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2017年6月27日 (火)

【特別企画】ムラマサ先生と世界の中心でアイを叫んだ大団円

Muramasaeroi

紗霧の部屋。
ムラマサはひとりシーツを引っかぶり、顔を真赤にしてもじもじしています。
「やはりおちつかないものだな、全裸待機というのは…。ちくびがシーツにこすれてとってもヘンな気分になってくるし。早く来てくれないだろうかマサムネ君」

ドアが開いて、マサムネが部屋に入ってきました。

「ムラマサ先輩!?どうしてここに?」
「ま、マサムネ君!思ったより早い帰宅だったな」
「…驚いたなあ。おしとやかな先輩が、まさか夜這いに及ぶとは思いませんでしたよ。もちろん先輩のことは好きだし、そこまでされたら男として悪い気はしませんけど…」
「で、でも、これが夫となるべき殿方を迎えるための正式の作法だって聞いたぞ」
「誰に」
エルフに」
あいつか」
Eruhu


苦笑いしていたマサムネですが、不意にハッとした表情をします。

「紗霧は?紗霧はどうしたんですか」
「し、知らない。私が来たときには、もういなかった」
「そういえば、家の中にもいなかったけど…。まさか先輩、邪魔者の紗霧を抹殺したんですか!?めぐみんのときみたいに!!」
「ば、ばか、あれはSIGERUとかいう不逞の輩の妄想SSだろう!現実と混同するな!」
「そ、そうでしたね。でも、だったら、紗霧はどこに」
「にいさん…」
「紗霧!どこへ行ってたんだ!」
「コンビニに行ってたのよ。飲み物とスナック菓子とエロマンガを買いに」
「お、おまえ、外に出られたのか!一人で出られたのか!」

マサムネ、感極まって、紗霧をぎゅっと抱きしめます。

「でも紗霧、よく決心したなあ」
「ムラマサちゃんが家の周りを毎日うろうろしていたの。ああ、そんなにしてまでにいさんに逢いたいんだな。そう気づいたら、自然に体が動いて、外にも出られちゃった。きっと、あたしももう独り立ちしなくちゃって思ったからなのね。だって、にいさんったら、このままだと一生あたしに手を出してくれそうもないし、かといって男色に走られるのも困るし。獅童さんとか」
「おまえ…俺のこと一体どんなふうに…」
「わがままなエルフちゃんや猥褻リア充のめぐみんじゃ困るし、だったら、優しくて可愛いムラマサちゃんがお姉さんだったらいいかな、って。ねえ、にいさん。紗霧はもうだいじょうぶ。だから、にいさんもすなおになって。心の中に住んでいるその人を大切にしてあげて

顔をあかくしながらみつめあうムラマサとマサムネ。じれたエロマンガ先生こと紗霧が、鉛筆とスケブ片手にハッパをかけます。

「さあ、歴史的ベッドインよ!二人とも、思いっきりハッスルして!絵になるような最高の濡れ場をつくってね!」
「…ヨダレたれてるぞ紗霧。まさかおまえ、これが目的で」
「ち、ちがうわよ!にいさんの幸せを最優先にしたわけで、これはあくまでも副産物というか」
「態度が超あやしい!」
「まあいいじゃないか、マサムネ君」
「いいんですか先輩!こんなえろい奴が妹で!」
「本当に不思議な気分だ。私はいま、心から充たされている。ずっと自分の居場所を探してきた。ラノベが自分の世界のすべてだと思ったときもあった。でも違った。人は愛する家族がいるから生きていけるんだ。ここは、私の家なんだな。私はここにいていいんだな…」

場面が変り、あたたかい祝福を受けるムラマサちゃんです。

「おめでとう、今日からのおねえさん」
「おめでとうだわね、ムラマサ。でも、ホントはあたしがそこにいたかったなあ」
「おめでとーございますパイセン♪おにいさんのおちんちんのこと、後でくわしく教えてくださいね~♪」
「おめでとう、ムラマサ先生。やっぱりボクみたいなトシマじゃ、豊乳中学生には勝てなかったね。でもラノベ作家はやめないでね。タカサゴ書店のためにも」

ぱちぱちぱち。拍手が起こります。

「ありがとう、みんな」
ムラマサちゃんは、幸せいっぱいの眩しい笑顔をみんなに向けました。

Muramasaegao


エロマンガ先生に、さようなら。
制作スタッフに、ありがとう。
そして、すべてのムラマサちゃんファンに、ありがとう。

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