2017秋期アニメ随感(2)
「魔法使いの嫁」
「魔法使いの嫁」は、「自分も帰れる場所がほしい」って願望してる人にとっては最高のアニメだと思う。そして、白泉社系テイスト濃厚な「美女と野獣」という印象。白泉社じゃないけど。
「野獣」は怖ろしげな外観とは真逆に、美女を保護し、愛を捧げます。エリアスは異形の姿に身をやつし、敢えて野獣の役割を演じようとしており、チセの保護者にして愛を捧げていることも共通です。
白泉社系テイストと云ったのは、「赤髪の白雪姫」(原作は白泉社「LaLa」掲載)の連想もありますが、設定がそもそも少女マンガの文法を忠実に遵守しているんですよね。
魔法というガジェットを取り去って学園物に置き換えると、こうなります。
「クラスから浮いてるヒロインと、ワケありの過去を引きずってる等が原因で同じく孤独の影を漂わせるセンパイ男子(むろんイケメン)とが、不可思議な共感にむすばれる」
ここまでが「まほよめ」設定。
で、白泉社少女マンガの場合、続きはこうなります。
「ケンカしたり仲直りしたりまたケンカしたりの末に、happyをつかむ」
このテの少女マンガの弱点は、作者と読者の関心が結局は二人の恋バナにしかないため、物語が外に向かって拡がっていかないことです。
周囲からの邪魔やら何やらの不協和音によってドラマティックを演出しても形だけに終わり、孤独な二人の信頼は揺らぐことなく、あらゆる劇的要素が「二人の関係」に収斂して無効果に終わってしまう。はっきり云ってつまらない。
「まほよめ」の二人も、あらゆる艱難辛苦に曝されることは予想できます。
願わくは、孤独な二人の関係性にのみ充足しないでほしい。「二人だけの世界を造り上げて恋愛成就。最後に愛は勝つ」ではなく、二人に課せられるイニシエーションを昇華して、「外に向かった」感動を演出できる物語に仕上げてほしい。
「世界の美しさを識る為の物語」。
なかなかの大言壮語ですが、それだけの構えのある作品だと思います。視聴継続です。
「ブレンド・S」
ブレンド・Sがツイッター上で荒れ狂ってる感じだけど、唯一共感できたツイートは「いいからAチャンネル再放送しろ」だったというw
(twitterから転載)
いや別にディスってるわけじゃありません。単に、大好きなAチャンネル再放送っていいなあって思っただけで、アニメ自体は割とおもしろかった。
ふつうにツッコミ所が満載で、それだけでも充分に愉しめます。
あれで眼つき悪いっていうなら同じ顔立ちの姉だってそうなっちゃうし、店長が金髪だから外国人っていうなら佐藤くん(WORKING)だってそうだし、云々。
クロネコが悲鳴あげて逃げるシーンも、画ヅラからいうとむしろ苺香の丸出し股間に何かを発見して逃げたように見えてしまいます。実は男の娘だったとか…(それはない
ちょっと変化球な「WORKING」として、ゆるふわでやってくれればと思います。
私自身は、苺香や夏帆や麻冬たちがノンケでも別に頓着しませんが、世間様の声も姦しいため、制作側が早晩そっち方向に舵を切ることは想像に難くありません(笑)。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント