2011年4月22日 (金)

魔法少女まどか★マギカ第11話・12話(最終話)感想

#11「最後に残った道しるべ」
#12「わたしの、最高の友達」

おわった、なにもかも…。

まどかの破格の魔法力は、やはり「堆積」によるものでした。
時間軸のループによって、因果律の糸が束ねられたことが、まどかという最強の魔法少女を育てた。
ほむらの努力は、ついに、まどかを破滅に導くための布石にしかならなかったのです。
そのことを知って、絶望に沈むほむら。ソウルジェムが、みるみる黒くなって…。
「ワルプルギスの夜」の正体は、映像を見る限り、自然力の厄災とも読めるのですが。
もしかすると、ほむらの魔女化だったのかな?
まさに、無限ループなのだけれど。

今回、喩えようもなく美しかったのは、魔女化する寸前の魔法少女たちを、まどかが再生の女神として救っていく場面です。
「魔法少女が魔女になるまえに、すべての魔女を消去する」
まどかが、魂と引き換えに願った、祈りです。
それは、魔女化する自分をも消去するという、究極の願いでした。
やはり、そうだったのか。
義務を容認する幸福…。
(/_<。)

「神という概念」になって、世界中に顕現し、不幸な魔法少女たちを救ったまどか。
愛する人たちのまえから、人としては消滅した、まどか。
でもこれは、本当は何を意味するのか
穢れた魔女(大人の女性)になる前に、穢れを摘み取るというのは?
彼女たちは、無垢なまま消える。さやかのように。
現実世界では、彼女たちは死体となって残る。
それは、美しい夭折
つまり、「自殺」そのもののアナロジーなのです。
制作側からの、恐るべきメッセージ。これを見逃してはいけません。

さらに、忘れてはならないのは、美しい理想の陰には、必ず影が生じること。
いつの世でも、それを、闇で支えている存在があること。
まどかが書き換えた「美しい宇宙」を継ぐべき責務を負ったのは、暁美ほむら。
たった一人の友達を失い、生きる意味を失ってなお、彼女は、永遠にながらえなければならない。
まどかの理想を支えていくために。護持し続けるために。

ED後の、ほむらの「黒い翼」顕現が、とても象徴的です。
彼女は、まつろわぬ神々になったのか?
それはたとえば、堕天使サタンといったような…。
これもまた、制作側からの、暗に込められたメッセージなのでしょう。
この世に、まったく穢れていない(無垢な)大人など存在しないので、つまりは、永遠にアドレッセンスにとどまり続ける。それが、まどかの理想世界。
けれど、呪いは生まれ続ける。
肩代わりして、永遠に戦い続ける運命をあえて背負ったのが、ほむら。
まどかの祈りにかかわらず、地には妬みやらなにやら、負の感情が遍満している。
美しい理想だけでは、世界は救えないんだよ
そんなほむらの呟きが、きこえてくるようです。
まどかのために、その美しい理想を具体的に支えるために、魔獣狩り、というかたちで引き継いだのが、ほむらなのだから。

以下、偶感です。

クレオパトラ、卑弥呼、ジャンヌ・ダルク。
つよい願いをもった彼女たちは、みんな魔法少女だった。
まどマギは、歴史さえも束ねましたね。まさに、壮図です。
「オレは、歴史さえも下僕にできるッ!」(JOJOのディオの台詞)。

まどかが、「神という概念」に至るという設定に、フレドリック・ブラウンの名作短篇『唯我論者』の皮肉を想起しました。

以前から感じていたのですが。
まどかマギカは、過去の魔法少女作品に対する、異議申し立てといえるでしょう。
すべての画期的な傑作は、既存作品への異議申し立てから始まる。これは、文学史上のことわりです。
セルヴァンテス『ドン・キホーテ』しかり。
ジョイス『ユリシーズ』しかり。

「幸や不幸はもういい。どちらにもひとしく価値がある。希望にはあきらかに、意味がある」
(業田良家『自虐の詩』の名言を本歌取り)
最後に残されたメッセージ。
全編を要約すると、これに尽きるかな。

さて。
物語は、語り終えられました。
あとは、癒しがあるのみです。
弟が、まどかの名と姿を、地面に刻んでいました。
まどかママは、よく分らないけれど、なんだか懐かしい、と。
愛するものたちの心に、かすかな残像として、生き続けるまどか。
一掬の救いでした。
ありがとう。

そして、スタッフの皆さん、お疲れさま!
現実の厄災によって放送延期されるという、ある意味、この作品にふさわしい困難を乗り越えて、完結に至ったことを、まどマギを愛する皆さんとともに、言祝ぎたいと思います。
そして、これほどの量の二次SSを書かせていただいたのも稀有なこと。NOIR以来でした。
それだけ、のめり込んで視聴できた作品だったといえます。
2011年を象徴する名作として、まどか★マギカが語り継がれることを祈って、擱筆します。
ありがとうございました!

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2011年4月21日 (木)

まどか★マギカおまけSS「最後に残った道しるべだって超えてやる!」

【自分の予想と無理心中する勢いの、意地のSSですww
それは冗談ですが、最終話直前記念ということで、残しておきますね。
私なんかの予想を遥かに超えるような、赫奕たる最終話だったらいいな。
なお、このSSは、以前に予告した「どうして、マミさんは殺されなければならなかったのか?」の、解でもあります。】

地球を覆う、大いなる影。
それは、ワルプルギスの夜だった。
いまや、人類の黄昏は、すぐそこまで近づいていた。

「わかった…。やっと、わかった…」
「まどか?」
「ほむらちゃん、あたし、分ったんだ。
どうして、マミ先輩が、あれほど惨酷な死を迎えなければならなかったのか。
どうして、ああまで酷く陵辱されなければならなかったのか。
やっと分った!
マミさんは、あたしたちにとって、おかあさんだったんだ。
綺麗で、ふくよかで、頼りになって、それでいて、とっても弱くって…。
寂しさを隠さずに接してくれるマミさんは、あたしたちの、優しいおかあさんだったんだ!
やさしい、やさしい、おかあさんだったんだ!

『ワルプルギスの夜』は、それが許せなかったから、マミさんをあんなやり方で喰い殺させたんだ!
そうよね、あなたは、ずっと勁かったから。
あたしたちを寄せつけないくらい、勁かったから。
パパだって、あなたには、一目もニ目も、置いていた。
だから、専業主夫に甘んじていたんだ。
そう、あなたは、鹿目の家の、女王さまだった。
そんなあなたに、憧れたときもあったけれど。
一緒に、お酒を飲みたいって、願ったときもあったけれど。
いま、分った…。

あなたこそが、魔女だったんだね
あたしたちを支配する、巨大な魔女だったんだね?
人類さえも、世界さえも、捨てて顧みない、「かつての最高の魔法少女で、最悪の魔女」だったんだね?
そうか。
あたしは、あなたの血を、ひいたんだ
キュゥべえが言っていた、最高の魔法少女って、そういうことだったんだ…。

でも。
あたしは、あなたを超えなきゃならない。
あたし自身が、生きるために。生き延びるために。
全てを支配し蹂躙するようなあなたじゃない、「本当の大人」になるために。

さあ、隠れてないで、出てきなさいよ!
あたしと、戦いなさいよ!
だって、あたしはもう、知っているんだから。
あなたの正体を、知っているんだから。

ママ……。

ゆらり。
そのとき、巨大な影が、ゆっくりと蠢動し始めた。

【END】

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2011年3月24日 (木)

まどか★マギカ考察「クリームヒルト、そして」

まどかの魔女名が、Kriemhild Gretchen(クリームヒルト グレートヒェン)であることが判明しました!

クリームヒルト。叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に登場する美女。
前編では、英雄王ジークフリートの貞淑な王妃だったが、後編に至って、夫をだまし討ちした梟雄ハーゲンと、兄王グンターに復讐すべく、罠にかけて惨殺し、自らも滅びた。
グレートヒェン。詩劇『ファウスト』に登場する美少女。
純真無知と、ファウストへの愛ゆえに、母を誤って殺し、兄を死に追いやり、発狂してわが赤児を殺害するという罪を犯し、牢獄で死亡。しかし、その無垢を言祝いだ神の恩寵により、天に召された。結末で、死にゆくファウストを救済する天使として再来した。

まどかだけが、なぜ破格の魔法力をもっているのか?なぜ、最高の魔法少女たり得るのか?ずっと考えていました。
彼女の稟質について、以前、おもに即物的側面(血すじとか魔法力の堆積とか)から考察したのですが。
やはり、魔法少女としての「願い」の質や強さが、大きな要素になっているのは、間違いないところでしょう。
ほむらの例からも、その推測は裏書されます。

どうして、Kriemhild Gretchenなのか?どういう意味があるのか?
タクトのフェニキア文字のように、何かアナグラムが匿されているのでは、と考察されているサイトも見かけましたが、特に結論には至っていないようです。
私は、まさに「名前自体」に意味が匿されていると直観しました。
復讐と呪いに憑かれた美しき烈女と、自己犠牲によって恋人に恩寵をもたらす天使
この魔女名自体が、矛盾を内包しています。そこに、「鍵」がひそんでいるのではないかと推論したのです。

魔法少女の「願い」と、魔女の「呪い」。
このふたつは、対蹠的なものであり、相互矛盾であり、同時に、同じ「エナジー(ちから)」の表裏をなしています。
拮抗し合うものが、やがて止揚(アウフヘーベン)されて、さらに高度な段階に統合される可能性を示唆している…。
まさに、ドイツ哲学者の孤峰、ヘーゲルが提唱した弁証法です。
Kriemhild Gretchenは、「止揚」を象徴的にあらわしているのではないでしょうか?

「最高の魔法少女」と「最悪の魔女」を担保する、まどかの「願い」と「呪い」は、想像を絶するほど「巨大」なはず。
その正体を大胆予想すると。
この世界をいったん滅ぼし、そして再生する
より正確にいえば。
ワルプルギスの夜を斃す
→しかし、この戦いにより、世界は崩壊状態
→最高の魔法少女として、世界を再生する

脚本・虚淵の、過去の仕事(沙耶の唄ほか)から、導いてみました。
まさに矛盾です。だからこそ、正と邪を、同時に担保し得るのです。

しかし、エントロピーの不可逆性により、魔法少女まどかの再生の願いは、魔女の滅びの呪詛に変貌してしまう。
「魔女になんか、なりたくない…」そう呟いて、ほむらに殺してもらったまどかです。望んではいないはず。
どうすればいいのか?
思い出すのは、『ハンター×ハンター』の、念能力への「制約」。
「制約の強さが、念能力の強さを決定する」というルールです。
クラピカは、「旅団以外に念能力を使ったら、即座に死ぬ」という制約を自らに課しました。
だとすれば…。
「この世界をいったん滅ぼし、そして再生する。もし魔女化したときには、自分自身が滅ぶ
この制約を附加するしか、世界を救う方途は残されていません。

でも、これでは救いがない。
まどかの幸福は、どこにあるのでしょう?
これについて、多く語ることは至難です。
虚淵×新房であることを考え合わせると、悲惨なまま終る可能性も高いからです。

それでも、まどかの物語には、一掬の救いがあってほしい…。
サン=テグジュペリ『夜間飛行』に、アンドレ・ジイドが寄せた序文を引用して畢(おわ)ります。
「私は、次のような真理を、著者サン=テグジュペリが闡明してくれたことをありがたく思う。すなわち、人間の幸福は、自由のうちにはない。義務の容認のうちにある、という真理だ」
『法王庁の抜け穴』等の作品で、個人主義を追究し続けた果てに、ジイドが辿りついた思想です。軽々に論じるわけにはいかないので、引用に留めます。

ただ、私は信じたいのです。
この世を絶する力を得てしまったまどかにただひとつ残されているのは、「義務を果たす幸福」なんだと。
人の幸福を規定するのは、「何をなすべきか」なのだと。
それゆえに、まどかは幸せになれるのだ、と。

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2011年3月14日 (月)

魔法少女まどか★マギカ第10話感想(承前)

#10「もう誰にも頼まない」

関東では、放送は相変わらず未定です。未来がまったく見えません。
でも、西の方からは、「畏るべき神回」というざわめきが、潮騒のように伝わってきます。
見たい…。でも違法動画は……。
「SIGERU、僕と契約して、YouTubeで視聴してよ!」
キュゥべえの巧みな誘惑に、身を任せてしまった私。
よわいわたしをゆるしてねww

でも、悪魔の誘惑に誘われて、視聴してみて正解!まさに神品(しんぴん)でした!
予想もけっこう的中?
いや、予想が当たったなんて、僭越ですね。というか、「予想してました」を自慢しているブログの殆どが、僭越といえます。見る限り。
制作側があらかじめ蒔いたものを、たまたま上手く忖度できたというのが、真実のところでしょう。

ほむほむが、初めて誘い込まれた魔女世界で、ピカソ『ゲルニカ』が引用されていたのに満足。やっぱりピカソはイイ!

みんなが望んでいたマミさん復活。もちろん、私もです。
しかし、最初はふつうにあっけなく戦死。
二度目は、魔法少女の運命に絶望し錯乱し狂気して、杏子のジェムを破壊したうえ、ほむほむのジェムも破壊して無理心中しようとしたところを、まどかに殺害された。
ひどいよ虚淵。ゾンビにするより非道い…。
('A`|||)

まどかとほむほむの、死線を超えた友情に満足。手に手を取り合って、生と死を交換する姿は、まさに「愛する時と死する時」そのもの。
エロスとタナトス、愛と死。私にとっても、偏愛のテーマです。
思わず、涙…。(/_<。)

ワルプルギスの夜を一撃のもとに屠って、しかも地球を10日以内に滅ぼせる、最悪の魔女に変身したまどか。
ここまで描き切ったということは、別の結末があるということですよね?
視聴者の予想をことごとく消去した果てに、瞠目すべき終わりはあるのか?
あったとすれば、それはもう至高の…。

アルコールで微醺をおびていたりもするので、明晰な文章がつづれません。この辺で擱筆しますね。
いつか、本放映を視聴して、ホンモノの感想記事が書ける日を夢見つつ…。

次回「最後に残った道しるべ」

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2011年3月 5日 (土)

魔法少女まどか★マギカ第9話感想

#9「そんなの、あたしが許さない」

ハズれても悔いのない大胆予想!
ワルプルギスの夜とは、「まどかママ」だ!

これなら、まどかの破格な才能の説明もつきます。
最高の魔法少女で、最悪の魔女。
何故まどかだけが、それほどたぐい稀な稟質を持つのか?
説明可能性としては、ふたつを考えていました。
血のなせるわざ
転生による魔法力の堆積
そのうち、①だったという解釈です。

魔女のシステムが、いよいよ明らかになりました。
魔法少女の願いが等量の呪いを生じ、穢れたソウルジェムはグリーフシードに、魔法少女は魔女に。
魔女へ到る道は、熱力学による「不可逆」なシステムだったのですね。
キュゥべえの謂うシステムとは、エントロピー均衡による宇宙の熱死状態を回避するために、エナジーの転移を人為的につくりだそうとするもの。
私もエントロピーという概念がお気に入りで、あちこちで使い回ししているのですが、魔法に特化するとばかり思っていたまどかマギカで登場するとは…。
物語は、一気に神話系SFの世界へと突入。何でもアリになってきました。
もう何もこわくない(ノ∀`)

さて、冒頭の論旨に戻ります。
システムに最適なのは、アドレッセンス期の少女たちの、希望と絶望との相克が生み出す、膨大なエナジー。
いわば、子どもを「生贄」にしているわけです。
浮かび上がってくるのは、大人対子どもの争闘の図式。
キュゥべえの論理が、全体のために個を犠牲にせよ、という「大人の論理」だとすれば。
子どもたちは、穢れの最終形態としての魔女化、という不可逆に対して、魔法少女にとどまり続けようと抵抗する。それが、魔女との永遠の闘争状態の、正体だった。
だから、まどかが挑むべきラスボス「ワルプルギスの夜」は、まどかにとって超克すべき、もっとも身近な「大人」なのかもしれません。
だとすれば…。

この論理の弱点は、残された体です。
魔女化したさやかの体は、魂の抜け殻、つまり死体となっていました。
まどかママは生きて、動いていますからね。
でも、超ド級の魔女だもの、そこは何とかするのさ!(強引)

別の可能性としては、クトゥルー神話っぽく、まどか自身が、かつて、まつろわぬ神の眷属だった、という結末もあり得ます。
「ワルプルギスの夜」の正体が、たとえば、全てを滅し去る「時間」だったという、幻魔大戦っぽい抽象的解釈だって可能。
多義的な解釈を許す作品は、名作であることが多いので、いよいよ楽しみです。

みんなの熱い期待に応えて、赤(佐倉杏子)が死亡!
「ひとりは寂しいもんな。一緒にいてやるよ」
これは泣かせるッ!!!
ライバルだった磯村さやかとの心中なんですね…。
(ノд‐。)

涙と恐怖とで視聴者を酔わせるまどか★マギカに、今夜も乾杯だ!

次回「もう誰にも頼まない」

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2011年2月26日 (土)

魔法少女まどか★マギカおまけSS「ほむみて、もしくはまどみて」

この百合SS、2週間ほど前に完成していたのですが、もう少し推敲しようかな?とあたためていたところ。
今回、まどかLOVEなほむらちゃんが、はしなくも暴露されてしまいました。
やっぱりなーって、思わず納得です。
ということで、後出しジャンケンっぽくなっちゃったけど、公開しまーす。

【まえがき】
書いてみたくなりました、ちょっと百合風味のSSを。
ほむらが見ている。略してほむみて。
まどかだけを見ている。略してまどみて。
そんな感じ♪

「いったい、何度忠告させるの?あなたはどこまで愚かなの?」
「愚か者が相手なら、あたしは手段を選ばない」
(/_<。)
「ほむらちゃん、どうしていつも冷たいの?」

ごめんね、まどか。いつも辛く当たって…。
あたしだって、涙を流しているのよ。心の中で。
佐倉杏子が磯村さやかに言ったことで、真実があるとすれば。
その人のすべてを手に入れたかったら、方法はひとつ。徹底的に思い知らせること。自分が無力だということを。
もちろん、手や足を潰したくはない。だからあたしは、心を潰すの。
そうすれば、まどかは、身も心もアタシのものだって…。
あたしはキュゥべえを殺すことだってできたのだけれど、そうしなかった。
キュゥべえを生かしておけば、あなたが追いつめられるから。
追いつめられたあなたは、必ずあたしを頼るから。

…ううん、ちがうちがう、そうじゃない!あなたを独占したいからじゃないの!本当よ!
あたしにとって、いちばん大事なことは。
あなたが、魔法少女という苛酷な運命に、もう二度と飛び込まなくてすむこと。
だからこそ、あたしはそれを願いにして、魔法少女の契約を受け入れたの。
そして、あなたは幸せになった。
なったはずだった…。

あたしの能力は、時間をあやつる能力。時間を巻き戻して、もう一度ここに還ってきた。
未練って言われても、仕方ないかもしれない。
でも、もう一度、もう一度だけ、あなたに会いたかったの。
あなたの幸せを、この眼で確かめたかったの。
あたしの事をすっかり忘れて、幸せそうなまどかを見て、ちょっぴり胸が痛んだけど、でも嬉しかった。
あなたはもう、戦いの世界に戻ってくる必要はない。いえ、戻ってきちゃいけないのよ。
ねえ、あたし、確かめたわよね?
「鹿目まどか。あなたは自分の(いまの)人生を尊いと思う?家族や友だちを大切にしてる?」
あなたは言った。
「うん」
それでいい、それでいいんだ、って、あたしは何度も自分に言い聞かせた…。

ワルプルギスの夜は、あたしが何とかするわ。
佐倉杏子と組んでもいい。あの子なら、容赦なく捨て駒にできるしね。
でも、あなたはダメ、あなただけは…。

まどか…。
ホントに、あたしのこと忘れちゃったの?
愛も死も、結局はひとつなんだ、って、抱き合いながら涙を流したあの日は?
死ぬときは一緒だね?って約束した朝を、忘れちゃったの?

…ダメだ、混乱してる、あたし。
忘れてほしいって言ったばかりなのに…。

いつまでも、家族や友だちを大切にする、無邪気なままのまどかでいてね。
思い出す必要なんてないの。辛いことや、苦しかったこと。
あたしとの、秘めやかな想い出さえも…。
そう、それがあたしの、最後で最大の希みなのだから。

あたしだけの、まどか…。

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魔法少女まどか★マギカ第8話感想

#8「あたしって、ほんとバカ」

「まどかを他の時間軸で生き返らせること。その願いによって、私は魔法少女になった。
この世でいちばん愛するあなたと、もう一度会うために」
愛するあなたって…。
Σ(゚Д゚;
あり得ないよ、ほむらちゃん。だって、あたしたち、女の子どうしじゃないの」
「…それがね、まどか。他の時間軸では、あなたは『何かを持っている』存在だったのよ」
何かって何?」
「は、恥しくて言えないわ。こっそり教えてあげる」
(そっと耳打ちする)
「ええー?あたしって、魔法少年だったの???」
転生したら女の子になるなんて、まったく想定外だったわ。でも、これはこれで、いけるかも」
「ほ、ほむらちゃん…。眼がコワイよ…。そんな、息を荒くして、迫ってこないで…」
「うふふふふ、まどか、たあべちゃうぞ~♪」

( ´▽`)σ)´Д`)

ほむほむは素敵な魔法百合少女だったのです。本当にありがとうございましたww

大方の予想を裏書して、時間操作の魔法を駆使する彼女は、他の時間軸から来たんですね。
「私、魔法少女っす。あと、時をかける少女っす」って感じ。
『ワルプルギスの夜』の出現分布予想も、これまで蓄積したデータを活用したのでしょう。

キュゥべえはインキュベーター。
インキュベーター(孵化器)と、インキュバス(夢魔)辺りをかけたのかな?
「やがて魔女になるキミたち」って…。
澄まして言う台詞じゃありませんよキュゥべえさん。
ほむほむに蜂の巣にされた自らの体を、勿体ないからって、キレイにむしゃこらしてしまいました。
喰ってやがる…」
使徒ゼルエルを喰らうエヴァ初号機を想起してしまいました。

自分を痛めつけ、グリーフシードによる浄化を潔しとせず、意地を張り続けたさやかが、ついに魔女覚醒!
引鉄(ひきがね)は、電車内でのホストたちの腐った会話。
歌舞伎町付近を歩いていると、ふつうに聞こえてくるやり取りですね。ホストとキャバ嬢のカンケイって、全くこのとおりです。
飛田さんと三木さんか。何という豪華なホストさんたちなんでしょwww

神にもなれる、究極の魔法少女。
こういうクトゥルーっぽい設定が好きですよね、虚淵さんは。

さあ、まどかが追い込みかけられた!
親友が魔女化したいま、もう逡巡してる余裕はありません。
魔法少女になっちゃいなよYOU
取り合えず最強魔法少女になれば、この世界を統べることも可能。宇宙の法則を捩じ曲げて、何でもアリのやりたい放題です。
後のことはどうとでもなりますよって、リビアの超独裁者、カダフィ大佐みたいですねwww

見る前に跳べ!」(大江健三郎)

次回「そんなの、あたしが許さない」

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2011年2月19日 (土)

魔法少女まどか★マギカ第7話感想

#7「本当の気持ちと向き合えますか?」

宗教エピソードを挿入したのは、魔法少女と世界の救済について、ひとこと言及しておきたかったのでしょうね。
表と裏から世界を救う。新しい世界には、新しい宗教が必要。ちょっと晦渋な表現だけど、今後の展開に欠かせないと判断したのでしょう。
もちろん、「他人のために魔法を使うな」という杏子のドグマを裏づけるために用意されたエピソードでしょうけれど、必ずしも宗教である必要はないので、ここは積極的な選択だったと解釈したい。

佐倉杏子の父は聖職者。
彼女が強迫的に何か食べているのは、餓えた経験からのPTSDだったのですね。
この町にこだわったのも、教会があった場所だったから。
辛い過去を一気にカミングアウトすると、さやかに同情的に接してきました。
なあんだ、案外いいコじゃん、とホッとしたのもつかのま。
最強の刺客は、親友の仁美だった!
いずれ恋敵は登場すると思っていたけど、まさか仁美だったとは…。
割り込まれても、もはや肉体を持たないさやかには、なすすべもなし。
幼なじみのあなたにも権利があるから、告白は明日の放課後まで待つ、って正々堂々の態度です。
「正午までに町を出ろ」って感じ。名作西部劇『真昼の決闘』みたい。
でも、「人外」を自覚してしまったさやかにとっては、ただ辛いだけの公明正大さですよね。
正論を吐くことほど、人を傷つけるものはない。そんな逆説と皮肉。

さやかに徹底的に追い込みかけるウツ描写の羅列が正視に耐えなかったので。
むしろ映像表現に注目しながら視聴していました。今回は、特に冴えてましたね。
教会や杏子の家族を描写するときの画風が、童話の挿絵とかでよく見かける誰かさんを思い出させます。
初山滋の流れを汲むあの人だったかな?うーん、思い出せない…。
さやかと魔女との戦いを、あえてシルエットで描いた「間接話法」もお見事。
慟哭をナマでぶつけるよりも、抽象化によって抑制された表現の方が、遥かに哀しみが伝わってきます。
ピカソ『ゲルニカ』を見たときにも、戦争への怒りがよく伝わってきました。悲惨を衒った凡百の戦争絵画なんてメじゃないと痛感しましたね。

アニメ作品をいちいち現実に置き換えて見るという皮相な視聴態度は、本当は好きではないのですが。
契約に拘束されて体を張る魔法少女は、実は人間社会の縮図だったりするのですよね。
魂はソウルジェムに移植され、ゾンビと化しているというのも、人間性喪失のアナロジーが効いています。
残る問題は。
「魂を失っても、人間性を復権することは可能か?」
メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』が提示した命題にまで突き抜けるのかどうか。
脚本の包丁捌きの冴えを、刮目して待ちたいと思います。

余談です。
先般、伊豆に旅行したとき、土産物店で、とあるアイテムを発見しました。
ご当地マスコットキャラの「みかんちゃん」です。

201102151025000_2

Σ(゚Д゚;
「こわがらないで?ボクは何処にでもいるんだよ?そこにも、あそこにも、そしてここにも♪」
そう語りかけられているようで、思わず悚然と立ちすくんでしまいました。
ほら、あなたの傍にもQBが…。

次回「あたしって、ほんとバカ」

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2011年2月13日 (日)

魔法少女まどか★マギカおまけSS「もしママ」

【もしまどかのママがキュゥべえだったら】

「あたし、どうしたらいいの?」
「たとえ、キレイじゃない方法だとしても、解決したいかい?」
「うん」
「なら、魔法少女になればいいさ」
「え?」
「正しすぎるその子の分まで、誰かが魔法少女になってあげればいい」
魔法少女になる?」
「どうしようもない程どんづまりになったら、思い切り魔法少女になっちゃうのもテなんだよ」
「それが、その子のためになるって、分ってもらえるかな?」
「その子のこと諦めるか、魔法少女になるか、どっちがマシだい?あんたはいい子に育った。いつでも正しくあろうとしてがんばってる。子どもとしちゃ、もう合格だ。だからさ、大人になる前に、魔法少女もちゃんと勉強しときな」
「勉強、なの?」
「若いうちは、ケガの直りも早い。今のうちに、上手な魔法少女を覚えといたら、後々役に立つよ?」
「あたしも早く、ママと魔法少女してみたいな♪」
「さっさと魔法少女になっちゃいな!辛い分だけ、愉しいぞお、魔法少女は!」

(; ・`д・´)

【あとがき】
間違う」を「魔法少女」に置き換えるだけで、ほらこのとおりwww
実は、キュゥべえとまどかママの言ってることには、さほど懸隔がないんですよ。
漠然とした希望だけを提示するという方法論も、総論だけで具体的な指示を行わないことから生じる危険性も。
でも、何となく子どもは説得されちゃうのです。その結果は、見てのとおりです
オトナって…。

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2011年2月12日 (土)

魔法少女まどか★マギカ第6話感想

#6「こんなの絶対おかしいよ」

「ほむらちゃん…」
彼女が何かを企んでいるのは確かだ。気をつけて!」
おまえが言うなwwwww

魔法少女の実体は、ソウルジェムだった!
魂がソウルジェムに移植され、肉体はただの抜け殻!
「どういうことなんだよおい?こいつ…死んでるじゃねえか!」
100メートル圏内からジェムが離れると、コントロールを失って、死ぬ。
「それじゃ、ゾンビじゃねえか!」
「心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても、ソウルジェムが砕かれない限り、キミたちは無敵だよ。よほど有利じゃないか」
嫌に決まってるじゃないかwww
ありったけの血を抜かれる魔法少女たち…。想像するだけで、ワクワク慄然とします。

ほむほむがイレギュラーという理由が、さらに明確になってきました。
ベテランの杏子でさえも、知らなかった衝撃の事実。
しかし、ほむほむだけは、まどかがソウルジェムを投棄してしまった重大さに気づいて、すぐに追走しました。
魔法少女の本体が「魂そのもの」だとすれば、器にこだわる必要はないのかもしれません。
つまり、新たな体を乗り換えて、永遠に転生していくことも可能かと。
彼女は、火の鳥のように、生まれては消える魔法少女たちの泡沫のような生をみつめ続けてきたのかも…。

まどかの、魔法少女としての大いなる才能…。
血のなせるわざだとすれば、「ママも魔法少女」なのかもしれないし。
まどか自身が、かつて、何処かで魔法少女だった、という可能性も捨て切れません。

キュゥべえとは何か?
黝くなったグリーフシードを食べていましたね。
「これも、ボクの役目だからね」って澄ましていたけれど。
正直に、常食してるし大好物だ、って言っちゃいなよYOU!
食物連鎖の実相も、見えてきました。
「どうして人間は、魂の在処にこだわるんだい?」
であれば、キュゥべえの小動物の姿も仮象で、本体は別にある、ということだってあり得ます。

ほむほむは、「ワルプルギスの夜」が来るのを待っている。
それを斃せたら、この町を去ってもいいと。
魔女の饗宴。日本でいえば百鬼夜行。ゲーテの詩劇『ファウスト』やムソルグスキーの標題音楽でも知られています。
ここでは、個体としての魔女を指しているようですね。しかも、かなり強力な魔女。

詢子ママとの深夜の対話が、示唆に富んでいました。
「間違えればいいのさ」
「その子のことを諦めるか、誤解されるか、どっちがマシだい?」
「大人は辛いから、酒飲んでもいいってことになってるんだよ」
そうなんだよ!男はつらいよ!女もか。
少女のビルドゥングスロマン(成長物語)としての側面も見えてきました。奥が深いぞマギカ。

上條くんは、さやかに黙って退院。
これで、自宅も引き払ってどこかに引っ越していたら、最悪なのですが。
訪れた旧家らしい門構えの中から、嫋々とヴァイオリンの音色が流れてくる。
それを確かめて、そっと立ち去ろうとするさやか。
不幸フラグが…。
('A`|||)

今回のキュゥべえのように、超越的な知を誇るものを、賢者とか知者とか隠者とか謂うのですが。
その透徹しすぎた「知」に不穏感さえ漂うキュゥべえは、やっぱり淫者かなwww

次回「本当の気持ちと向き合えますか?」

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