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2011年9月17日 (土)

ダンタリアンの書架第10話感想

#10「幻曲」

作者鍾愛の、ピグマリオン・コンプレックステーマでした。
楽曲の幻書、という趣向が新しかった。

18世紀の作曲家、ギリエルモ・バルディーニが遺した、麻薬にも似たヴァイオリン・ソナタ「理想郷」「黄昏」。
それを聴いた人々は、ひとしく悪魔的な力の虜囚(とりこ)となった。
あきらかに、「悪魔のトリル」を作曲したイタリアのジュゼッペ・タルティーニを模していますね。彼もまた、作曲家であると同時に、超絶技巧を誇るヴァイオリニストとしても著名でした。

不遇だった人形師の父を慰撫しようと、クリスタベルを制作し、感情を与えようとした。
しかし、悪徳興行師により、搾取されていたのです。その象徴が、ロンドンに建立されたサスティーン・ホール。
1000人収容と知って「生意気なのです」と非難するダリアンに微苦笑。

二人を救おうとしたダラリオが撃たれた!この作品ではもはや定番となった、真紅の血が床に拡がっていく。
無心な碧い瞳でみつめるクリスタベル。
「壊れた」
「誰が直すの?」
「なおらない…」
無邪気な残酷さの効果。マザー・グースの「ハンプティ・ダンプティ 壁からおっこちた もう元へは戻らない」を想起しました。

見ろ、やっぱり人形だ。制作者が死んだのに表情ひとつ変えないじゃないか、と嘯く興行主。
しかし、彼女が弾いたのは、命じられた「理想郷」ではなく、破滅の楽曲「黄昏」。
そして、警告を耳にすることができなかった悪人たちもろとも、崩壊したホール。
蠱惑の幻書も、永遠に喪われた…。

人の心をあやつる楽曲というのは、なかなか魅惑的なテーマです。
三島由紀夫がワグナーを評したときの「音楽は他の芸術とちがい、無防備な人の心に直截に作用し、眩惑する特殊な芸術だ」。
あるいは、老ゲーテが、ベートーヴェンの「運命」を聴いて、異常に昂奮したこと。
これは一体なんだ。建物が崩れ落ちそうだ。大変なものだ
そして、食事のときも、まだ何事かぶつぶつ呟いていたというエピソードが残っています。

ゲーテがもしサスティーン・ホールにいたら、同じことを呟いたのでしょうね。

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