#10「花火」
そして、めんまは成仏しなかった!
全員唖然、じんたん平然、そしてめんま本人は「てへぺろ♪」だ!
やはり、花火は解決ではなかったのか…。
あの日、めんまは、じんたん以外のみんなに、集まってくれと頼んだ。
「じんたんのために、お願いしたいことがある」と言い添えて。
めんまは、じんたんママに、何かを託されたらしい。それは何か?
再び戻ってきたい、愛する家族に再会したい。
そうなのか?たとえ、霊になってでも?
侍どうしの友情と信義と約定のために、死してなお、友のもとに還ってきた武士の物語を想起しました。
(上田秋成『雨月物語』より『菊花の契』)
成仏しなかったにせよ、めんまの手が透け始めている。終わりが近づいている。
あたしには、もう、時間がないの。
めんまの想いは、何処へいくのか?
そして、来たるべき終わりとは…。
メインプロットと同時進行で、超平和バスターズたちの、さまざまな「人間喜劇(コメディア・ユメーヌ)」が描かれました。
あなる。母に叱責されつつ、枕を抱きながらメガネ着用。カワイイ。
じんたんとの距離が近づいたと錯覚したけれど、それはめんまのおかげ。
かつて、めんまさえいなくなれば、じんたんとの距離が近づくと錯覚していた。でも、そうはならなかった。
「じんたんとの距離が、どんどん遠くなっていく…」
再び、距離が近くなった。「宿海」から「じんたん」になった。
でもそれは、めんまが戻ってきたゆえに。
それに気づいたとき、再び「宿海」に戻ってしまった。
ゆきあつ。あなるを非難する。
「ずっといないはずのめんまに負け続けて、それでいいのかよ?おまえ」
おまえがいうなwww負け続けだろwwww
つるこ。髪を切った。子どものころに帰る。
レター渡してよの二人組に、まだ因縁つけられています。しつこい。
趣味、女装!
そう言い放って、ウザ子さんたちを追い払った。
女装家を好きになるなんて、私だけで沢山!ってちがうかww
「ゆきあつが私を選ぶことは、絶対にない」
この「絶対」は哀しいですね。
イレーヌママン。ルサンチマン(憎悪)を夫にぶちまける。
「馬鹿にしてるわ!」
夫の、しずかな説得。
「一緒に寂しいと思おう、3人で」
しかし、ママンを真に動かしたのは、息子の鋭い舌鋒だった。
「母ちゃんさ、俺の身長、何センチか知ってる?」
言葉を返せなかったママン。
この辺りのエピソードは、光原百合の傑作ミステリ『時計を忘れて森へいこう』の第三話を思い出させてくれます。
余談ですが、心に沁みる傑作ですので、ぜひ一読をお勧めします。
聡志。
めんまねえちゃんに抱きしめられて、呟いた。
「嗅いだことあるような匂いがして…」
以前、めんまが本間家を訪れた時は、誰も気づいてくれなかった。
でも、今は違う。家族が、自分のことを感じてくれている。
誰が言い出すともなく、事態は動いた。
「あの日」を再現してみよう。
事件の再構成?ヴィクトリカふうにいえば「カオスの欠片の再構成」ですね。
あれは事故で、誰にも罪はなかった、はず。なのだけれど。
ぽっぽ。
「見てるだけしか…」
これは、どういう意味なのか?
じんたんが逃げた!あの日と同じように。
「そこで逃げたら、同じことになるぞ、じんたん!」
同じことに。めんまを「再び」喪うことに。
ぽっぽは「本当は」何を知っているのか?
めんま。
「こうやってね、大っきくなってたら、めんま、じんたんのお嫁さんになったのかな?」
病室での、じんたんママとの約束。生まれ変わりの話。
「みんなと、ちゃんとおしゃべりしたいから、生まれ変わるために成仏する」
生まれ変わりの事を教えてくれたのは、じんたんママ。
「でも、ひとつだけ…」
ひとつだけ?ひとつだけ、何だろう?生まれ変わりの条件?
ついに「お嫁さんになれなかった」めんまの、行き場のない「憧れ」こそが、めんまを具現化させたチカラ?
後押ししてくれたのは、じんたんママの、二人への「愛情」なのかもしれません。
これは、喪失と再生の物語。
めんまも、ママも、そしてじんたんも、救われるような結末だったらいいな。
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