世紀末オカルト学院第6話感想
#6「文明の道程」
作画だけをあげつらう事はしないようにしてるんですが、今回の作画はよかった!
作画がいいということは、細部まで眼が行き届いているということです。画力が低いと、そんな余裕はなくなってしまうので。
その差は、表情の追い方の丁寧さにも表れますし、のけぞる、駆け寄る、といった日常動作における「らしさ」の違いとして、はっきりと表れてきます。
脚本のよさとも相俟って、全体が、ムダなく引きしまった印象でした。
横たわったときのマヤのからだの量感とか、実に巧みに(つまりエロっぽくww)描写されていたのも、個人的に嬉しかったところ。
絵コンテと演出の中村亮介、作監の細居美恵子は、組んで仕事をすることが多いようですね。
『走れメロス』は、印象的な作品でした。
こずえを連れ戻すため、臨死体験へダイブした文明は、過去の記憶を遡っていきます。
そこで目撃したのは、美化していた母親についての、無残な真実。
実際の母は、子どもの気持ちなんてお構いなしの、非情なステージママだったのです。
記憶の底に封印していたものが、白日の下に曝け出され、苦しさで表情を歪める文明。
それをみつめながら、自らの苦しさを思い出すマヤ。
二人の表情の移りかわりが、きめ細かに丁寧に描かれているので、自然に感情移入できるんですよね。これが、作画の力というものです。
共感で結びつけられた二人は、未来を守るためにノストラダムスの鍵を探索しよう!と、改めて結束を固めます。
侵略されて破滅した世界は、アニメノチカラ第1弾の『ソラノヲト』でも見え隠れしてましたが、この『オカルト学院』では、はっきりと結末まで描くのでしょうか?描いてほしいなあ。
いちおう、こずえちゃんサルベージの体裁をとってはいたけど、実質は、文明回でしたね。
でも、淡彩ふうにさらっとした描き方ではあったけど、こずえちゃんエピソードも、上手に描かれていました。
大好きだったオカルトや星の王子さまをにべもなく否定しておいて、気がつくと、涙を流しているこずえちゃん。
ちょっちベタだけど、佳い演出でした。
それにしても、まさかの眼鏡オチとは…。
亜美じゃないけど、「ココロ、関係ねーし!」って叫びたくなった。
本当に大事なものは、身近にあるということなんでしょうけど、おでこ眼鏡とはひどいです。
まるで、両方の靴下を片足だけに履いておいて、もう片方はどこだ?と探し回った故・長嶋監督を思わせます。
こずえちゃんの本体は眼鏡?なあんて、思わず初春ネタに走りそうになりました。
美風ちゃんのワゴン販売を、文明が甲斐甲斐しく手伝っています。
勤務中にバイトするなあ!ってマヤが怒り狂っていたけど、たぶん、文明の無償奉仕でしょうね。
ワゴン販売は、やはり、文明に接近するための口実なんでしょうか?
未だ正体不明な美風ちゃんに、いろいろ吸いつくされそうな文明くんが不憫。というか、かなり危険な匂いがします。
ピアノBGMについて。川島教頭が、ガラスの靴とか言ってる場面で、リスト「ラ・カンパネラ」が流れていましたね。
マヤと文明が、固く握手する場面は、ワルトシュタインソナタの最終楽章。しっかり、場面を支えてくれました。
こういう使い方で接すると、聴き慣れたクラシックも、また新鮮に受容できます。
次回「マヤの亜美~ゴ」
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うーん何とも清々しい回でしたね。
もう6話ですけど、実質ここからスタート、みたいな。
それでいて、やっぱ雰囲気作り上手いな、って感じました。
こりゃ中々面白い展開になって行きそうですな。
とはいえ、文明にはある程度へタレてて欲しい気持ちもあるけどね(笑)。ってな訳で以下。
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大門っす
今回の話は〜
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受信: 2010年8月13日 (金) 01時22分
» 世紀末オカルト学院 第6話「文明の道程 / BUNMEI''s distance」 [アニメレビューCrossChannel.jp]
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