それでも町は廻っている第12話(最終話)感想
#12「それ町」
さいごまで、不思議空間に誘う演出を堅持した、遊び心に充ちた作品でした。
下町にはワンダーが充ちているんですねって私の住んでいるところも立派な下町なんだがww
「月間ミステリ画報」。
ミステリ雑誌で「画報」って…。
しかも、表紙は芥川龍之介って…。
まあ確かに、芥川作品には、ミステリ風味の『開化の殺人』とかあるけどね。
『ゼリー島殺人事件』wwどこの新本格派ですかwww
脚本さんのミステリ趣味が横溢ですね。マニアとしては、嬉しい限りです。
紺先輩の首切り殺人は、被害者を擬装するための大胆トリック。
何とも非現実的で形而上的なところが、チェスタトン『秘密の庭』やクイーン『エジプト十字架の謎』を彷彿させます。
「卓球部に入ってくれなかったから」って犯行動機もヒドイ。クリスティーの、トンデモ動機で有名な幾つかの作品を思い出しました。
いかん、ついついミステリを語ってしまった。マニアの悪いクセです。
トリは、歩鳥ちゃん頓死編。
バベルの塔?の階段を昇っていくと、そこは天国へのエントランス。
エジプトとか、ちゃんとゲートが区分されているんですね。
天国のシステムがおもしろかった!
いかにも市役所の官吏っぽいおっちゃんが、戸籍の受付みたいな感じで入国審査。不条理小説の始祖、カフカ『審判』を想起させます。
案内人のおじさんが、いい味出してました。さりげなく人生を語っているところとか。
天国プリクラで心霊写真など撮って、天国ライフを満喫する歩鳥ですが。
天国望遠鏡で、嘆き悲しむ下界のみんなを目の当たりにし、思わず涙します。
愛されてたんだ…。
嵐山父のお賽銭3400円には吹いたww
まあ、人間の体の物理的なお値段もそんなもの(脂肪とか炭素とか元素換算で)なので、相場かと。
チョイ役の看護婦さんが、雪野五月さんだとは…。嬉しい不意打ちです。
霊界から帰ってきた歩鳥は、霊力によりレイガンを使えるようになったのです。なわけないかww
紺先輩が見せた写真には、謎の手が。
「手オチ」ということで、それ町らしい締めくくりでした。
随所にシャフト演出を鏤めつつ、いつものトンがった感が、上手く中和されていました。
歩鳥やたっつんを初めとした、画面狭しと躍動する登場人物たちが、魅力的だったから。
素朴な味のある原作を、巧みに生かしたという印象です。
全12話、愉しく視聴できました!
お疲れさまでシャフト!
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