少女終末旅行第8話
「カナザワって、誰だっけ?」
忘却と記憶と。
忘却するユーと、記録を続けるちーちゃんが、いつもながら好対照。
ユーの忘却が速すぎる気もしますが、よく考えたら時間経過が不明。
地図のカナザワと出逢ったのって、いつの出来事だったのでしょうか。時が止まったようなこの世界のなかで。
今回は、終末世界の考察と、アクションと、少女たちのひそやかな交情とが、バランスよく綺麗に調和していましたね。実に心地よいエピソードでした。
中でも特徴的なのは、アクションの扱い方。
迂回路をケッテンクラートで進みますが、重量に耐えかねて、足元から崩れていく。
大きく傾く車体を、あの体勢から立て直すユーがすごい。頭文字Dの藤原拓海くんよりドラテクは上と見た!(笑)
ジブリなら、宮崎駿演出なら、このスペクタクルをじっくりたっぷり描き込むところですが。
ミニマリズムなこの作品では、須臾のあいだに事件は終了してしまいます。「反ドラマ」ともいうべき演出が、不思議な効果を生んでいます。
初めてのお酒。
らせんを昇った上には建物が点在しており、二人は壜を発見します。
「これは何て書いてあるの?」
「ビウ、かな」
「すごい、金色の水だ」
「きらきらしてるねえ」
ここは、コップでビールだ!ユーちゃん分ってるねえ。
「まるで月光がとけこんでるみたい!」
「不思議な香りだ」
「苦いような、甘いような…うまい!」
二人でビールをごくごく。ビールが甘いなんて、ユーもちーちゃんもいけるクチですな。
月下で歌い踊る二人のデュエットが、たとえようもなく美しかった。静謐なこのアニメの、ひさしぶりの見せ場です。
踊り疲れて、そっと寄り添う二人の少女。
「ちょっとちーちゃん、髪の毛食べないでよ」
「うまい!」
少女のひそかな愉しみってヤツですね。隠微な感じがステキです。
すべては月の魔力がみせた、一場の夢幻劇だったのかもしれませんね。
愉悦の後には、相応の結果が。
「あたまいたい…」
二日酔いもお酒の醍醐味ということで、オチもつきました。
いやー分る分る。こんな愉しみでもなけりゃ、終末世界でやってらんないよね!
ということで、くそったれの終末世界に生きる私も、うまいビールを飲むとしましょう。冷蔵庫にビールの買い置きを切らしたことのない私ってえらい。
壜じゃなくて缶ビールだけど、プシュッとリングを開けるたのしみは格別です。
乾杯!つまみもあるぞ!サラミとチーズだ!歌え、踊れ、ユーちゃんの髪の毛たべたいぞ!
まだ朝の7時だけどなw
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