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2017年11月23日 (木)

このはな綺譚第8話

アクロバティックな構成の妙
AパートとBパートとに有機的な繋がりを見出せないまま視聴していたところ、驚くべきサプライズエンディングが!
この結末は全く予測できませんでした。文学史上、ショート・ストーリイのお手本とされているO・ヘンリーの名人芸を想起しましたよ。
こういう驚きがあるから、アニメはやめられないんだよなあ。

Aパート、いきなり海辺のシーンから始まります。いつもの「このはな」と、何だか雰囲気が違います。
水着のコが倒れています。仰向けなので、水着の上からでも、綺麗なおっぱいのかたちが看て取れます。
その子、礼ちゃんは、眼が覚めるや否や、沖で難破したとかはぐれた人魚だとか、次々と空想設定を開陳して、信じやすい柚ちゃんを振り回します。視聴者の我々も、この流れをどう受け取めていいのか分らないまま、お話は進みます。
『おっぱい大きいなあ。このコ、レギュラーになればいいなあ』
礼ちゃんのひそみに倣い、私も妄想空想を垂れ流しながら視聴していたわけですが。
いいオトナが、そんなたわけた妄想ばかりで生きているのは悲しいことですよ?」
そんなふうに柚ちゃんに優しく叱られそうです。
むしろ叱られたいです柚ちゃんお願いプリーズw

さて、現実世界の礼ちゃんは、空想物語を繰り広げ過ぎて、周囲から孤立してしまった孤独少女でした。
誰も自分を認めてくれない。そんな礼ちゃんの悩みに、柚ちゃんは賢者の言葉で応えます。
「騙すというのは、それで物を盗ったり人を傷つけたりすることです。
私は今日一日で、遭難した旅人と迷子の人魚と、そしてあなたに出逢えました。
おねえさんの空想はたのしいです!」

妄想も空想も、全部含めて現実なのにね」
礼ちゃんは、柚ちゃんの言葉によって、ようやく自分を認めてあげることができたのですね。
もしかするとこれは、このはなの作者自身の感慨なのかもしれません
アニメという空想世界に未だこだわっている我々の心にも響いてくる、ステキな言葉でした。

自己承認の欲求。これは、人間にとって根源的な欲求の一つです。
マズローの有名なモチベーション理論「五段階欲求説」によれば、人が自分を承認してもらいたいと求めるのは、第四段階の高次な欲求。
礼ちゃんは、柚ちゃんの言葉で承認欲求が満たされたので、最終の第五段階である「自己実現欲求」(自分の能力を引き出して創造的な活動をしたい)の達成にまで至ることができたのですね。
それは、Bパートのラストで明らかになります。

Bパート。
ショタのカイトくんと、此花亭に長逗留のおっさんのお話。

金髪ショタくん颯爽登場!
いよいよ「腐寄り」に擦り寄ってきたかな?NIYANIYAしながら視聴していたのですが、どうも設定が腑に落ちない。
カイトくんは、里子に出されたりとか、自分にしかできない大事な仕事があるとか、問わず語りに語ります。
やんごとなき坊ちゃんが帝王学を学ぶために在野に出されて、いよいよ実家の豪邸に戻らなければならなくなったとか?
それにしては、高橋さんとかいうおっさんの存在が、豪邸にふさわしくないし…。
些少の違和感を感じつつ、視聴していました。
成長したカイトくんは、家族ができたと報告に。
ああ、誰かいい人と結婚でもしたのかなと思ったら、違いました。

何と!盲導犬
そうです、カイトくんは犬だったのです!

事故で失明したあのおっさんと、実は犬だったカイトくんは、現実世界で主人と盲導犬というコンビを組むことになったのです。
そして、部屋にはさりげに絵本が。「うみべのこぎつね 作:まつもと礼」。
空想少女の礼ちゃんは、美術の学校へ行って、絵本作家になったのですね。
ここに至って、AパートとBパートとは有機的な繋がりを見せ、物語として見事に収斂しました。

結末に大いなるサプライズを用意し、しかも人情味まで漂わせてみせる。
まさにO・ヘンリーの塁を摩するような、上質の味わいをもった作品世界です。

現実世界と彼岸世界の「幽冥のあわい」を描く「このはな」。
エンディングのキャストを眺めていたら。
佐々木望さんと天野由梨さん!
幽☆遊☆白書コンビじゃないですか!浦飯幽助雪村蛍子ですよ!
幽冥のあわいから、幽☆遊☆白書へ。何とも粋なはからいです。
お二人は、この物語の中で、いい夫婦を演じています。
こういう視聴者へのサプライズが、また嬉しい。「このはな」の、もう一つの優しい味わいです。

礼(上田麗奈)
カイト(伊瀬茉莉也)
礼の母(天野由梨)
男(佐々木望)

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