魔法使いの嫁第9話
アンジェリカ「チセ、それは依存じゃないのかい?」「あんまりいい子でいるんじゃないよ」
チセ「あたしは…ずるい。捨てられても構わないって考えながら、捨てられたくないと思う。あたしは自分勝手だ」
こういう自分の責め方をする人って、何だか自殺しちゃいそうで怖いんですよね…
チセに、エリアスからの精神的自立を促すアンジェリカさん。
エリアスとの関係性をどうするべきか、思い惑うチセ。
彼女の迷い方は、いわば「出口なし」状態。答えを見いだせずに袋小路に迷い込んでしまうタイプの苦悩です。
そこへ絡ませてきたのが、初老のジョエル・ガーランドさんと美しき吸血鬼(リャナン・シー)の恋のエピソードでした。
リャナン・シーはケルトの妖精。常に、人間の男性の愛を求めて彷徨っている。
彼女の愛を受け入れた男には詩の才能と美しい歌声が与えられるが、徐々に精気を吸い取られて早逝してしまうのだそうです。
男が彼女の魅力に応じない場合は、何とか振り向かせようとして奴婢のごとく従う、ともあるので、ガーランドさんの場合はこれなのかな?
でも、彼には彼女が視えていたのです。
ガーランド「昔、ここでとても美しいひとを見たんだよ」
リャナン・シー「さっき、また眼が合った気がしたわ」
ほんの一瞬だけど、彼には自分が視えた。存在を認めてくれた。だから一緒にいたい。
ヴァンパイアらしからぬ、純情すぎる恋です。
この恋人たちは、不思議な関係性を保ちながら、ずっと幸福に暮らすのでしょうね。死が二人を分つまで。
恐らくは長命のエリアスと、スレイベガの出自ゆえに短命の定めにあるチセは、どう生きるべきなのか。
二人の関係性について、新たな視点が見えてきた気がします。
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