あそびにいくヨ!第6話感想
#6「れんしうしました」
ネコミミ教団編が終了し、お気楽な息抜き回かと思ったら。
真奈美の揺れ動くキモチをあざやかな演出で浮かび上がらせ、騎央をめぐる恋の行方、というもう一つのヤマに向けて、上手くはずみをつけました。
「あそいく」でも、きちんとココロを描く演出ができるんだ!っちゃ失礼ですが、とってもイイお話でしたね。
キャーティアSPとして雇用され、プロのアオイの指導の下に、張り切ってお庭で射撃訓練に励む真奈美ちゃん。
常識人の騎央に制止され、むくれていたところ、「いい場所」を紹介されました。
バーチャルルームで、アオイはお料理(特にダシマキ玉子)、真奈美は射撃のれんしうです。
それぞれ、お相手にバーチャル騎央を呼び出して、味見とか手伝いとかをさせます。
真奈美は、バーチャルの反応があまりに精密なので、好奇心に駆られて、エリスやアオイのことを聴き出そうとするのですが。
仮想の騎央は、語り始めます。
真奈美に憧れていた、好きだった。でも、ジャックのことがあって、振られたと思っていた。
思わぬ告白に、動揺した彼女は、叫びます。
「あたしのせいなの?あたしが、正直に好きだって言わなかったから?あたしが悪かったっていうの?」
「バカにしないで!うぬぼれないでよ!いい人ぶるんじゃないわよ!何でもかんでも、あんたが悪いわけないでしょう!」
「ごめん、ごめんね、真奈美ちゃん…」
場面が転換し、真奈美は、海辺に立っています。
過去の二人が、自転車で競争しています。
キオのくせに生意気よ!負けた方が、ぜんざい奢るのよ?
あっさりと追い抜き、置き去りにして疾走していく騎央。いつの間にか成長していた幼なじみの姿を、茫然と見送る真奈美。
「置いてかないで…!」
道端の小石に躓き、放り出される。腕時計は、このとき傷がついたんですね。
現在の真奈美と、相乗りの二人が、すれ違います。
「置いてかないよね?」
そっとささやく、過去の真奈美。
気持ちの全てを思い出した現在の真奈美は、腕時計をみつめながら、静かに涙を流します。
過去と現在をイマジズム的に交錯させる演出は、映画でも多用されるのですが、ここでも抜群の効果をあげていました。
アオイのお料理は、失敗だったようです。
騎央くんは、この味、気に入ってくれたのに。がっかりするアオイ。
バーチャルルームでは、相手はこうしてほしいと思った行動を取るのだ、とチャイカ。
驚いて、立ち上がる真奈美。
好きだと言ってくれた騎央は、真奈美の願望がバーチャルに投影されただけ?
それじゃ、本物の騎央の、本当の気持ちは?
宙に吊り下げられたような曖昧な感覚のまま、真奈美と視聴者を置き去りにするという、リドル・ストーリーのような手法に、脚本の巧みさを感じました。
ハッキリしない騎央くんをめぐって、アオイ、真奈美、エリスのヤキモキは、まだまだ続くようです。
エリスの発情期は、トラブルを招くとの判断により、薬剤で制御されることに。
繁殖きにしました!は先送りに。アオイと真奈美に、執行猶予がつきました。ほっと胸をなで下ろしたことでしょう。
エリスが宇宙人らしくな~い、ってぼやく生徒たちの背後で、いちいち受ける糸嘉州先生が、ベタだけど吹いた。
まだ、ビューティフル・コンタクトの理想を捨てていないのか…。主義者はつらいよ、です。
騎央のアシストロイド「サダ」の元ネタが気になっています。
関西弁だし、戦前の映画監督、山中貞雄辺りを思い出してしまうのですが。
次回「およぎきにました」
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