の巧みな煽動も功を奏し、満場一致で生徒会長に選出されました。いよいよ、リーダーとしての「出発」です。

しかし、次回は「sacrifice=犠牲」。
不穏な氛気が漂ってきますね…。

次回「告白」

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2012年1月20日 (金)

ギルティクラウン第13話感想

#13「学園」

「何だよこの貧乏くさい食べ物。あのちんちくりん、今度会ったらいじめてやる」
いやダリルさん、あんず飴結構気に入ってるしwwたぶん、ツグミのこともね。

涯亡き後、ギルクラを牽引できるのは、ダリル・ヤンしかいない!
余人を以て代えがたしとはこのことだ。
学生に扮装して、集たちが避難している天王洲第一高校に潜入。さっそく、ツグミと絡んでいました。
ツグミとダリルの組み合わせも興味津々なのですが、集にもいろいろ絡んでいくことを期待。
むしろ、ダリルと集との烈しい「絡み」を、垂涎の思いで待っていますww

ロストクリスマスの再発から二週間。
東京が封鎖されるという異常事態のなかで、元気をつけるために、文化祭を企画する。
ハハ呑気だね、って揶揄したいところですが、窮地に追い込まれたときほど「遊び心」は必要です。
悩む集や綾瀬、疑う谷尋。
揺れる人物たちのあいだにあって、颯太は、ムードメーカーなんですね。

真心青年団」吹いたww
ヒトラーユーゲントなど、有事に際しては、時の権力者を盲目的に崇拝し、過激な行動により権力維持の走狗と成り果てる若者たちが、歴史上、跡を絶ちません。
真心青年団も、そうした無思慮な若者たちなのでしょう。

涯の死に傷つき、自らを苛む綾瀬。
そんな彼女のヴォイドは、スピードスター。ARMSでいえば「ホワイトラビット」でした。
見違えるほど生き生き動き廻る綾瀬が、耀いて見えました。

GHQの粛清に成功し、ヤン少将やヤンキー大佐を強制排除。
茎道の跡を襲って局長に就任した嘘界少佐。わが世の春を謳歌しております。
こういう人物に権力を持たせると怖いんですよね。キ×ガイに刃物、嘘界にエンドレイヴか?

再生のための浄化
最高責任者に成り上がった茎道修一郎が、冷徹に宣言しました。
新たなるホロコーストの予感がします。

たぶん葬儀社を率いることになる集の、捲土重来を待ちたいと思います。

次回「攪乱」

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