2017秋期アニメ随感
「少女終末旅行第1話」
期せずして、ロードムーヴィーアニメが二本、同時に出発しました。
廃墟感がいいですね!
終わった世界をさまようチトとユーリ。カワイイ系キャラと、深い雪に閉ざされた無人の曠野と。
この設定だけでもシビレるのに、劇伴がまたすばらしい!グレゴリアン・チャント風の声楽系に弱いので、もう経絡秘孔を衝かれっぱなしです。音楽は末廣健一郎。新進気鋭の方のようですね。
夏より冬が好きです。燦々とふりそそぐ太陽よりも、蕭条とした雪景色にひかれます。
そんな私の好みにどストライクな作品。
武器を集めつつ旅を続ける二人。まったりした雰囲気のさなかにも、一抹の不穏な空気が漂います。
食糧をめぐって、チトに銃を向けるユーリ。戯れと分ってホッとさせられましたが、作品の世界観を暗示する象徴的な挿話でした。
「チョコ味らしいよ。チョコが何なのか知らんけど」
チトがぽつりとつぶやきます。チョコを知らないって、この子たちはどんな生活をしてきたんでしょうか。
気になります。私の「不幸嗅覚」にビンビン響いてきます。
彼女たちの旅路の果てには、何が待っているのだろう?
いま、ワクワクしています。刮目して視聴を続けたいと思います。
【追記】
「チト」と「ユーリ」。名前の響きが東欧系ですね。
東欧といえば、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が思い出されます。
大戦後のヨーロッパで最も悲惨だった内戦。
セルビア人、ボシュニャク人、クロアチア人という三民族が独立や分離のあげく殺戮し合った民族戦争。
ボシュニャク人女性が大量レイプのうえ強制出産させられたことでも知られます。
チトは黒髪、ユーリは金髪。
この人種的な違いも、東欧の一連の内戦を想起させます。いよいよ不穏です。作品の世界観がさらに視えてきました。
「キノの旅第1話」
こちらも期待のアニメです。
残念ながら以前の「キノ」は、名作の噂を仄聞するのみで視聴していません。これが初体験です。
第1話。人殺しが合法だからこそ人殺しを徹底的に排除する「寓話」が心に沁みました。これはまさに、我々が生きている世界そのもののアレゴリー。さすがです。
今後も、問題提起型のエピソードが続くのでしょうか。たのしみです。
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