地獄少女三鼎第10話感想
地獄少女三鼎#10「鏡の中の金魚」
市村和也(三瓶由布子)プリキュアの人ですね。低い声質なので、少年役も多かったりします。
市村君江(高田由美)大ベテランの方。地獄少女ならではの起用かも。クレヨンしんちゃんのよしなが先生とか天地無用とかがアタリ役なんでしょうけど、個人的にはアタッカーYOUやオーガスが懐かしい…。
みずき「ねえ和也くん、なんでバイトしてるの?」
和也「新聞配達は、ほら、トレーニングにもなるし」
実は、母親の着物代を稼ぐためだったのです。
とてもストレートなお話でした。地獄少女的には、ちょっと一服という感じですか。
女心につけ込んで、高い着物をローンで売りつけるセールスマン、斉藤。
あこぎはあこぎなんですけどね。セールスの王道と言えなくもない。
ただ、色仕掛けがまずかった。純粋な和也くんの心を傷つけたのです。
一本道の展開。母親自身を流すとか父親を流すとか変化球があるのかと思ったら、そのまま行っちゃいました。
ランチュウは、着飾った母親の象徴。
綺麗な着物さえ着ていれば、夫の歓心を引くことができると思い込んでいる。
でも、父親はそんな妻を振り向こうともしません。
「夕飯の支度は?おまえは母親だろう!」
「母親はもう女じゃないの?」
「何わけ分らんことを言ってるんだ」
すれ違ってるなあ。倦怠期の夫婦の典型って感じです。
「♪あーかいべべ着たかわいい金魚♪」
ああ…お母さんったら、公共の道路で童謡なんて歌ってますよ?
既にお母さんは狂気ですか?
『あいつさえ、いなければ』
藁人形を手に入れた和也少年ですが、なかなか行動に出られません。
「相変わらずか」
「ああ。糸を解く気があるんだかないんだか」
「きっと怖いんだろうよ」
「それを知ってまで、流したい相手なのかどうか」
ある意味当然ですよね。自分の魂と引き換えなんだから。
これまでの主人公たちが、あっさり糸引きすぎだったと思います。
和也くん、新聞配達のバイトで稼いだ万札をこっそりと忍ばせています。
翌朝、お母さんは顔をあかくして何やら嬉しそうです。
「お父さんね、あんなこと言ってても、ちゃあんとお母さんのこと分ってくれてるのよ。夜の間に、お財布にお金を入れておいてくれたの。やっぱりあのピンクの着物も買うわ」
「そう…」
孝行息子の和也くんに糸を引かせた直接のきっかけは、媚びるセールスマン斉藤が、携帯で交わしていた母親への侮辱。
「え?色仕掛け?ないない、あんなババアと」
怒りの和也くん、糸を引きました!!
アタ( ゚◇゚)σ∵。∀・゜∴・゛タワバ!
地獄コントは、必殺のあたしきれい攻撃です。
もっくんの「あたし、きれい?」にちょっと吹いた。(´∀`*)フフ
地獄流しの舟では「放せ!次の営業に行かないと…。そうだ、お嬢ちゃん、いい柄のが入ったんだよ」
あいちゃん相手に商売してますよ?やるなあ斉藤。
金魚は死んでしまいました…。
図書室で、地獄絵図を見ている和也に、骨女先生が声をかけます。
「何を読んでいたの?」
「いつか、僕が行くところです」Σ(゚Д゚;
れ、冷静ですね和也クン。
8話の犬尾くんが狂気に逃げたのに対して、和也くんは実に冷静に運命を受け止めています。むしろ不気味な位です。
まだ中学生でありながら、あまりにも見えすぎる眼を持ったための悲劇なのか。
地獄落ちまで賭けた自分の行為が、結局、誰も救わなかったというのに。
いや、違うな…。
母親も父親も、本当は自分を見ようとしない。自分は透明な存在なんだ、という厳しい現実から、目をそむけようとしたのかもしれません。
静かな絶望――。
「先生。女の人が、いちばん言われて嬉しい言葉って何ですか?」
「いや~奥様おきれいですね」
「まあ、うふふふ♪」
また別のセールスマンが。たぶん、その次も。
このお母さんの目には、もう夫も息子も見えてないのかもしれません。
そういえば、金魚の童謡はこう結ばれていました。
♪おめめを覚ませばごちそうするぞ♪
お母さんは、もう目を覚ますことはないのでしょう。
そして和也くんも……。
次回「滲んだ頁」
あれ?きくりが泣いてる?
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