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2017年10月 7日 (土)

2017秋期アニメ随感

少女終末旅行第1話」

期せずして、ロードムーヴィーアニメが二本、同時に出発しました。

廃墟感がいいですね!
終わった世界をさまようチトとユーリ。カワイイ系キャラと、深い雪に閉ざされた無人の曠野と。
この設定だけでもシビレるのに、劇伴がまたすばらしい!グレゴリアン・チャント風の声楽系に弱いので、もう経絡秘孔を衝かれっぱなしです。音楽は末廣健一郎。新進気鋭の方のようですね。
夏より冬が好きです。燦々とふりそそぐ太陽よりも、蕭条とした雪景色にひかれます。
そんな私の好みにどストライクな作品。

武器を集めつつ旅を続ける二人。まったりした雰囲気のさなかにも、一抹の不穏な空気が漂います。
食糧をめぐって、チトに銃を向けるユーリ。戯れと分ってホッとさせられましたが、作品の世界観を暗示する象徴的な挿話でした。
「チョコ味らしいよ。チョコが何なのか知らんけど」
チトがぽつりとつぶやきます。チョコを知らないって、この子たちはどんな生活をしてきたんでしょうか。
気になります。私の「不幸嗅覚」にビンビン響いてきます。

彼女たちの旅路の果てには、何が待っているのだろう?
いま、ワクワクしています。刮目して視聴を続けたいと思います。

【追記】
「チト」と「ユーリ」。名前の響きが東欧系ですね。
東欧といえば、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が思い出されます。
大戦後のヨーロッパで最も悲惨だった内戦。
セルビア人、ボシュニャク人、クロアチア人という三民族が独立や分離のあげく殺戮し合った民族戦争。
ボシュニャク人女性が大量レイプのうえ強制出産させられたことでも知られます。
チトは黒髪、ユーリは金髪。
この人種的な違いも、東欧の一連の内戦を想起させます。いよいよ不穏です。作品の世界観がさらに視えてきました。

キノの旅第1話」

こちらも期待のアニメです。
残念ながら以前の「キノ」は、名作の噂を仄聞するのみで視聴していません。これが初体験です。
第1話。人殺しが合法だからこそ人殺しを徹底的に排除する「寓話」が心に沁みました。これはまさに、我々が生きている世界そのもののアレゴリー。さすがです。
今後も、問題提起型のエピソードが続くのでしょうか。たのしみです。

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» 少女終末旅行 第1話 [ぷち丸くんの日常日記]
文明が崩壊し、すべてが滅んでしまった世界で、二人ぼっちになってしまったチト(CV:水瀬いのり)とユーリ(CV:久保ユリカ)は、延々と続く廃墟を愛車・テッケンクラートに乗って旅をしていました。 しかし、ユーリの「穴があったら入りたい」という思い付きで入り込んだ建物の内部は真っ暗で、すっかり道に迷ってしまって何日も経っているみたいです。 陽の入らない建物の内部に入り込んだ二人は、自分...... [続きを読む]

受信: 2017年10月 7日 (土) 20時56分

» 少女終末旅行 BS11(10/06)#01新 [ぬる~くまったりと]
第1話 星空 戦争 暗い建物内をキャタピラーのバイク、ケッテンクラートで  移動するチトとユーリ。 ユーリが建物の中に入ろうと提案したのだったが、何もない。 ユーリが眠っていたので、チトも荷物をおろして後部座席で眠る。 戦争中にケッテンクラートの鍵を渡され二人で出発した夢を見る。 寒くて目覚めると右手をユーリがしゃぶっていた。 唾液で濡れた手に風を感じた。 風が吹いているということは出口が存在する。 ユーリの指示で無事に出口に到着。 外はすでに夜、満天の星空で鉄橋に辿りつていた。 空腹なので外に出ら... [続きを読む]

受信: 2017年10月 9日 (月) 14時22分

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