地獄少女宵伽第4話
#4「わたしを深く埋めて」
つぐみちゃんが帰ってきた!
これは嬉しい!懐かしすぎて、涙腺がうるんじゃいました!
介護士としての初めての職場がここだとか。いつのまにか、学校医からとらばーゆしていたんですね。
未来の破局が幻視できるつぐみちゃんの能力は健在。
それに呼応するかのように、謎少女のミチルも出現。
「あなたには、見えるの?」
つぐみちゃん再見は、ちょっとだけよの視聴者へのサービスなのか。ミチルを軸として、お話に積極的にかかわってくるのか。気になるところです。
地獄流しのかたちを借りて、つねにアクチュアルな現実を剔抉する「地獄少女」。
今回は、介護問題に切り込んできました。
依頼人は、窪田さくらさん。介護施設「うつくしの館」の入所者。地獄流しが一人だけというなら、流されるべきは極悪非道な館長の矢野原冴子と思いつめています。
「まあ。閻魔様が、こんなに可愛らしいなんて」
さくらさんも可愛らしいおばあちゃんですよ?
今回の地獄流しの背景となっているのは、高齢化社会のなかでの介護施設の質の低下。
施設内での、介護職員による虐待の日常化が、まず描破されます。
徘徊するからといって、暴力的にベッドに縛りつける。
わざと突き飛ばして、冷笑的に吐き捨てる。
「あーあ、また徘徊が一人ふえたか」
閉鎖空間ともいうべき施設内での人間関係。
芥川龍之介の小説の表現を借りれば「地獄よりも地獄的な」光景が。
昨年、相模原市で起こった、記憶も生々しい、職員による恐るべき大量殺人を想起しました。
前回に続いてまたも泥沼なお話か?って思ったら、
輪入道とさくらさんの心の交流を絡めて、けっこうソフトな流れがしばし続きます。
矢野原グループ会長の娘、冴子が館長をつとめる「うつくしの館」は、フラグシップな最先端の介護施設というふれこみです。福祉産業に積極展開をはかったあそことかあそこの企業グループを思わせるのはご愛嬌ということで。
「高級姥捨て山」ってきくりがあっさり喝破しました。そのとおりなのですが。
介護施設調査などの経験からいえば、それはいささか微妙な問題。
介護保険が導入されても人件費がペイし切れないとか、地価の高さや周辺問題から都心より遠く離れた場所にしか施設をつくれないとか、さまざまな要因が内包されています。
最後はやはり、人の心の問題になってくるのかも。さくらさんの諦念に充ちた述懐が心に沁みます。
「介護する人もされる人も一緒なの。みんな、それを忘れてしまうのね」
輪入道の老いらくの恋の描写が続いたのちに。
さくらさんが、とうとつな認知症?
「俺が判らねえのかよ!」
驚き騒ぐ輪入道に、つぐみは冷ややかに云います。
「さくらさんはきっと、地獄流しのことも忘れてしまった。あなたはそれでよかったのでしょう?」
しかし、それは佯狂。なぜ、認知のふりをしたのか。
館長たちを油断させるというよりは、人生の最期に人を呪っていいものか躊躇っていた彼女自身の倫理感を忘れるためだったのかもしれません。
「桜の樹の下には、たくさん死体が埋まっているんだって」
「許してください。これで必ず終わりにします」
つぐみが取り出したボイスレコーダーの意味は?告発の証拠?
告発メモをめぐって、館長たちによる狼藉!
さくらさんが、ついに藁人形の糸を引いた!
「最後に人を呪った私のなきがらは、どうか深く埋めてね」
そうか。
「わたしを深く埋めて」は梶井基次郎「桜の樹の下には」繋がりだったのですね。
さあ、恒例の仕置きタイムです。
折り紙のように折りたたまれた矢野原館長。
骨女が耳元で大声で喚き立てます。
「今日は何日ですかあ!?」
確かにこれって拷問w
認知症テストの典型だけど、どこか非人間的な感じがぬぐえません。
水樹奈々ちゃんおひさしぶり!
さくらさんは高橋ひろ子さん。民江さんは藤夏子さん。
ともに「メカンダーロボ」「ポリアンナ」などで接点があったベテラン声優・女優さんたちですね。
ゲスト声優さんも、地獄少女を観るたのしみの一つです。
次回は「風の歌が聞こえる」。「風の歌を聴け」なら村上春樹ですが…。
ついにミチルの秘密があかされるのか?
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント