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2017年12月27日 (水)

クジラの子らは砂上に歌う第12話(最終話)

「俺たちは泥クジラとともに生きる、泥クジラの子だ。
ここに生まれてよかった。みんなと一緒にいられてよかった」
旅は――続く

続編が在るのかどうか分りませんが、ともあれ、物語は終劇を迎えました。
これだけの構えの作品を一クールで収めるのは、やはり至難の業だったようです。

野心的なハイ・ファンタジーという触れ込みもあり、放映前から視聴者の期待度を大いに高めたクジ砂。
確かに、質の高いアニメ作品だったと思います。「食戟のソーマ」との掛け持ちだったことを考慮すると、J.C.STAFFの奮闘ぶりは称賛に値します。特に、柔らかいタッチの作画と背景美術とがすばらしかった。
ただ残念なのは、これだけの作画的膂力と豊かな道具立てが投入されたにもかかわらず、物語総体としては、フラットな印象が最後まで拭いきれなかったことです。
惜しいなあ…。
「魔法使いの嫁」もそうですが、質が高いだけに、隔靴掻痒感が募ってしまうのです。

例えば、最終話におけるマソオの死。
シルシの中では年長格の、とはいえまだまだ若々しかった彼が、枯れ木のように朽ち果てて死んでいく。
シルシたちにとっては、死が避け得ない運命である冷厳な事実を思い知らされたことで、戦死よりも遥かに衝撃的な光景だったに違いありません。
確かに、彼らの「哀悼」の念は伝わってきました。
伝わったのですが、単なる感傷的な悲哀に終わっています。
マソオの死という衝撃を活かすには、それをきちんと咀嚼し超克する過程が、すなわち「シルシたちが自らの生をどう生きるべきか」という緊要なテーマに繋げて、ドラマとしての熱量を高め、昂揚させていく「作劇の力学」が必要だったと思うのです。
ただ、現下の設定では、シルシたちは、自らの運命を変革するすべを持ちません。彼らを受け容れてくれる「約束の地」を探して彷徨うのみです。
この設定に工夫を加えない限り、視聴者の感情移入を呼び込むドラマトゥルギーの成立は難しいかもしれません。

物語をスタティック(静的)にしたもう一つの原因は、主人公で語り手のチャクロ。
「物語を記述する、語り部の主人公」という設定は確かに斬新でしたが、その利点を生かせないままに終わってしまった印象です。
このような大河物語においては、主人公をめぐるビルドゥングスロマン(成長物語)の要素が不可欠。チャクロには、それがなかった。
どう見ても、オウニやシュアンの方がキャラが立っていましたからね。
チャクロのサイミアは、誰かを護るためなら最高度の力を発揮する設定が示唆されているので、せめて、その辺りを強調すれば主人公らしくなったかもw

「あなたに、新しいコミュニティのリーダーになってほしい」
スオウからオウミへ渡された、泥クジラのリーダーの座。
やっぱり真の主人公はオウミか
思わず微笑してしまったのはナイショです。初手からそうすればよかったのにw

ともあれ、物語は終りを告げました。
チャクロやリコス、オウミたちの旅の続きを、いつかどこかで観てみたいと思います。
スタッフの皆さん、お疲れさま!

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2017年12月24日 (日)

ブレンド・S 第12話(最終話)

スキーと温泉と、スティーレの軌跡と。
消滅を危惧された美雨さんも無事に戻ってきたし、ハルヒじゃないけど「天野美雨の消滅」にならずに済んでよかったよかったw
美味しいところを抜粋したコース料理のような、最終回にふさわしい、悠揚迫らぬ大団円でした。

最終回に温泉。至福です。
みんなの美しきお胸を端的に表現すると。
夏帆ちゃんはつよい、美雨さんまけない、苺香ちゃんはやさしい、麻冬さんは…
ごめんなさい(笑)
店長さんの決死の告白が、苺香ちゃんの寝オチという鉄壁の防御技によりブロックされたのはお約束ということで。

夏帆ちゃんと秋月くん、オープニングの当時はコミュ力に乏しく、会話も成立しないコミュ障さんだったんですねえ。
そして、麻冬さんのスカウトは困難をきわめました。殆ど、幼女の拉致誘拐レベルです。思いっきり通報機鳴らされてますw

親しんだスティーレのメンバーとお別れするのは、一抹の寂しさがあります。
名もなきお客さんたちにすら、ついつい感情移入してしまいます。
「今年もいいドSで〆られてよかったな」
クリスマスだというのに野郎二人で来店し、苺香ちゃんのドSに癒されて、嬉しそうに帰っていく超常連客たち。
彼らの将来に幸あれと祈らずにいられません。いやホントにw

Cパート。駅のホームで偶然出逢った苺香ちゃんと店長さん。
これはもしや?と期待させたものの、いつもの日常のまま終わりました。
「また いつか どこかで」
ヘタレさんとドSさん、ウブな二人の将来に幸あれ。

スタッフの皆さん、お疲れさまでした!
飲食店スタッフが繰り広げる愉快な騒動、既視感ある設定でしたが、実に楽しく視聴できました。
ここだけの話ですが
WORKING!!よりおもしろかった…w

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魔法使いの嫁第12話

父や母との、やさしく穏やかな想い出。
母親に殺されかけた悪夢でなく、幸福だったころの夢が視られるようになったのは、闇落ちしていたチセの心が救われかけている証左。
そしてそれは、エリアスと過ごす日常が影響しているのは間違いありません。

稚いころから「怖いもの」が視えていたチセ。
そんな異能を母に疎まれて、殺されかけたのでしょうか。依然として分明ではありません。
視聴者に想像の余地を思いっきり残すのが、まほよめの作劇なのでしょう。

「おいしい」
エリアス、ルツ、シルキーと囲む穏やかな食卓の描写で、今回は終わりました。
でもCパートは、何やら不穏な雰囲気が漂っています。
「わたしは、今のあなたの傍にはいられない」

See you in JANUARY 2018.

まほよめは続くんですね
だから、悠久の時を刻むような緩やかさでも平気だったのか。
つまりは、生存戦略に勝ち残った者の余裕ということでw

老いたドラゴンのネヴィンが、チセに「救い」について語ります。
『自らを貶めることは、チセに救われた者たちを軽んじることだよ』
説得力があります。
あるのですが、ただやはり、大事なことが全て台詞で語られる処に「木に竹を接ぐ」的な齟齬が纏綿してしまう。
しかし、原作者のインタビュー記事を読んで、ようやく得心が行きました。

2014年の、ヤマザキコレさんへのインタビュー記事より引用(「ダ・ヴィンチニュース」)。
私は本当は、もっと救いのない、重い話が好きなんです。
ただ、救いがないと、読んでくださる方も描くこちらもしんどいですよね。

もちろん、救いのある話もない話もどちらも楽しいのですが、今は現実社会にあまり余裕がないように思われるので、せめて本の中だけでも、ある程度の救いが必要な気がして。
『確かに大変なことも多いけど、世界には美しいものもたくさんあるんだよ』というメッセージが、少しでも伝わるといいな、と思っています」

なるほど!
原作に込められた意図やメッセージが理解できました。
本来は、もっとダークなお話になるところに、「救い」の要素を点綴していたのか。
読者の心情に配慮し、バイアスチェンジが行われている。そう考えると、悲劇と救いとの狭間に横たわる微妙な齟齬も、しっくりきます。

同人誌から誕生した「魔法使いの嫁」で、たまたま通りかかった編集者に見出され雑誌連載が決定したのは、まったくの偶然。
創作同人誌即売会用にもっとダークな作品を予定していたが纏まらず、急遽、以前からあたためていた「魔法使いの嫁」を掲載。それが幸運を齎したというのです。
ヤマザキさんの他の作品は寡聞にして知らないのですが、このコメントを見る限り、おそらく重い作品なのでしょうね。

次回以降語られる、チセとエリアスの新たな救いの物語に期待します。

羽鳥智花(井上喜久子)
羽鳥一樹(川田紳司)

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2017年12月23日 (土)

少女終末旅行第12話(最終話)

チト「おまえはまだ小さいだけで、人間の敵かもしれない。
敵。敵ってなんだ…」

ユーが喰われた!敵はヌコが巨大化したような、あの神像似の生物だ!
前回の感想記事で不吉なことなんか書くんじゃなかった!
あの石像の正体は、やはり、ヌコの成体でした。ヌコは小さな幼体だったのです。
成体の名はエリンギ。まんまですなw
中の人は、島本須美さんですよ!

記録映像によって、ようやく判明した世界の破滅の真実。
最上層部以外を踏破したエリンギによれば、この世界には、もうチトとユーリの二人しか人間は存在しない。
カナザワとイシイは消滅してしまったのか…。

喰われたのはユーではなく、身に着けていた機械装置でした。
エリンギたちは、古代文明の高エネルギー体を摂食しながら移動を続けている。
全てのエネルギーを喰いつくしたとき、都市の生命も終り、世界は静かな終焉を迎える。
そして、彼ら生命体も、運命を共にして滅びる。
なるほど、「少女終末旅行」は、壮大な終末SFだったんですね。

かくて世の終わり来たりぬ
地軸くずれるとどろきもなく ただひそやかに

ノーベル賞詩人T・S・エリオットの「うつろな男」より。
終末SFの名作「渚にて」(1957年)で引用されています。「少女終末旅行」の世界観にもピッタリと感じたので、引用してみました。

「でも、世界が終るなんてどうでもいいことだろ。あたしとユーがいれば、それでいい」
チトが宣言し、二人は、あらためて最上層を目指します。それは恐らく、絶望へ向かう旅に他なりません。
でも、二人はまだまだ諦めていない。
ユーリが明るく言い放ちます。
いちばんてっぺんに行ったら、月に行こう!」
絶望の果てに視えてくる希望。いいなあ。こういうの大好きです。

抑制の効いた美しい映像と、拮抗するかのような美しい劇伴音楽。
静謐な感動が滲んでいく…。
「少女終末旅行」は、強烈に存在を主張するような「名作」ではないかもしれませんが、すぐれた特異点アニメとして語り継がれる。そんな気がします。
年の終わりにふさわしい作品でした。
スタッフの皆さん、お疲れさま!そしてありがとう!

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キノの旅第12話(最終話)

羊A 浅野真澄
羊B 小林ゆう
羊C 金田朋子
羊D 松田利冴

本気でやばいじゃないですかこれw
道理で不穏だと思ったんだよなあ、戦闘時の羊たちのウォークライ(雄叫び)が。
まさか、ますみんに画伯、かねともさんという恐るべきオールスターキャストだったとは…。
物言わぬ羊たちのキャスティングにさえも手を抜かない。全力をつくす。
キノの旅スタッフの本気を見た思いです。

羊たちの沈黙。
あの名作映画のタイトルを想起させる、怖いエピソードでした。

前回が、実質の最終回でしたね。
今回、最終話が羊たちの殺戮に終始するとは予想外でした。パニックホラーを観るつもりでドキドキを愉しむのが吉かと。
不気味に肉薄してくる羊をホロコースト。キノの本気の戦闘力を、あらためて知ることができました。
それにしても、ジンギスカンが喰いづらくなった。
あの羊たちのカオや声が浮かんできそうで…。

ラストは、野辺でのんびりハンモック。
ここで旅は終わり。目覚めたとき、たまたま選んだのが旅なら、それは新しい旅。
難しいことを考えると眠くなるってキノは云ってたけど、かなり哲学的に深い思弁です。
マラルメ「骰子一擲」や、サルトルやハイデガーの「自己投企」などを思わせます。

永遠の午睡?本当に永遠に眠ってしまった「吸血姫美夕」の最終話を想い出して、不吉な気分になったのですが。
キノは無事に目覚め、エルメスとともに、新たな旅を始めました。

永遠の旅人」キノの冒険譚と、ひとまずここでお別れです。
スタッフの皆さん、アニメ版あとがきを寄せてくれた原作者さん、お疲れさまでした。

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2017年12月21日 (木)

このはな綺譚第12話(最終話)

柚「椿さんに、あたたかな家ができますように」

女将(椿)「ああ、お帰り」

女将さんが屋根裏に秘めた巻物には、願い事が記されていました。
神の道に迷い込んだ柚を帰してくれたのは、神の眷属である椿さんの、つまり女将さんの願いの力だったのですね。
時空を超えて繋がり、成就される願い事。そんな奇跡のお話でした。

宇迦之御魂神は、いわゆるお稲荷さん。伏見稲荷大社の主祭神。
古事記や日本書紀にも登場する、由緒ある神さまです。
この女神さまが温泉を所望し、椿さんが手伝って、此花亭が誕生したのですね。
だとすると、此花亭開祖のきっかけは柚ちゃん?あれ?
ちょっとしたタイムパラドックステーマのSF気分を味わえるのも、このはな綺譚ならではの愉しみです。
そして、女神さまは桑島法子さん
法子さんファンの私には、まさに「大晦日の奇跡」でした。

狐は、稲荷の神さまの眷属として古来から務めてきたんですね。だから、神の道に迷い込んだ柚ちゃんも眷属だと間違えられたのか。
宿屋の下働きだろうが、まだまだ新米の役立たずだろうが、柚ちゃんの帰りたい処は此花亭しかありません。
だって其処は、心をかよわせた、一期一会の懐かしい人たちが居る場所なのだから。

縁起でもない話ですが、最近、たまさか考えるようになったことは。
『死んだら、どこへ行くのかな』
死後の世界が、芥川龍之介の短篇「六の宮の姫君」で、哀れな最期を迎えた姫が視たような怖ろしい世界だったらどうしよう。ただ冷たい風だけが吼えたける、真っ黒な闇だったらどうしよう…。

「人が死んだら何処へ帰るのか」
「生まれる前に」
古代ローマの哲学者セネカの箴言で、かろうじて気持ちを慰めていたのですが。

此花亭は、現世と来世を繋ぐ、かりそめの宿。
いつか、私も此花亭へ行くときが来るのでしょう。
そのとき、柚ちゃんが暖かく迎えてくれるのかな?
いらっしゃいませ、お客さま。此花亭へようこそ
そうしたら、少しは幸福な気持ちで来世への橋を渡ることができそうです。

「このはな綺譚」は、2017年の掉尾をかざる美しいアニメでした。
巷でささやかれた、「超重量級の萌えアニメ」とは、誠に云い得て妙です。こういう作品に出逢えるから、アニメ視聴はやめられないんですよね。
『ご視聴、ありがとうございました』
「こちらこそ!」
思わず、心の中で返してしまいましたよw

もうすぐ、リアル大晦日。新たな年を迎えます。
2018年も、また素敵なアニメに出逢えるといいなあ。

新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事
(新しい年の初め、初春の今日降る雪のように、良い事もたくさん積もれ)(『万葉集』より)

スタッフの皆さん、お疲れさまでした!良いお年を!

女将(椿)  緒方恵美
宇迦之御魂神 桑島法子

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2017年12月20日 (水)

食戟のソーマ餐ノ皿第12話(最終話)

「あのー、ご存じないかもしれないっすけど、才波城一郎、それ俺の親仁っすわ」
「君が、才波先輩の息子…」

あの薊が手放しで激賞する天才料理人、城一郎。その息子がソーマ!
ただの食堂屋の息子から、いきなりのトップサラブレッド認定だ!
さらに、薊が衝撃の告白を。
「ボクが遠月に施した大変革、それこそは、才波先輩をダメにした腐った料理界への救済に他ならないのだから」
城一郎の過去に何があったのか?薊との因縁は?
いやが上にも昂揚してきた食戟のソーマ。
さすがはJ.C.STAFFだ、盛り上げ方もハンパない!
続編が愉しみで仕方ありません!
この感想記事だらけだな!(笑)

司先輩との食戟は、ある意味想定内の結果でした。

ソーマの繰り出した料理は、彼らしい創意に充ちたサプライズフレンチ。
「名づけて、幸平流栗のソースだ!」
甘栗と珈琲。四宮に学んだ「カカオはフレンチに合う」を基礎に置いて、ジビエに合わせてみた。
立体的な組み立ての、ソーマらしい革新的フレンチ。
恒例の全裸開陳です。秘書子ちゃんは意外と立派、田所ちゃんは慎ましい。
司先輩の麗しい半裸まで玩味できたのは望外の歓びということでw
でもやっぱり、えりなお嬢さまのお姿が豊満で神々しくて、まさに女神そのものでしたね。

料理を出すのを失念しかけていた(笑)司先輩の料理は?
鹿のロースト。
風味の違う二種類のソースの調和。
ソース・ポワブラード(胡椒)。鹿のガラをベースにつくる、荒々しい風味のソース。
ソース・ポワブラード・ベリー。ベリー類を組み合わせて、味に深みを。
異なったソースの掛け算。まさに完璧王道のフレンチです。

ソーマ敗北の判定が下ったけれど、司先輩から取り下げました。
「無理にセントラルに引き入れることはやめようと思う。今回は勝負なしということにしようぜ」
「いや、俺の負けっす!」
ややこしい男ソーマの面目躍如!主人公はこうでなくっちゃね。

数日後。尺もない中で、極星寮勢と丼研のにくみが、セントラルの刺客たちを次々と撃破!
実質5分もかからなかったね。いくら吼えても、やっぱりザコはザコだったかw

さて、待望の公式予告が出ました。
ソーマ参の皿「遠月列車編」2018年4月より放送開始予定!
つづく…?
つづく?
つづく

オラ、ワクワクしてきたぞ!
ということで、来年春の続編を、鶴首して待ちたいと思います。
スタッフの皆さん、まずはお疲れさまでした。

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2017年12月19日 (火)

クジラの子らは砂上に歌う第11話

泥クジラすなわちファレナ・ヌースは、生命を喰らってサイミアを与えるのか!
等価交換の法則は、ハガレンのみならず、ここでも健在でした。

長老会が隠匿し続けたファレナの秘密とは、この恐るべき真実だったんですね。
感情を喰われるよりも残酷です。隠したい気持ちは分ります。それは納得なのですが、ファレナの民の「原罪」として流刑に処せられる程のものなのかは、いまいち納得いってませんw

「体内クジラ」の双子が、無印による支配体制に反旗を翻した!
いくら長命でもサイミアも使えない無印は足手まとい。力のある者が、泥クジラの行先を決める権利を持つ。
この双子、云ってることは正当なのに、アジ演説が下手なばかりに損をしてますな。
人心を掌握し、鼓舞するためには、もっとインパクトのある名言を繰り出す必要があります。
せめて、これ位は主張してほしかった。
シルシの、シルシによる、シルシのための政治!」
リンカーン大統領の、ゲティスバーグにおける有名な演説のパクリですけどねw

オウニは、サイミアを酷使し過ぎて枯渇してしまったのか?
シルシの子らは、命と引き換えに、生まれつきサイミア能力を与えられるわけですよね。
ファレナ・ヌースが、どういう基準でシルシの子を撰ぶのか全く不明なのはさて擱いても。
いったん附与されたサイミアにも能力差がある。何故?生命の長さの違い?
枯渇する原因とは?サイミア能力は、そのつど生命を消費しつつ発動されるということなのか?
この辺りの説明が不足しているので、何だかもやもやしてしまいます。

さて、コカロという舵を得ても泥クジラの航路が定まらないのと同じに。
「クジ砂」という作品は、これから何処へ行くのでしょうか。着地点が、未だ視えません。
ジャンプ漫画で頻回に使われる「俺たちの戦いはこれからだ!」になるのかな?いわゆる「蜜柑」エンドってヤツです。
次回予告のサブタイが、何となく暗示的…。

最終節「ここに生まれてよかった」

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2017年12月17日 (日)

ブレンド・S 第11話

「苺香さんから自然にプレゼントをもらうとは。
やはりこの犬…つよいです!」

オーナー(犬)つよい
つか、犬とガチで張り合おうとしてる店長(人間)って一体w
やはり、スティーレの生態系ピラミッドにおいては、店長が最底部なんですね。

さて、前回の壁ドンネタを引っ張って、店長が苺香ちゃんへ壁ドンを試みますが。
壁ドンからのハルマゲドンとかプテラノドンとか絶滅しちゃったグリプトドンとかw
あんたこそ絶滅しちゃえ!って、ひでりちゃんに怒鳴られそうなヘタレ店長さんでした。
決死の壁ドンに失敗して、またも真っ白に燃えつきた店長さん。魂さえも何処かへ飛んでいってしまった模様です。
さらに、止めをさされて崩れゆく石膏像化。
「再起不能ですね」
店長、バッドに壊れたままでエンド?そんな?

Cパート。
責任を感じた苺香ちゃんが、まさかの壁ドン返し!
「さっきはヒドイこと云ってすみませんでした」
苺香ちゃんが凛々しい!漢(おとこ)気がすごい
「い、いいえ…」
ディーノ店長の女子力最強ということでw
このオチは、映像インパクトもたっぷりで面白かったっす。

ここ数話、苺香ちゃんのドS成分少なめで寂しい思いをしていたのですが、今回はドSの片鱗を見せてくれました。
オーナーも眼つき悪かったんですね。
公園で知り合った可愛いメスのコリー犬とお近づきになりたくて、苺香ちゃんと一緒に一世一代のスマイルを披露したのですが。
あまりにも不気味な「にっ」の威力に、彼女犬ちゃんは逃げてしまいましたとさw
今更ですが、オーナーって秋月くんが演じてたんですね。
そしてメス犬は、ディーノ店長が中の人でしたw

夏帆ちゃんもひでりちゃんも頑張ってはいるけれど。
やっぱり苺香ちゃんのドSが炸裂しないと、ブレンドSの輝きは褪せてしまいます。
次回はどうなるかなあ。

次回(最終回)「大好きですっ!」
予告タイトルで完全ネタバレするなんて、まるで韓流ドラマみたいです!(笑)

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魔法使いの嫁第11話

「僕は人を食べたことがあるのかもしれない」
なかなかに衝撃的なエリアスの告白なのですが、「まほよめ」空間においては、衝撃さえもすぐに「浄化」されてしまいます。

「わしは喰わないでくれよ?」「膝の上の猫が人喰いだと知ったら、ちょっとは驚くじゃろ?」
リンデルさんが思いっきりスルーしてくれたお蔭で、すべて世は事もなしって気分が充溢しちゃうんですよね。
この軽みが、まほよめの長所でもあり、短所でもある。狙いは理解できるのですが、作劇効果として物足りなさを感じさせるのは、やはり勿体ないと思ってしまうのです。
リンデルによるヒーリングたっぷりの歌も含めて、今回は特に、悠久の時を刻むような、ゆったりした「緩さ」を感じました。

チセだけでなくエリアスも、存在自体の不安を抱えて生きてきたことが、前回と今回で判明。
だからこそ、「あなたに云えなかったこと、話します」とチセが云ったのでしょう。
この作品のメインテーマは「浄化による愛の成就」でしょうから、心理の「」を強調しつつ浄化を描くのは、作劇として正しい手法です。
問題なのは、チセもエリアスも、その出自から、もっと葛藤や屈折があって然るべきなのに、言動が妙にウブで稚いこと。リンデルが「子供が二人」って呟くのも、よく分ります。
つまり、テーマやエピソードの重さと、二人の心理とが噛み合わない。拮抗が生じない。だから、「闇と浄化」というテーマがぼやけてしまうのです。

「君がいないと、何だか家が寒いよ」
申し訳ないが、その台詞自体が寒いっすよエリアスw頑張ってるのは分るけどw
ここでチセがすかさず、
「はわわわ。恥ずかしいセリフ禁止!」とでも返してくれれば、ARIAっぽくてまだ観られるのですが、チセがすっごくまともに受け止めているので、視聴しているこちらが恥ずかしくなってしまうのですね。

いろいろ書きましたが、何だかんだいっても視聴してるんだから、結局は好みの作品なのでしょう。
魔法使いファンタジーで、ケルト系の妖精たちがてんこ盛りで登場する。確かに、好みの要素が満載のアニメです。

まほよめで私がいちばん好きなお話は、第9話、リャナン・シーのエピソードです。あれはステキでした。
「昔、ここでとても美しいひとを見たんだ」
「さっき、また眼が合った気がしたんだよ」
ささやかな台詞と、二人がそっと寄り添う映像描写だけで、永遠の恋を成立させてしまう。映像表現としての純度が高くて、説得力に充ちています。
お見事です。これこそが、アニメ作品ならではの醍醐味だと思うのです。
これが出来るんだから、って、ついつい要求が高くなってしまうのですよね。

ドラゴンの郷でリンデンバウムの魔法の杖を完成させたチセは、ある決意をしたようです。

次回予告。
リンデンバウムの杖が、彼女の方向を示す。
彷徨の果てに、少女が選んだのは。
「お願い、あの人のところへつないで」

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2017年12月16日 (土)

少女終末旅行第11話

War and Human Civilization
「これは読めないな。旧い、遠い場所の文字だ」

ちーちゃんが発見した書物のタイトル「戦争と文明」をマクラ代りに、この世界の秘密が、機械兵器により滅ぼされた機械文明の終焉が暗示されました。

「すげえ。二十ミリ飲んだ」
ぬこの正体も気になります。食糧は弾薬や砲弾やガソリン。その似姿は神の像を思わせる。
ユーに懐いているぬこですが、その正体は神か魔か
「白くて、もちもちしてて、おいしそう♪」
呑気にヨダレ垂らしてるユーちゃんですが、下手すると、成長したぬこに食べられちゃうかもねw

ユーが何気に「ぽちっとな」したスイッチが、搭載した兵器を作動させた!
LANCHでミサイルが発射され、次にはビーム兵器が発動。
巨神兵なみの超弩級ビームが、廃墟の街を一気に薙ぎ払いました。そのまま、轟々と炎上し続けます。あたかも、旧約聖書において神の劫火に滅ぼされたソドムの街のように。
あまりの光景に、ユーは笑い出してしまいます。一種のパニック反応ですね。この辺り、描写がリアルです。

1945年7月、米国ニューメキシコ州における史上初の核実験、オッペンハイマー博士による原爆実験のエピソードを想起しました。
実験が成功し、猛烈な閃光と爆風、そして巨大なキノコ雲が立ち昇る。
そのとき、科学者たちの顔に浮かんでいたのは。
想像を遥かに超えた原爆の威力への畏怖。
そして、神のごとき巨大な力をまのあたりにした人間が見せる、恍惚とした表情だったといいます。

さて、ラジオから流れる音楽に導かれるようにして二人が訪れたのは、停泊した潜水艦。
内部で彼女たちが見出したものは、はたして何だったのか。
「ちーちゃん、音がするよ」
「ずっと動いてる。昔のまま?」
不穏な予感しかしませんね…。

余談ですが、アメリカ大統領が、「核のフットボール」と呼ばれるアタッシュケースを常時携帯していることは夙に知られています。
司令部を離れていても、核ミサイルの発射指令を、いつでも何処でも行うためのものです。
世界情勢がキナ臭い昨今、現在の大統領さんが、ユーちゃんみたいに「ぽちっとな」しないことを祈るばかりです。
ユーちゃんと同じくらい軽率な感じがするので(笑)。

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キノの旅第11話

なるほど!キノはこうして「誕生」したんですね!

「紅い海の真ん中でa・b」
「大人の国」

紅い花で溢れた野に、伸び伸びと横になっているキノとエルメス。
aは現在、bは過去。画面を埋めつくす真紅が、時を超えて照応し響き合う構成が象徴的でした。

この物語には先代のキノがいて、大人の国で殺害されたのか。
それも、少女(キノ)を大人の暴力から護ろうとして、刺されて死んだ。
そんな因縁があったとは…。

少女と先代キノとの出逢いは、偶然でした。
宿屋の娘である少女は、旅の若者に興味津々です。
『仕事は何をしてるの?』
少女の素朴な問いかけに、若者は、旅をしてるよと答えます。旅をしてると楽しいことの方が多いから、とも。
少女は云います。
「仕事はイヤなもの。楽しいのなら、それは仕事じゃない」
大人たちの受け売りでしょうが、怜悧な口の利きようは、後年のキノを髣髴させます。
ナマイキともいうけれどw
手術を受ける前からこれほど洗脳されていたら、危ないところでしたね。

この国では、子供はすべて12歳になると、イヤな仕事に適応できるよう、脳手術を施す決まり。
ロボトミー手術ってヤツか。いくら国の事情とはいえ、とんでもない話です。
長居は無用と、早々に退去を決めた先代だったのですが。
「門を出るまで安全を保障します。ここは大人の国ですから」
しかし、先代キノが振り向くと、父親が包丁を構えていた!
「そこの娘を処分するためですよ。子供は大人の所有物です。失敗作を処分する当然の権利があります」
大人の国って、ヤバ過ぎる大人の国でもあったのです。

先代キノは優しかった。そして弱かった。
少女を庇おうとして身を挺し、凶刃に斃れて、敢えない最期を遂げる。
そんな不条理きわまる惨劇を、眼の前で視てしまった少女キノ。

強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない
レイモンド・チャンドラーの名作「ロング・グッドバイ」における、探偵フィリップ・マーロウの至言を、ゆくりなくも想起しました。
少女の心には、若者の優しさとともに、「強くなければ生きていけない」現実の過酷さが、深く刻まれたはず。
だからこそ、外へ飛び出した彼女は、師匠に附いて射撃などの技術を学び、自分を護るすべを身に着けたのでしょう。

「これから、どうするの」
「いつかと同じさ。何処かへ行こう」
「そうだね」
先代の自由な精神を受け継ぎ、しかも生きる強さも身に着けた、いわば進化形の「旅人キノ」が、ここに誕生したのです。

ラスト、紅い曠野に流れるキノの歌が、レクイエムのように聴こえました。
恩人である旅人への、そして、弱い少女だった自分への鎮魂歌として。

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2017年12月14日 (木)

このはな綺譚第11話

神様の休日は、夜を徹しての酒池肉林。いや、肉林は少なめだったかな。
おねえ神に舐められる棗も、ちょっと見たかったかも(笑)。

今回も、脇を固める声優さんが豪華でした。
戦の神は、大塚昭夫さん。重鎮っぽい使われ方だから、まだ問題はないのですが。
芸能の神Aは置鮎龍太郎さん。芸能の神Bは草尾毅さん。
おねえな演技が大爆発です。悪ノリに近いほどの熱演です。
何という置鮎さんと草尾さんの無駄遣い!
思わず慨嘆してしまったのは私だけではあるまいw
でも、お二人とも楽しそうに演じているのが印象的でした。

「このはな」を視聴し終わったあと、いつも心に残る「何か」。
それは、物語としての、骨太のメッセージです。

昔はいくさが多くて、祭りも多くて、活気があった。
弁天さまにも紛う美女に化生した女将が、往時を懐かしみます。
とはいえ、ハロウィンみたいな仮装行列だって悪くはないし、戦争など起こらないに越したことはない。
戦神が無聊をかこつ太平楽な世の中も、決して捨てたもんじゃない。
だけど、もっと日本古来の、固有のものを、みつめ直すべきなんじゃないか。大事にしてもいいんじゃないか。
Aパート「神様の休日」のエピソードには、原作者のそんな深い想いが込められている気がします。

同じことが、Bパートの、お菊ちゃんとリリィのエピソードにも云えます。

ラスト、持ち主の女の子に見出され、幸福そうに微笑むリリィちゃん。
「よかったね、リリィちゃん」と、すなおに落涙することもできるでしょう。
でも、そんな感傷だけでは終らない「何か」が、このエピソードにはあるのです。

菊「これからは、思う存分人間を呪っていいのよ」
リリィ「あなた、人間が憎いの?」
菊「あんな量産型の人形に乗り換えやがって!」
分ります!ガンダムがグフに乗り換えられたほどの口惜しさなんですよね!(違

それは冗談ですが、お菊ちゃんの狂態を笑いながらも、何処か落ち着かない気分にさせられるのは。
彼女の呪詛が、実は、われわれ自身の呪詛に他ならないからです。
お菊ちゃんは「わたしはお菊じゃない!」と繰り返し訴えて、誰にも聞き入れてもらえません。
思わず笑ってしまうのですが、考えてみれば、われわれの名前だって親が勝手につけたもの。自分で選んだものじゃありません。
なのに、一生付き合わなければならない。不条理といえば、これほどの不条理はないでしょう。
だから、お菊ちゃんを笑えないのです。

『人形は、人間に愛されなくなったら、それが寿命』
捨てられたリリィは、静かに呟きます。彼女の諦観が、われわれの心を打ちます。何故でしょうか。
人間だって同じだからです。
人が一所懸命生きようと努めるのは、畢竟、この世界に居場所が欲しいから。つまり、「世界に愛されたい」からに他なりません。
しかし、人間も結局は、リリィと同じ運命を辿ります。
だから、心が壊れてしまう。
世界なんかに最初から期待しなければ、心が壊れる辛さを味わわずに済みます。
でもそれは、とても寂しい人生になるでしょうね。

リリィちゃんが、あの子に愛された想い出だけを抱いて、ひっそり街の片隅で消えていくラストだって、作者は選べたはず。
でも、リリィちゃんにもお菊ちゃんにも、暖かな救いが齎されました。
これだけの伏線を張っての上だからこそ、感傷に堕すことのない感動が現前するのですね。
「このはな」という作品の、腕の冴えを感じる瞬間でした。

 

次回「大晦日の奇跡」

戦の神(大塚昭夫)
芸能の神A(置鮎龍太郎)
芸能の神B(草尾毅)
リリィ(前田玲奈)
少女(白城なお)
彼氏(中村太亮)

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2017年12月13日 (水)

食戟のソーマ餐ノ皿第11話

「まったく、料理人って人種は、どいつもこいつも自分勝手で困るぜ」

おまえがいうなw

ソーマにだけは云われたくない台詞!
彼に自覚はあるのか?ブーメランとはこのことだ!(笑)

いくら尺が足りないとはいえ、遠月十傑の1席と、いきなりの食戟一騎打ち。
しかも審査員すらいません。見守るのは、こっそり立ち聞きしているえりなと秘書子と田所ちゃんのみ。
これで成立するんだから、熱血少年漫画っていいよね!(ほめてますw

テーマは鹿肉。しかもフレンチで。
相手の土俵で勝負し、勝ちを獲りに行くのも、少年漫画の王道です。いいと思います。
鹿肉って、ジビエですよね?フレンチでも特殊な分野です。四宮センパイから学んだ技術が何処まで通用するのか、全くの未知数。
ともあれ、乾坤一擲の賭けは為されました。

セントラルの目標は、町の大衆料理店を潰すこと。淘汰は、日本の美食を前へ進めるのに必要な工程なのだ、と。
そして、司瑛士も云います。仕方ないことだね。
ソーマの闘志に火がついた!
「俺はセントラルには入りません。この勝負、勝たせてもらいます」
勝たせてもらいます!いい響きだなあ。
高倉の健さんの「死んでもらいます」とタメ張りますよ。ソーマの決め台詞ですね。
次回の熱い戦いが娯しみです。

最後に、えろい感想を。
Bパート冒頭、えりなと秘書子のお着替えシーンがありましたよね。
下方からあおる二人の股間に、思わず注目しました。つまり、その形状の違いに。
秘書子ちゃんは、いわゆるドテ高。布の上からでも、ふっくら感がうかがえます。
えりな様は、下付き。深窓の令嬢にふさわしく、控えめな感じです。
みんな違ってみんないいの世界なのですが、殿方からはどちらが好まれるかというと…。
あとはググってみてくださいねw

そこの貴方!助平とか下ネタ大王とか云うなかれ。
作画スタッフがちゃんと描き分けているのですから、きちんと観察し、玩味せねばなりません。それが真の作画通(さくがつう)というものですw

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2017年12月11日 (月)

クジラの子らは砂上に歌う第10話

リョダリ生きてたし!

こんな神展開が許されるのは、主人公補正がかかった時だけのはず!
リョダリって主人公だったの?そうなの?いつどこで誰が決めたの?
彼の哀れな最期を前提として、深い感動を籠めて書き綴った私の第8話記事は、いったい何だったんだ。
返せ、返せよ、私の感動を返せーーー!(笑)

いろいろ驚かされたので、感想記事も錯乱気味になります。ご寛恕ください。

そのリョダリさん、とっくに死者扱いです。戦士名簿から抹消済みです。ファレナに行きたければ、オルカの私物である道化になるしかありません。
道化服をすっごく嫌がってたけど、リョダリくんって挙動不審の狂気さんだし、破天荒道化としていけるかも。
ともあれこんごのかつやくがすっごくたのしみです(棒
それは冗談。リョダリには、世界観とかいろいろ引っ掻き回してほしいです。

Aパートは、死者たちの弔いとか沈痛な雰囲気が漂っていたのですが。
Bパートは、一気にはっちゃけました。
白眉は、スオウの裸族です。
やんごとなきロハリト様が泥クジラに迷い込みました。
帝国以外の貴顕を味方につければ、生存戦略できるかも。そう考えたスオウが、文字通り体を張ったおもてなしを披露です。美形の裸族ですからね、最強です。
「ようこそ、泥クジラへ」
なよっとした横坐りが何ともそそりますな。腐な方々が大歓喜しそうw
Aパートで、スオウが眦(まなじり)決して宣言していた「戦いのない世界」ってコレだったのか。
確かに、無抵抗主義をアピールするにはハダカは最適かもしれませんね。

そしてコカロは生き物!キーアイテムじゃなかったのか。
コカロは泥クジラの舵となるべき存在。本格的に始動を開始しました。
「後はみんなで舵取りをしなさい。いのちは戦いなの。生きて奪って、自分を燃やすのよ!」
エマちゃん好戦的な謎発言です。ファレナの民に、何をさせようというのか。
海賊王なら笑っちゃいますけどねw

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2017年12月10日 (日)

ブレンド・S 第10話

「こんな悲しい壁ドン初めて見ました」

愛があれば身長差なんて…
解消できませんでしたとさw
そして夏帆ちゃんのおかあさん初登場!
ちょっと世帯やつれしてるけど、お胸は立派!中の人は、のとまみさんです。

「教えてあ・げ・る」って、数学の勉強のことだったのか。
なあんだ、ボクはてっきりアレのことかと…(笑)
追試確定で落ち込んでいる夏帆ちゃんの、家庭教師を買って出た麻冬さん。
ところが、夏帆ちゃんのタブレットはゲームアプリだらけ。ちょっとは勉強にも使いなさいよ!麻冬ねえさんのお怒りMAXです。
「相当なスパルタが必要」
判決が下されました。夏帆ちゃんにとっては、ほぼ死刑宣告ですねw

麻冬さんの将来展望が、初めて語られました。
「小学校の先生か保育士めざしてるから」
思わず空想の翼が拡がります。園児と遊ぶ麻冬さんの姿が眼に見えるようです。
「いっしょにあそぼー♪」
おかあさん園児と一緒。というか園児そのものということでw
思わず笑いが込み上げる夏帆ちゃんでした。
『くくく…』
「いま失礼なこと考えてるわね」
図星ですな。

妹キャラなのに、結構デキる女子大生の麻冬さん。メイクの腕もバッチリです。
そして、腕が鳴るような素材の秋月くん登場。飛んで火に入る夏の虫ってところかな。
なるほど。これが本当の「教えてあ・げ・る」だったんですね。
「メイクって、なんだっけ…」
もはや特殊メイク。ハリウッドもびっくりなSFX状態に。
秋月くん、まるで男の娘です。いけないルージュマジックにより、禁断の世界に突入です。
こんな逸材がいたら、スティーレでの神崎ひでりちゃんの立場がありませんな。

Cパート。夏帆ちゃんは、ブラックコーヒーを嗜むようになっていました。
「大人のおねえさんの味♪」
よおし夏帆ちゃん!このボクが、さらに大人の階段を昇らせてあげるぜ
って三流エロ劇画みたいなことを云ってたら捕まりますよそのうちw

苺香ちゃんのドSネタは、今回も封印です。ちょっと寂しいかも。

次回「ツンデレは上手 壁ドンは下手」

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魔法使いの嫁第10話

失われた自我を求めて

魔法使いエリアスの「誕生」が描かれました。最初から魔法使いというわけではなかったんですね。
限りなく精霊や妖精寄りだけど、人間も入っている。そんな奇妙なハイブリッド生命体が彼だったのです。
気がついたら、森を歩いていた。それ以前の記憶はただ一つ「」。

「夜が二つ脚で歩くような」。リンデルは、初対面のエリアスの印象をそう語りました。
夜の闇のように漆黒で、影のように不確かな存在。
魔法使いとして自我を得たのちも、自分は何者なのかという根源的な不安は消えない。
ゆえに、エリアスは人間であるチセを傍に置き、保護者を以て任じることにより、失われた自我を確立しようと無意識に欲したのかもしれません。
チセは未完成な人格かもしれませんが、エリアスも決して完璧な存在ではなかった。
二人の関係性は、決して一方的なものでないという可能性が示唆された瞬間でした。

リンデルの師はラハブ。旧約聖書由来の名です。
でも、聖書においてラハブは娼婦の名なので、このラハブ姐さんとは直接の関係はなさそうです。
師ということは、数百年を遥かに超える無窮の時を生きたリンデルよりも、さらに長命ということに。

チセは、魔法使いが長命であることをやっぱり知らなかったのですね。
「リンデルさんは、いつから生きているんですか。ほかの魔法使いも、みんな長生きなんですか」
「あの馬鹿骨め!何も説明しとらんではないか!これでは…」
エリアスは、チセよりずっと長命。一緒に暮らせる時はきわめて短い。その事実を告げるのが怖かったのでしょうか。

エリアスにとっても、チセはやっと見つけた安息の地。だから失いたくない。
「神々や精霊は、君をいつも見ていてくれる。だから安心して自分自身を救いなさい」
ラハブの言葉は、生まれたてのエリアスの柔らかい心に沁みたはず。
その救いをチセにも齎したい。そうすれば、彼女も自分も、ともに救われるはず。
エリアスは、そう願っているのかもしれません。

魔術師レンフレッドは、相変わらず心配しています。
「このままおまえと暮らすだけにさせていたら、彼女はダメになるぞ」
他人なのに、まるで小姑みたいですなw
ともあれ、チセが彼女自身を救うための自立への道が、徐々に見えてきました。

「私も、あなたに云えてなかったことを話します」
次回、ついにチセの過去が明確になるのかな?

ラハブ(三石琴乃)

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2017年12月 9日 (土)

少女終末旅行第10話

死人に武器なし

ユーちゃんの名言いただきました!
なるほど、そう考えればいいんですね。
ロマサガ1のプレイ時、「ねんがんのアイスソードを手に入れたぞ」な人を殺害してアイテムを奪うとき、いつも罪悪感に苛まれていたのですが、これでスッキリしました。ユーちゃんは救いの女神さまです。
そうか、死人に武器なしなのか…。

閑話休題。
Bパートで、世界が滅んだきっかけらしい戦争についての言及がありました。
「ここもずいぶん武器が落ちてるけど、ひどい戦いがあったのかな」
第1回の記事で、本作と東欧の紛争との関連可能性について述べました。
それは的を射ていないにしても、ちらつく「戦争の影」が気になります。
つまり、この世界に、二人にとっての「」が存在するのかどうかなのですが、その辺りは今のところ、故意にぼかされている印象です。

今回は、電車や時計など動く物体から力学的考察が、そのあと入手したラジオから電波や音波に関する物理的哲学的考察が、延々と披瀝されました。
考察といっても、二人の少女の素朴きわまる解釈を通じて理解しやすく咀嚼されているので、違和感はないのですが、あらためて「これって理科系アニメ作品なんだな」と認識させられます。

基本、無機的な世界観の本作ですが、ときおり挿入される抒情がまたいいんですよね。
特筆すべきは、チトとユーリが、沈みゆく夕陽を眺める場面でした。
「夕陽だね」
「何となく悲しい色に思えるのは、この音楽のせいか」
「きっと、夕陽の赤も哀しいリズムなんだよ」
「光のリズムか…」
歌や夕陽が、なぜ人に感動を与えるのか。普段は考えもしないことです。眼からウロコって奴ですね。
ともあれ、そっと涙を流す二人の姿に、じいんとさせられました。巧いと思います。

このまま、哲学と抒情とで静謐に了るのかと思ったら。
変な生き物あらわれた!
吾輩はぬこである。名前はまだない。
って云いたいところですが、そのまま「ぬこ」と命名されました。
自律機械の次は、奇妙な生命体の登場です。しかも、旅の道連れということで。

彼(彼女?)の今後の活躍(するのか?)に、期待したいと思いますw

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キノの旅第10話

評判が悪い国を訪れたキノは、思いがけない歓待を受けました。
クールなキノをして「もっと滞在したい」と云わしめるほどの心地よさでした。
しかし、その優しさには秘密があったのです。
「優しい国」とは、火砕流による滅びが定められた国だった。それが真相でした。

さくらちゃんの健気さに落涙しそうになりつつも、視聴後、私の心に去来したのは、複雑な感慨でした。
この「優しさ」って、実は何なのだろう?

数日後の滅亡が確実なのに、逃げようとはしない。むしろ、愛する国の悪評を払拭したい。
だから、偶然に訪れた旅人のキノを歓待した。優しい国だったという記憶を外に伝えていってほしいから。
いわば、形を変えた愛国心です。

しかし、裏を返せば、滅ぶというきっかけがなければ、この国の人たちは悪評の上に胡坐をかき続けたことになります。
喩えていえば、ずっと悪人だった人間が死を間近にして、人に悪く思われたまま死にたくないと急に思い立ち、改心してせっせと善行に励む。
そんな身勝手さが、何処かに纏わりついているのです。
善行には変わりないのだから、って割り切る方途もあるでしょう。
でも、釈然としないんですよね…。

釈然としないのは、キノも同じだったようです。
さくらちゃんの手紙で、すべての真実が氷解した場面の描写に、それが表れています。

「私が持っていても仕方ありません。あなたのです。お気をつけて。わたしたちのことを忘れないで。さくら」

手紙によって、さくらちゃんもまた「運命を知り、受け入れていた」ことに気づいたキノが、彼女の真心に心揺さぶられながらも、思わず吐露した台詞。
「さくらちゃんをむりやりにでもお預けされなくて助かった。ホッとしている」
「だろうね」
「エゴだよ。これはエゴだ」
エゴ。厳しい言葉です。
初見時は、キノ自身に向けたものかと速断したのですが。
この言葉はむしろ、さくらちゃんをも含めた「優しい国」の人々へ向けた鋭い批判の矢ではなかったでしょうか?
だからこそ、以下の台詞が続くのだと思うのです。
「いい国だったね」
「ああ。文句の云いようもないさ」
文句の云いようもない。キノの台詞には、ある種の苦さが滲んでいます。

感動を提供しながらも、視聴後に奇妙な「割り切れなさ」を遺す。
やはり「キノの旅」は、端倪すべからざる作品です。

今回のエピソードは、さくらちゃん役の子とか、銃砲店の親爺の正体とか、2003年版キノに繋がる由来がいろいろあるみたいですね。

さくら(天野心愛) あまのここあと読むようです。リアル13歳の、可愛らしい女優さんです。

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2017年12月 7日 (木)

このはな綺譚第10話

皐「気づけば人の輪の中心にいる。まったく、いやなひとだよ」
柊「母上は、頭がよくて問題も起こさない皐を此花亭に勧めたんだ」

天才と努力家、最後に勝つのはどっち?
古今東西を通じた、永遠の命題です。名作映画「アマデウス」でモーツァルトとサリエリが戦わせた精神的闘争も、印象に新しいところです。
今回「このはな」が見せてくれたのは、この命題への究極の答え「どっちも勝てる」でした。まさに、コペルニクス的発想の転回といえます。

妹の皐は天才肌の柊を羨み、姉の柊は此花亭の仲居を器用にこなす皐を羨んでいたのですね。
二人とも、相手を尊敬し合っている。しかも、お互い気づいていない。
奇妙で幸福な姉妹関係。柊は妹を巫女に推挙する気満々らしいので、皐ちゃんが巫女になる日も、そう遠くはなさそうです。
序にいえば、柊ねえさまが今でも九九を云えないのも、つまりは天才のあかしということでw

今回の収穫は、巫女のあやめさんでした!
清楚感ただよう正統派眼鏡美少女。そのうえ、実に佳い体をしておられますw
「背中流していただける?」
お流しいたしますともあやめさま!何なら綺麗なおなかも洗ってさしあげ
「こらSIGERU、わらわのおなかを流したいと申したのは戯れだったのかえ?女神の怒りは怖ろしいぞよ」
これは沫那美(アワナミ)さま!ご無礼つかまつりました!
不肖SIGERU、女神さまの尊き仕置き、謹んで頂戴いたしまする!(ギャグ使い回しw

遡ってAパート。
薬で縮んでしまった皐と、柚ちゃんにまつわる百合百合テイストなコントも自体も味がよかったのですが。
山を越えてきた旅人さんに関する柚ちゃんの名推理に、ミステリ者としてのマニア心が擽られました。
「杖をお持ちでしたし、それに、足元が汚れていました」
ここで、「あの土は、地質分析的に山の土なのだよワトソン君」とでも喝破してくれれば、柚はシャーロック・ホームズの域にも達したのに!残念!(笑)

次回「神様の休日」

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2017年12月 6日 (水)

食戟のソーマ餐ノ皿第10話

鮭の直撃をさけられないーーー!!(笑)
田所ちゃんを全裸に剥いた波動砲がとってもエッチでしたw

ただのオラオラなカマセかと思われた楠連太郎ですが、見ごたえのある鮭勝負でした。
チャラ男くんは、火入れの名人だったんですね。
連太郎の低温調理VS黒木場の包み込み技。華麗な対決が魅せてくれました。

サラマンダーとか最新の調理機器を駆使して、旨味としっとり感を逃さない連太郎の鮭料理。
しかし、決め手は人間の生理的感覚にありました。
人間の舌は、不均一なうまみに、よりコクや風味を感じるようにできている!
そのために、黒木場は特製のシーズニングをわざと散らしてみせたのですね。
ラーメンのスープに浮かべた胡麻油や、珈琲のミルクを混ぜないで飲むのを好む人が多い。
卵かけご飯も、醤油をざっくり混ぜる程度が美味い。
なるほど納得!
まあ私は混ぜまくってぐちゃぐちゃにした卵かけご飯も好きですがw
カレーでも、あらかじめ混ぜて供される自由軒のライスカレーとかありますよね。
大阪人に云わせると「自由軒のライスカレーはご飯にあんじょうまむしてあるよって、うまい」んだそうです。
織田作之助「夫婦善哉」からの引用です。

先鋒格の黒木場が、まずはセントラルの牙城の一角を崩すのに成功!
次回のサブタイ「食卓の白騎士」からすると、いよいよ十傑の1席が食戟に登場か?
対するのは誰?

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2017年12月 4日 (月)

クジラの子らは砂上に歌う第9話

「かかってこいよ!おれとオウニが一緒なら、いつだって最強なんだよ!」
ニビ死す
何という死亡フラグ回収職人!匠の技に思わず涙です!

そしてオウニ覚醒!
直接には作用できないはずのサイミアが、兵士たちを破壊していきます。
ヌース・スキロスことオリヴィニスが感応して、謎の触手ベクタ(仮)が暴走。
精神世界で、オウニは彼岸に渡っていくニビを幻視。後を追おうとするオウニに、ニビは静かに語りかけます。
「見せてくれ、砂塵を払って、この世界の先を」

「この世界の先」という言葉は、チャクロに対しても投げかけられました。恰も、この物語の通奏低音のように。

「チャクロ、痛い?」
サミちゃんの幻影が再登場!
痛いでしょう?心が痛いでしょう?ってアレか?
心の記憶の改竄とか共有とか、まるでエヴァンゲリオンじゃないですかw
「世界の中心でアイを叫んだけもの」そのものの観念世界ですよ。オリヴィニスがカヲルくんに視えてきました。

「君たちの哀しい物語は、ヌースの力で書き換えてあげよう。ファレナの民たち、ボクは君たちを救済したいんだよ」
しかし、物語の改竄を、チャクロは峻拒します。死んでいった人たちの記憶の行き場を失くしたくない、消したくないと。
オリヴィニスは、アンソロポスのコカロを与えました。アンソロポス(ギリシア語で『人間』)は、ヌースの始原的存在らしいです。
ファレナのエマとコカロがあれば、新しいステージへ進めるとか。RPGキーアイテムって感じですな。
等価交換ナシで、こんなキーアイテム貰っていいの?
不安がるチャクロに、オリヴィニスは云います。
「いいんだ。君の選択の、その先が見たい。進めよ、ファレナの罪人たち、新しい世界へ!」

クジ砂のセカンドステージに期待です。

次回「新しい旅に出るわ」

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2017年12月 3日 (日)

ブレンド・S 第9話

オーナーって犬の名前だったのかw

苺香ちゃんのセンスがとってもGOODでした。
この捨て犬くん、スティーレの生態系ピラミッドの頂点に君臨し、かつラストでは店長さんを引き摺り回していましたからね。オーナーの貫録充分です。
人語こそ話せないけれど、やること為すことすっごく人間くさくて、ソフトバンクのCM、白戸家のお父さん犬を思わせる良キャラです。
映画やドラマの世界では、子供と動物を巧く使えれば必ず感動作になるというジンクスがあります。
オーナーにも、マスコットとしての活躍を期待します。

そして、桜ノ宮家のやんごとなき姉上、愛香さまがスティーレに来駕なさいました。
初めて気づいたのですが、苺香ちゃんと兄君姉上との違いって、たれ目か吊り目かの違いだったんですね!
お姉さんがたれ目で苺香ちゃんが吊り目って、全然分りませんでしたよ(笑)。

その姉上ですが、ふわふわゆるゆる系かと思ったら、こと妹の事となると眼の色が変わります。とってもヤバイ感じです。
妹大好きが高じて殺人すら辞さないという、大変なヤンデレさんでしたとさ。

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魔法使いの嫁第9話

アンジェリカ「チセ、それは依存じゃないのかい?」「あんまりいい子でいるんじゃないよ」
チセ「あたしは…ずるい。捨てられても構わないって考えながら、捨てられたくないと思う。あたしは自分勝手だ」
こういう自分の責め方をする人って、何だか自殺しちゃいそうで怖いんですよね…

チセに、エリアスからの精神的自立を促すアンジェリカさん。
エリアスとの関係性をどうするべきか、思い惑うチセ。
彼女の迷い方は、いわば「出口なし」状態。答えを見いだせずに袋小路に迷い込んでしまうタイプの苦悩です。

そこへ絡ませてきたのが、初老のジョエル・ガーランドさんと美しき吸血鬼(リャナン・シー)の恋のエピソードでした。
リャナン・シーはケルトの妖精。常に、人間の男性の愛を求めて彷徨っている。
彼女の愛を受け入れた男には詩の才能と美しい歌声が与えられるが、徐々に精気を吸い取られて早逝してしまうのだそうです。
男が彼女の魅力に応じない場合は、何とか振り向かせようとして奴婢のごとく従う、ともあるので、ガーランドさんの場合はこれなのかな?
でも、彼には彼女が視えていたのです。

ガーランド「昔、ここでとても美しいひとを見たんだよ」
リャナン・シー「さっき、また眼が合った気がしたわ」

ほんの一瞬だけど、彼には自分が視えた。存在を認めてくれた。だから一緒にいたい。
ヴァンパイアらしからぬ、純情すぎる恋です。
この恋人たちは、不思議な関係性を保ちながら、ずっと幸福に暮らすのでしょうね。死が二人を分つまで。

恐らくは長命のエリアスと、スレイベガの出自ゆえに短命の定めにあるチセは、どう生きるべきなのか。
二人の関係性について、新たな視点が見えてきた気がします。

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2017年12月 2日 (土)

少女終末旅行第9話

チトとユーリの前に出現したのはロボット!しかも喋っている!
人間たちとコミュニケーションできるよう、「共感」機能が備わっているとのこと。「われはロボット」的な自律機械なのですね。

生命や進化の根源にまで踏み込んだ、哲学的で、アクションに富み、お色気もたっぷりの、贅沢でステキなエピソードでした。静謐な劇伴も、見事に映像と調和していました。
廃墟美を描く映像と、大聖堂に響くような音楽との幸福な出逢い。
やはり「少女終末旅行」はすばらしい!

大胆にも、全裸で巨大水槽にとびこむユーリ。
やっぱりいい体してましたね!お胸にハリがあります。水着回どころか全裸回というサービスが嬉しい。
そして、ちーちゃんは下着wしかも重篤なカナヅチw
海、サカナ。溺れかけたちーちゃんの眼には、走馬灯が浮かんでおります。危うく一巻の終わりになるところでした。

「疲れたから、サカナ食べよーぜ」
「食べてはいけません」
ユーと自律機械との静かなる対決が微笑ましくて。
健全なる肉体には健全なる食欲が必要なのですねw
「このサカナを旅に連れていきたい」
「捕食者は友だちになれないだろ」
ユーちゃん涎がたれてますぞw

いつものように、静かなまま、お話が閉じるのかと思ったら。
建設機械がこの施設を解体し始めた
ユーリが叫びました。
「あのサカナをたすけようよ!」
ちーちゃんも肯きます。
「共感、ってやつかもね」
サカナを助けるためには建設機械を破壊しなければならない、二律背反?
ロボットという無機物を破壊するのも、「殺す」ことになるのか?
生命の定義次第ということで、回答は示されませんでした。
でも、破壊直前に建設機械と眼が合ったとき「ごめんな、でかいヤツ」って呟いたユーの台詞には、深い情感が籠っていました。

ラスト、黙々と修理する自律機械の孤影に、SF映画の名作「サイレント・ランニング」の結末映像を想起しました。
人間が存在しない宇宙船内で、唯一の生命である植物たちの維持管理を永遠に続けるロボットの映像を。

「人間なんて、もういないのに」
「関係ありません。ただ維持していくだけです」
われわれの日々の労働だって、創造というよりはむしろ「維持」です。
自律機械の行動を非人間的というのなら、私たちも同じなのかもしれませんね。

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キノの旅第9話

ED後半には、何と作者のアニメ版あとがきが!

「夢があったら語ろう!口に出して言葉にして、実現のためにコツコツと、できることから頑張っていこう!
いつかどこかで、多くの人間の理解と力を借りて、その夢が現実になることだってある!
皆さんがいま見ているものが、まさにその証拠なんです!」
作者の自恃と想いとが伝わってくる、熱いあとがきでした!
「ここまで読んでくれてありがとう」とあったので、まさかの最終回かと思いきや、次回もちゃんと放映されるんですね。ホッとしました。

いろいろな国
今回は、ショートエピソード集。料理でいえばアラカルト。美味しいレシピでしたよ。

山賊達の話
ヘラヘラした男と長い髪の女って、師匠と弟子か!相手が悪かったんですね。
さすが長老、相手の力量を測る能力にたけています。こういうのを「慧眼」というのでしょう。
でも、この長老、慧眼すぎて二度と人を襲えそうもないなw

徳を積む国
徳ポイント制の国。善行を積むと増えていき、犯罪をおかすと減る。マイナスになると有罪で収監される。
「いい人が悪いことをすると」云々の不公平さは、私も常々感じていました。錯覚あるあるってヤツです。某横綱の事件などを想起しました。
男は発明家で元大統領。人々に尽くすことによって、前代未聞のポイントを貯めることに成功しました。
そのポイントの大きさとは…
「人を一人殺せるくらいさ」
この徳高い男は何と、人を殺してみたくてせっせとポイントを積んできたのです!ポイント制を理解した子供の頃から!
そして今、苦悩しています。殺したい相手がいないことに。
若い母親「この子が、閣下のように立派な人間になれますように」
男「私のように、人生を失敗した男にならないように」
目標のために邁進するのは尊いけれど、誤った目標を立てて生きれば、きっと後悔する。人生の大いなる皮肉です。

料理の国
鶏肉のキノ焼きはとんでもない激辛メニュー。
改良してマイルドをつくったのは、果たして誰だったのかな?

ティーの願い
役にも立たない行為だから、みんなの願いがかなうように願ったって、ティーも人が悪いですねえw

美しい記憶の国
滞在中の記憶を薬によって消す。
旅人をもてなしたいけど知られたくはない。二律背反の解消なのですね。
本当に美しい想い出は、本人も気づかないほどの心の奥底に秘められているのかもしれません。
とってもステキな夢を見たけれど、どうしても内容が思い出せない。でも、心地よい想いだけは残っている。そんな感じでしょうか。
味わい深い余韻が漂うエピソードでした。

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