このはな綺譚第5話
機(はた)音はお囃子の調べ。
人形のお菊から機織りの少女まで、どちらかと云えば淡彩のエピソードで構成された第5話。
「梅雨送りし」のタイトルどおり、蕭条と降る梅雨を背景に、水墨画めいた画面が続きます。
それは、お菊や機織りの少女の心象風景を象徴するための技巧です。
寒色の情景から、少女がはためかせた虹の布が煌めいて、一転夏の空へ。
今回のエピソードは、この一瞬の映像美を演出するために構築されたといっても過言ではありません。
梅雨も、もう終わりです
梅図かずお先生もビックリの人形ホラーで始まった今回。
「地獄少女」なら、一期17話みたいに、人形の呪いまっしぐらのお話にするところでしょうが、そっちには行かないのが「このはな」たる所以。
櫻ちゃんを経て、蓮の卓越したシザーテクニックと着付けにより、匠が造り上げた典雅な日本人形が、プリキュア風いまどきドールに生まれ変わりました。
供養というか、完璧キャラ変ですな。
お菊ちゃんは、瓜乃介とともに此花亭のマスコット的存在になってくれそうです。
Bパートは、天津神に仕える機織りの姉妹エピソード。
庵に籠って、一心不乱に機を織るメガネ美少女。名前はまだないw
彼女も、皐や蓮と同じに、姉たちにコンプレックスを抱いている。
上の姉さまは私より速く織った。下の姉さまは私より綺麗に織った。
だから私は、姉さまたちよりもっと速く綺麗に織らなくてはならない。
あのお、そこ突っ込んでよかとですか?
それって、スピードとテクニック双方において姉さまたちを完全凌駕して圧倒して機織り女王に私はなる!って意味になりますよね?
ささやかなコンプレックス解消というには、あまりに巨大すぎる野望だと思いますw
いや、私が云わなくても、柚ちゃんがさりげに軽いツッコミ入れてましたね。さすがは此花亭の賢者さんです。
機織りの少女は、食事を殆ど摂りません。
心配した仲居頭さんの好意で、おむすびが用意されました。
サンドイッチは、カードゲームの手を止めたくないサンドイッチ伯爵が、プレイしながらつまめる食事として考案したもの。機能的なファストフードの元祖。
そして、おむすびは。
「あまり根を詰めないでくださいね。おなかが空いたら食べて。疲れたら休んで」
そう、おむすびこそは、忙しい貴方への優しい贈り物。子を思いやる母親の心遣いが籠った、日本が誇るあたたかいファストフードです。
次回「此花亭怪談」。
お菊ちゃん以外に怪談噺のネタが?
お菊(渡辺明乃)
機織りの少女(高本めぐみ)ハガレンのウィンリィですね
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