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2009年6月14日 (日)

けいおんかく語りき

けいおんは、どう終るのか?
ここまで引っ張ったのですから、感動的な演奏フィナーレが期待されます。
が、一方で、風邪に倒れた唯の身代りに憂が、という噂も流れています。まだまだ、けいおんには嵐が吹き荒れそうです。
そんな最終回直前のいま、ピッコロさんのらじおなどに触発され、腰をすえて作品の総括をしてみたいと思います。
(総括って…自分で言っててコワイ。何かの主義者みたいですね、ガンスリのパダーニャとか…)

けいおんについての争点を整理すると、こんなところかな。
①けいおんが部活アニメだとすれば、音楽ドラマとしての盛り上がり少なすぎじゃね?練習ほとんどしないでお茶してばっかだし。京アニらしいクオリティの高い演奏場面を期待してたのに。
②宣伝戦略が過剰で、作品性にまで影響してる。CMならまだしも、作品中で特定キャラ煽りすぎ。これってうざくね?
③てこ入れキャラの梓に期待したのに、アフター澪のいじられポジションにおさまっただけ。単なる人気取りだったら、後発の参加なんて意味なくね?

私は京アニではないのでお答えする義理はないのですが(ヘタに反論すると焼かれそうなので)、いちおう書きます。
①残念なことに、本来の意味での部活アニメではなかったようです。音楽は、いろんな意味でツールだったらしい。それでも、楽器その他のトリビアを駆使して、サザエさんほかの日常アニメとは一線を画しているという姿勢を見せようとの努力のあとが。
トリビアを楽しむのも、大人の趣味かもしれません。
②制作側が投資費用を回収するための手段なのでしょうね。古参の大手ならまだしも、京アニって後発のベンチャーに近いので、ある程度強引な手法を使わないと維持できないのかも。つか今まで他社が思いつかなかったのが不思議なくらい。
視聴者は制作側の都合なんて忖度する必要はないという正論もあります。そのとおりですが、その場合、制作側も同じことを考えるでしょうね。お互いさまになってしまいますね。あまり突っ張りすぎないで、できれば共に進化していきたいな。ついでに言えば、本末転倒にならないでほしいのは私も同じです。
③あずにゃんはね…。確かに、試合の流れを一人で変えられるファンタジストではなかったですね。先輩たちの牙城が強力過ぎました。
でもでも、それがあずにゃんの罪なんですか!?(逆ギレ)
('A`|||)
澪のポジションってホットコーナーですし、自然な世代交代ってことでどうですか?

トリはQ&Aです。

★なぜ「また合宿!」なのか?
 これは、私も気になった部分です。自分で「また」って言うのは、自覚している証拠ですからね。
 ただし、同じクールの間に合宿を2度も持ってきた理由は、原作が隔月連載なので季節エピソードのめぐりが早かった。つまり、京アニが原作に忠実だったため、ということでほぼ確定のようですね。
 しかし、同じ合宿ネタをやるなら、どうしてもっと工夫しなかったのか?という疑問は残ります。
 フジツボや花火や練習しないで海遊び、といった既視感ありまくりの展開でなく、新しい挿話を入れられなかったのか。はっきり言って手抜きではないか?
 この話数のポイントは、あずにゃんの気持ちの変化です。最初と最後に同じデート場面を設定していることから、その狙いは明らかです。
 わざと使い回した、とは考えられないでしょうか?同じ状況の再現を狙った、という意味で。
 練習そっちのけで一所懸命遊んで、それで結束が高まった。梓がそれを受け入れ、部になじむというオチ。
 頑張りすぎないでねアニメを見ている皆さん?というメッセージが込められているのかもしれません。こんな時代ですし。
 恐らく、けいおんのテーマって『人類補完計画』なんですよ。 Σ('∀`;)
 ムギちゃん発言の「うふふ、ゲル状がいいの~♪」がイイ証拠ではないでしょうか。けいおん部の理想形は共生ということで。
 そして、練習しないのにライブになると何故かすごい、という時代劇によくある設定(普段はのらくらなのにいざというとき凄い)を繰り返し使っているのも、意味があるのかもしれません。
 練習しない代表選手だった唯が、夜中にこっそり特訓していた、というのが、一つの回答だと考えられます。
(なぜにこっそりやるの?という突っ込みもありますが、シャイな人が一人カラオケで練習するのと同じ?)
 まずまず制作側の狙い通り、とは言えないでしょうか?

★遊びの感覚だけで成り立っている世界の名作って?具体的には?
 いやこれって私が言っちゃったんですよね?Σ(゚Д゚;
 「私が言いたかったのは、今のけいおん!の方向性を、『京アニの力の無駄遣い』と見るかどうかなのです。
手抜きを庇うつもりはありません。今のけいおんは欠点だらけです。
ただ言えるのは、テーマ性とかと全く違う次元で、「遊びの感覚だけ」で成り立つ世界の名作ってやつも、他ジャンルでは存在するということなのです。贔屓っぽいですが、京アニには、その可能性があると思ってます。技術が高いからです」
 ピッコロさん主催の「ピッコロのらじお♪」の掲示板への書き込みです。素で読み返すと、結構ごっついこと言ってますね。缶ビール6本目とはいえ。
 遊びで成り立つ世界の名作…。
 分りやすい例でいえば、不思議の国のアリスとかジョイスのユリシーズとか、そういうものなんです。
 映画だともっと分りやすいかな。スターウォーズとかのパロディって、見たことありませんか?あるんですよ、一杯。どれも結構面白いんです。
 あと、アニメでいえば、全編が壮大なパロに捧げられたナデシコとか大好きでしたね。

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コメント

>この話数のポイントは、あずにゃんの気持ちの変化です。
>ただ言えるのは、テーマ性とかと全く違う次元で、「遊びの感覚だけ」で成り立つ世界の名作ってやつも、他ジャンルでは存在するということなのです。

続けて失礼いたします。
「けいおんかく語りき」の考察。大変楽しく拝見しました。
このような考察記事って興味をそそられます。
他のブログの管理人様の記事を幾つも観てきたのですが、真正面から京アニ作品の考察をしている記事はあまりありませんでした。

上記の>部分は禿しく同意を致した表現です。
特に「遊びの感覚だけで成り立っている世界の名作」という表現はとても新しいし、何とい言いますか、実に面白いです。(←福山のマネではないですよ(笑))
言い当てておられると思います。
「うん!確かに!」と頷きながら読んでいる自分がいました。

投稿: ひろし | 2009年6月20日 (土) 22時22分

ひろしさん、さらにようこそ!
>「けいおんかく語りき」の考察。大変楽しく拝見しました
ありがとうございます!そう言っていただけると、頑張って考察した甲斐があるというものです。
>真正面から京アニ作品の考察をしている記事はあまりありませんでした
日常系なんだから、ややこしいこと言わないで楽しめばいいじゃん、という考えの方も多かったようですね。
確かにそういう一面もありますが、多面的な考察を許すだけの懐の深さが、けいおんに、そして京アニ作品にはあると思います。
>上記の>部分は禿しく同意を致した表現です。
嬉しいですねえ、同意していただける部分があるというのは。私も、ひろしさんの記事、大好きですよ。
>特に「遊びの感覚だけで成り立っている世界の名作」という表現はとても新しいし、何と言いますか、実に面白いです
いや~…
言っちまったな!って自分でも思いました、後からですが。(笑)
ついに、けいおんは世界の名作レベルに…。
でもでも、信念でもあるんですよ、これって。
玉石混交なアニメ界では、しっかりしたテーマ性が求められるのと同時に、遊び感覚を徹底した作品もまた必要だと思うのです。その両方を兼ね備えている京アニ作品って、貴重だと思います。
けいおんの最終回は、期待どおりの演奏場面も見せてくれたし、心から満足しました。
これからも頑張ってほしいです。

投稿: SIGERU | 2009年6月21日 (日) 03時48分

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