それがハルカの一大事(ばっちし18禁ver.)
「ぜーぜーぜー…」
ガルデローベ恒例の、100キロ踏破試験の最中だった。
巨大な荷物をどさっと下ろして道端に坐り込み、ハルカは荒い息をついていた。何しろ、シズルのと2人分なのだ。マッチョが売り物の彼女も、さすがにしんどかったらしい。
その横で、涼しげな顔でお茶を飲んでいるシズル。いつもどおり、言葉巧みにまるめ込んで、全てをハルカに丸投げしているため、疲れるはずもない。
ようやく息がおさまったころ、ちらっとシズルを見たハルカが、突然言った。
「ねえシズル」
「ん?」
「前から気になってたんだけど、あんた、もしかしてあたしのこと騙してない?」
「え?な、なぜどすか?」
この不意打ちに、内心どきっとしつつも、すかさずハルカの真意を探ろうとしたところは、さすが元生徒会長の冷静さだった。
「いやユキノが言ってたんだけどさ。ハルカちゃんは純粋なんだから、腹黒いシズルさんに利用されないように気をつけないと、って」
「何やえらい言われようどすなあ。ユキノさんって――ああ、ヴィントブルーム大学院を最年少で、しかも歴代トップの成績で卒業しやはった、あの人」
今は高級官僚から政治家への転身を狙っており、近い将来エアリーズ共和国を背負って立つ100年に一度の逸材と言われている才媛だ。
『そうやわ、ハルカさん本人はともかく、優秀なブレーンが付いてはったんやね。甘くみとおみましたわ、気いつけんと』
「そ、そんなわけあらしまへん。ハルカさんをからかって、何が面白いんどすか」
「それもそうねえ…」
ややあって、
「あんた、自分は非力やからとか言ってたわよね」
「え、ええ、そうどす。ごほごほ、持病の労咳と癪が。ついでに更年いえ女の病も」
「ふうん?」ハルカは首をかしげた。
「でも、あんたがあの七節棍もどきの武器で、シュバルツの巨大スレイブを軽々と振り回したのを見た人がいるんだけど」
しもた、誰かが見とったんか。
シズルは内心舌打ちした。
うかつやった。音も立てずに瞬殺したつもりやったのに。
これはいよいよ、実力行使に持ち込んでワヤにするしかありませんなとシズルは腹をくくった。
「ねえ、ハルカさん、聞いとくんなはれ。うちの中に地獄が住んどるんどす。それを追い出さなければ、うちは死んでしまうんよ」
「はあ地獄?」
とーとつな話題の転換に、ハルカは戸惑った。
地獄って、宗教史とかで習った、罪人が落とされる永遠の苦界のこと?
「そう、地獄どす。それは、シュバルツの科学が生んだ暗黒のエレメント。それがうちに取り憑いて、苦しめるんどす」
シズルはここで、苦悶の表情を浮かべてみせた。
「すると、どの辺が苦しいわけ?」
「ここどす」
「ここって――ここお!?」Σ('∀`;)
何と、シズルは自らの股間を押さえてみせたのだ。ハルカは唖然とした。
地獄門、という言葉が不意に浮かんだ。
女性のアソコは地獄への狭き門。キリスト文化圏である欧米のポルノ小説に頻出する表現である。
こういうトリビア知識に変に強いのが、珠洲の黄玉ハルカクオリティなのだ。
シズルの中の地獄は、その門付近で暴虐の限りを尽くしているのだろうか。いかにも辛そうに、股間をさすっている。
『ど、どれ位の苦しさなのかしら』
ハルカは自分自身の地獄門を想像してみて、急に顔を真っ赤にした。
「な、何だかよく分らないけど、苦痛なのは分ったわ。んで、あたくしにどうしろと?」
「それはどすなあ…。まずは、堅苦しいローブを脱いでみましょか。リラックスせんと、話が始まりませんものなあ」
「ふんふん」
「お次はこう、ちちあて(笑)をするっと」
「ほうほう。――って、何で?」
「さらにはコレをこう、ずるずると」
「うわ!?ちょww何すんのよぶぶ漬け!!そんな、アンダーまで脱がせて何を」
「ふふ、静かにしときよし。まずは横になってもろて」
「な、何するつもり?」
「そない固くならんでも。うちかてガチは苦手やさかい、最初はまったり行かせてもらいますえ」
何か叫ぼうとしたハルカの口を、さっと唇でふさいだ。そのまま、舌を差し入れて気持ちよさそうに吸い始めた。
じたばたするハルカを押さえ込むようにして、濃厚なキスは数分間続いた。
「ぷふう」ようやく離れたときには、ハルカはもう昇天寸前だった。
「ハルカさんの唇、美味しわあ。五臓六腑に沁みわたるようやね」
「こ、これでいいのね?」
「いえいえ、まだどす。うちのいちばん苦しい部分をラクにしてもらわんと」
呟きながら、むき出しの下半身をすり寄せ、ハルカの太腿のあいだにヒザを強引に割り込ませてきた。
「そのためには、こことここを触れ合わせて――ね?」
「はああ!」
その部分が、強くこすり付けられてきた。普段ははんなりしたシズルにしては、意外なほど乱暴で強烈な行為だった。
いちばん感じやすい部分を刺戟されて、ハルカは体をのけぞらせた。
彼女は、日常ではあり得ない、秘めやかな箇所の直接のふれ合いに、異様な感覚を味わっていた。
それは『快感』と呼ばれるものだったが、経験の皆無な彼女には、何が何だか分らない。ただ、気持ちよさでアタマが真っ白になり、心臓がどくんどくんと激しく動悸を打っている。
体中の熱いものが、ふれ合う一点に集中するようだった。
彼女は、自分の敏感なところが次第に熱を帯びて、ほぐれてくるのを感じた。
「ほらほらハルカさん、もっと積極的に腰を使ってもらわんと、うちの地獄はちょっとやそっとでは退散しませんえ」
「だ、だって。こんな恥ずかしいマネ、人間のすることじゃないわよ」
「ウブどすなあ。そこがまたよろしおすんやけど。でも、体は正直やね。あそこからは、どんどん泉が湧き出てはりますえ」
「う、嘘…」
抵抗しようとしたが、耳元にふうっと甘い吐息を吹きかけられて、一気に無力化された。スキだらけの乳首を軽く抓まれ、指でころがされた。
「ふわあ!!そ、そこはっっ!!」
ぴたりと当てた手を少しずつスラストさせて、ハルカの充実した腹筋や股間周りを、実に丹念に撫で回してくる。
「相変わらず、ステキな筋肉してはるなあ。それでいて、これほど豊かな胸を持ってはるハルカさんが、うち羨ましいわ」
「い、いや、豊かな胸というか、実はほとんど筋肉――あ、そ、そんなトコロに指突っ込むなんて、しかも2本も!うああ裂ける裂ける裂けちゃう!」
慌てて腰をずらせ、抜こうとしたが、シズルはそれを許さなかった。
しっかりと秘奥の中心をとらえて、くりくりっと転がしてみせた。
ハルカはちいさな悲鳴をあげた。
「ほらほら、言うたやろ?もっと力を抜かんと、かえって痛い思いをしますえ」
「や、やめ――そんな獣みたいな――」
「ええやないの。二人でけだものにでもなりましょか。泉が溢れて、ええ感じにこなれてきやはった。ほーら、くちゅくちゅ、くちゅくちゅ」
実際、ハルカのそこは充分に濡れそぼっていた。シズルの指の動きにつれて、いやらしい音を立てている。
「や、止めなさいシズル――。もう耐えられませんわ。お止めなさいったら!……いえ止めて、お願いこのとおり」
シズルは、どこか嗜虐的な笑いを浮かべた。
「あらあら、もっと鳴かせてほしいんやね?ほーらほらほら」
「あっあっあっ、いやあ!」
さらに力が加わった。しなやかな指が、ずぶりと根元まで埋まった。
「うふうっ!!」
指を支点にして刺し貫かれたような格好だった。もう腰を逃がすこともできない。
大事な部分を思うさま蹂躙され、ハルカはまるで操り人形のようになすがままにされ続けた。
気の遠くなるような快感に耐えかね、救いを求めるように親友の名を呼ぶ。
『ユキノ、ゆきの、あたくしどうしちゃったのかしら?地獄を追い出すって、こんなに気持ちのいいものだったのね?知らなかった…』
ユキノの姿が浮かび上がった。なぜか、険しい目で睨んでいる。
『ちょ何怒ってんのよユキノ。あたくしはただ、人助けをしているだけ――』
ユキノは、深いため息をついた。処置なしとでも言うように、首を振って見せた。
「やっぱり、ハルカちゃんはハルカちゃんなんだね。仕方ないね。人を呪わばアナ二つ?って言うもんね。シズルさんに出来るのならわたしだってきっと――きっといつか――」
彼女の顔が、いちどテレビで見た「地獄少女」のそれに変わった。つややかな黒髪にセーラー服、おおきな瞳だけが赤く光っている。
その時は、この子、ユキノに異様に声が似てるじゃないの、そ、そうかなあと一緒に笑い合ったものだったが。
そして少女は言った。
「いっぺん、死んでみる?」
★ ★ ★
行為は終わった。
ハルカはほぼ死んでいた。
ぐったり横たわったまま、荒い息をついている。豊かに張りつめた胸が、大きく上下している。
シズルは満足げに額の汗をぬぐって、涼やかに微笑んだ。
「いい汗かきましたなあ、ハルカさん。一休みしたら、また出発しましょか」
「(ぜーぜーはーはー)…………それで、地獄、とやらは、どうなったの?」
「地獄?――あ、そう、そうどした。ええ、ええ、ハルカさんのお蔭で、地獄はすっかり退散しましたえ。ほんに、はばかりさんどした」
「そう…。それはよかったですわね。まあ、あたくしにかかれば、地獄の一つや二つ、お茶の子バイバイですわ」
ハルカは、ともかく大きな仕事を成し遂げた満足感で一杯だった。相変わらずのリーダー気取りで叫んだ。
「さあ、出発よぶぶ漬け!ついてらっしゃい!」
「はいはい、ついて行かせてもらいますえ」
シズルは、あの微笑を浮かべながら、肩で風を切るようにしてのしのし歩くハルカの後を追った。
(おわり)
【後書き】
ついに書いてしまいましたよ。
以前からいやな感じに暖めていたネタが、ついに暴発しました。
学生時代のハルカとシズル話です。後半は(*´Д`)/lァ/lァしまくりです。
それでもえろさ控えめビターな味わい?に仕上げたつもりなんですが、どんなもんでしょうか。というのは改作により真っ赤なウソになりました。('A`|||)
はいはい皆さんえろすえろす(笑)。
えっと、このSSは、お仲間のにーとさんに、バースデープレゼントとして献呈しております。ものをバージョンアップしたものです。
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