2017秋期アニメ随感(3)
「クジラの子らは砂上に歌う」
ハイ・ファンタジーは大好きなので、こちらも期待の作品です。
ただ気になるのは、宮崎リスペクトの雰囲気が濃厚なこと。
もっと云えば「未来少年コナン」への傾倒っぷりが、随所で感じられるのです。
泥の世界。「泥クジラ」という限定空間で生活する少数の人々。
短命なシルシ(印)と、サイミア能力は使えないが長命な無印(むいん)とが共存している。
主人公にして語り手のチャクロは、サイミアの力は弱いけれど、書くことに淫しており、全てを年代記的に書き残そうとしている。
外の世界との接触を怖れる長老たち。逆に、外の世界に憧憬する反逆児オウニ。
そこへ、外の世界から謎の美少女が出現。
彼女、リコスは、アパトイア(感情のない兵士)だという。
アパトイアはギリシア語のアパテイア(無感動)由来。
ストア学派は、パトスに支配されないこの状態を理想としていますが、ここでは字義通り「感情がない」の意味に使っていますね。
この物語のキモは「世界の秘密」の解明なのですが、「兵士」というキーワードにより、半ば予測がついてしまいます。
もしそうなら、ますます「未来少年コナン」の設定や世界観と近似になります。
あらゆる意味で質が高いので、後は独創性の演出ですね。愉しみに視聴したいと思います。
「アニメガタリズ」
冒頭、幼ヒロインが食い入るように観ているアニメが、過去作品へのリスペクトというかむしろ全方位ディスってるので笑ってしまいました。愛が過ぎるとこうなるという見本です。
正直、お話も作画も稚いのですが、アニメ好きのマニア心を擽るところがあって、そこが好ましい。肩肘張らずに愉しく視聴したいと思います。
「氷菓」のえるちゃんと誰かを足して割ったような主人公キャラと、何処かプリミティブな味わいのある作画がめずらしいと思ったら、制作ワオワールド。
この会社、メインのお仕事は教育エンタメ?公式見たら、制作に賭ける思いが「ちゃんと」って時点でさらに微笑してしまった。確かに、アニメ制作において「ちゃんと」こなすって困難案件だよね。
監督とキャラデザの人って夫婦なのかな?
(twitterから転載。追記あり)
「血界戦線&BEYOND」
脳内を「虚数の海」(ふつうにからっぽっていいなさいw)にして視聴するべき痛快アクション。
安定の作画だしテンポはいいし、好きだなこういうの。視聴継続!
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